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【寄稿】人的資源管理に役立つ三つの心理学理論(2014年10月10日)

【寄稿】人的資源管理に役立つ三つの心理学理論(2014年10月10日)

 人的資源管理に役立つ三つの心理学理論

     人的資源管理は人事管理を基礎として発展した現代の管理理念であり、組織の客観的な発展ニーズを反映するものである。これは仕事本位の管理から従業員本位の、人間を基本とする管理へとシフトする現代人事管理の新たな発展形であり、組織の成長のカギとなる要素ともなっている。人的資源管理においては、人間心理の動きとその特徴を捉えるだけで、使用や管理も上手くいくものである。人的資源管理のあらゆる要素の中でも、心理学の理論と方法は広範な応用が利く分野である。

    一般的に、心理学上で「バーナム効果」「バタフライ効果」及び「単純接触効果」と呼ばれる心理学的理論は、人的資源管理に借用することのできるものである。

★バーナム効果

    人は自我を見失っているとき、容易に周囲の情報による暗示を受け、他人の言動を自身の行動の参考とすることは、大衆心理の典型として証明されている。心理学においてはこの傾向のことを「バーナム効果」と呼んでいる。

    実際のところ、人は生活の中で他人の影響や暗示を受けない時は無い。例えばバスの中で、あなたはよく次のような状況に出くわすだろう。ある人が大きく口を開けてあくびをすると、周囲の人たちもあくびを我慢できなくなる。あくびをしない人ももちろんいるが、それは暗示をそれほど強く感じていないためである。自己を認識することを、心理学上では自我知覚と呼んでいるが、これは個人における自己理解の過程を言う。この過程において、人は容易に外界からの情報による暗示を受け、自己知覚との間にギャップを生じせしめるのである。

★バタフライ効果

    心理変化は繊細かつ微妙なものである。あるささいな良くない気持ちがその日一日の不快感を招いたり、様々な面倒を引き起こしたり、ついには一連の災厄を呼び込むことにつながりかねないのである。これを「バタフライ効果」という。

     「バタフライ効果」は我々に次のことを訓示している。「些細な悪感情に注意を払え、それを敏感に感じ取り、心を整えよ。さもなくばたいへん大きな悪結果を生み出すこととなるだろう」

★単純接触効果

     我々は新しきを好み古きを疎むのが天性だと思いがちだが、これは事実だろうか?実際のところ、人々はより勝手知ったるものほど好む。この現象を心理学では「単純接触効果」という。人との交流の場においてよく観察してみると、人気のある人は往々にしてこの「単純接触効果」を徹底して利用している。彼らは双方の触れ合う機会を作り、お互いをよりよく知ることで、双方はより惹かれあうようになるのである。

     当然ながら、「単純接触効果」がその作用を発揮する為には、第一印象が良い、ということが前提条件である。もしあなたの会った人の第一印象が悪ければ、その後あなたはその人と会うたびにより嫌いになっていくだろう。それは「単純接触効果」がマイナスの作用を起こしているのである。

     以上三つの理論は、企業文化の確立や従業員のロイヤリティ向上などに一定の手助けとなる。また、今まさに人事制度を改正している企業にとって、いかに従業員の情緒に抵触せず新制度を施行させるか、いかに新制度へスムーズに移行させるかという問題について、先に述べた心理学の知識を用いることは、ひとつの良い選択肢であると言える。