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【寄稿】ビッグデータ時代の報酬管理及び時間管理(2015年12月04日)

はじめに 

 アリババグループの馬雲氏は、「パーソナルコンピュータとは何かはっきりしなかった頃に、インターネットはやってきた。そして、インターネットとは何かはっきりしないままに、ビッグデータの時代が既に到来している」と語りました。今回の交流会では主に皆様と一緒にビッグデータ時代の報酬管理と労働力管理の変革について検討を重ねたいと存じております。今回の交流会の企画者を紹介したいと思います。上海中智財務諮詢有限公司は中智グループ傘下にあって、独立してお客様の依頼を引き受けへサービスを提供する包括的財務コンサルティング会社であり、全国各省のあらゆる都市でサービスを展開し、中国国内の各企業及び個人顧客の報酬、財務、税務などのあらゆるニーズを包括的に解決しています。同社は中智グループの優位性を受けて、最も成長力を有する最新鋭の包括的報酬財務サービス提供者となり、顧問や戦略協力パートナーと共にソリューションの提供に当たっています。同社は報酬支払アウトソーシング、税務代理、代理記帳、プラットフォーム提供サービスを行っておりますが、うち報酬支払アウトソーシングを主な業務としております。

第一部 報酬管理

 人的資源管理の専門領域において、現代の報酬管理に求められるニーズは、もはや賃金の代替計算などの簡単なものではありません。如何に従業員の出勤、采配、残業、休暇を管理するか、販売員の賃金を見積もるか、企業内部の人件費を抑えるか、中国人及び外国人スタッフや高級管理者の税務計画を立てるか、福利厚生を管理するかなどの専門的なソリューションについて、中智では伝統的な賃金計算業務から人事コスト全体をカバーする業務へと徐々にシフトチェンジを進めて来ました。

 各職位の役回りから人事を定義すると、一般の人事担当者は主に従業員の人事(入退職、昇進、異動等)や賃金、福利など日常的な基本的人事管理業務に責任を負い、人事主管は人的資源管理において組織構築や規則の制定、人材招聘、従業員の訓練及びキャリアアップ、報酬全体の管理、従業員とのスムーズなコミュニケーション等について責任を負うものです。また人事経理、人事総監などの場合は、最高責任者の方針に基づいて従業員の能力管理、業績管理、人材及びリーダーの管理や業務の引継ぎなどにおいて戦略的で高度な人的資源管理を行わなければなりません。HRの責務が絶えず大きく膨らんでいる状況にあって、中智はお客様の堅固な後ろ盾、忠実な業務パートナー、企業アドバイザーとして、絶えずお客様の支援と協力に勤しんでおります。

 ゆえに、ビッグデータ時代に突入し、あらゆる経路や方法でデータが集積される現在、我々の提供するサービスモデルも元来の簡単なオフライン方式に戻ることはできません。我々はアウトソーシング代理から相互委託を経て、自己管理システムのレンタルへと人的資源管理が変化していくのを目の当たりにしてきました。第一段階としてはアウトソーシング代理——お客様がサービスを受ける一方として、サービス提供者が内部で作成した一覧からサービスをチョイスし、これを提供して結果を得る、これが我々の伝統的なアウトソーシングモデルです。これが第二段階の相互委託へと移行し、ここで大きな変化が起こりました。お客様がサービス提供者とオンライン上でデータやモジュールを共有し、その果実を受け取る方式へと転換したのです。とはいえこの段階では、主に企業内の人事福利担当責任者が関わる程度で、共有するデータやモジュールも単純にHRの業務量や効率を高めるためのものであったため、企業に特に大きな変化を与えるものではありませんでした。しかし我々が現在進めている自己管理システムのレンタルという第三の段階に至って、人的資源管理の手順に天変地異とも言える変化が生じ、人的資源管理はお客様とサービス提供者がプラットフォーム上でやり取りをするだけのものではなくなりました。これは企業内部へ大きな変革をもたらすもので、本来の人事担当者が人的資源を管理するだけでなく、一般社員から高級管理者まで、各々がこのプラットフォームで自身の日常管理をできるようになりました。このような包括的自己管理システムサービスは、経理クラスへ多くの事項を授権するのみならず、自己管理を推し進め、従業員へ業務への参加や認識を自覚させることで、人的資源の業務効率を高めることができ、また企業の方針策定により具体化された戦略的視野をもたらすことができます。

 中智ではオンライン自己管理システムとオフラインサービスを結合したO2Oモデルを採用し、お客様に対し完全なソリューションを提供させて頂いています。引き続き、我々の提供させて頂いている自己管理システムの内容及び機能を紹介致します。我々の提供している主な管理ツールには組織管理、人事管理、契約管理、雇用管理、時間管理、モバイルOAの六つがあります。

 組織管理——組織の枠組みの設定、職位管理、法律実体、コストセンターによるサービス等。人事管理——従業員センターによるサービス、従業員データの保守、報酬福利の記録及び業務経歴などの関連情報の維持管理。契約管理——労働契約雛形の管理、試用期間及び契約満了の予告、これに関する契約締結手続等。雇用管理——従業員登録から入職手続、職位調整、離職手続までの一連の流れを管理。時間管理——出退勤、残業の申請及び批准、休暇の申請及び批准、モバイルアプリケーション。

 モバイルOA——内部通信録、オンライン業務日誌及び予定、会議の手配、個人及び組織の業務管理、協議の発起、共同プラットフォームなど、従業員がいつでも、どこでも、どのような方法でも取り扱えるシステムの提供。

 これら連動するプラットフォーム上のモジュールは、企業内部の人事、財務管理システムから勤務管理設備まで全てのデータを集積することができます。これによりデータの重複登録減少やデータの同期を実現し、企業内部システムの改善及び各部署への直接的かつ有効な拡張と支援を行うことができます。

 このような常用モジュールの他に、アプリケーション機能を持ったモジュールも提供しております。これらは人的資源管理、財務管理から顧客管理まで企業のあらゆる重要な場面をカバーするものです。

(一)第二部 時間管理

 報酬管理に引き続き、労働力管理の発展と趨勢について検討を進めていきたいと思います。労働力管理とは、企業が生産活動をスムーズに行うことを目的として、労働力という資源について有効に計画、組織、監督、調整する管理活動の総称であり、適切な人材を適切な時間、適切な職位の部署へ配置するものです。時間管理は労働力資源管理の日常的な基礎業務であり、人材配置、出退勤の記録、時間外労働管理及び休暇管理を行います。時間管理の重要性は「基本、規範、規律、公平」の八文字で表すことができます。

 時間管理は労働資源管理の日常的な基礎的業務である一方、労働者の使用を規範化する重要な手段であり、管理制度の改善は従業員の労働時間に対する理解を深めるだけでなく、生産性を高め、社内の業務秩序を保つ効果があります。出退勤制度の徹底は管理制度を遵守する従業員を保護し、全ての従業員を公平、公正な業務環境に置くことに繋がります。

 伝統的な時間管理モデルは、既に企業のニーズを満たすものとは成り得ていません。インターネットやモバイル技術の絶え間ない進化に伴い、政策制度や手続をそのシステム内に落とし込み、従業員自らにこれを操作させる事で従業員全員を時間管理に関わらせ、企業内の業務効率を高める方法がますます浸透して来ています。従業員其々の業務時間や職位によって、実際に管理しなければならない内容も変わってきます。我々は、例えば製造業ならば交代制や作業班が多い、小売業ならば従業員の幅が多岐に渡る、人材流動率が高い、臨時従業員の使用が頻発するなど、従業員按配上の課題を業種別に分析しており、人材管理システム構築に当たってはこれらの要素を鑑み、多くの班やチーム、シフト、臨時人材の按配などをカバーできるよう設計しております。

 まず出勤管理においては、出勤データをタイムカードやオンライン打刻、モバイルシステムで集積した後、勤務評定システムにより出勤状況を判別し、異常があれば適時お客様へ通報するという流れで、完全な勤務評定を実現しています。

 次に、時間外労働管理では、従業員の残業が客観的に存在した場合、如何にして毎月の時間外手当の正確な支払を保証するかという点について、発起、計量、支払の三つのポイントから管理を行っています。

 1. 各労働時間制の従業員に対し、労働規則に以下のように記載します。1)標準労働時間制:営業日の残業、週末残業、祝日残業を管理 2) 総合労働時間制:勤務日及び祝日残業を管理3) 不定期労働時間制:祝日残業を管理。2. 残業時間の計量に当たっては、システムを用い(署名のある勤務記録に基づく)従業員の実際の勤務時間と指示のあった残業計画時間を比較し、重複する部分について時間外手当を支払います。3. 時間外手当の算定は、 1)直接支払い、代休の付与、欠勤との相殺により行います 2) 従業員が自ら選択した、又は予め規定された方法で清算し、正確な時間外手当の支払を実現します。

 また、休暇管理については、休暇規定が複雑である、休暇を記録しなければならない、残休暇数の管理が難しい、残休暇可能日数が分かりにくい等の難題があります。我々はこれらを、以下のように解決します。

 1. 企業内部の休暇規定を整理し、システム内に休暇規則及び支払われる金額を設定する。2. 全ての休暇申請批准をシステム上で行い、記録する。従業員は休暇申請の付属資料をアップロードし、批准の利便性を高める。3. 休暇申請手続きを統合し、実際の休暇状況(休暇可能日数、休暇取得日数、休暇残日数)をはっきり確認できるようにする。4. 従業員が自主的に残休暇可能日数を調べられるようにし、年休の行使に支障が出ないようにすることで、企業の規則違反リスクを減少させる。これらのシステムでは、お客様の要望に応じてデータ及び機能の使用権限を振り分けます。

 また、スマートフォンユーザーが段々多くなり、モバイルデータ通信が発達するに従い、モバイルオフィスに対するニーズも切迫している現状、携帯Appにより従業員データを把握することもできます。主な使用対象者は従業員と経理です。休暇や残業をモバイル通信で申請することにより、従業員や管理職者は自ずと社内規定を理解することができ、気軽にかつ迅速に情報を得ることができるようになります。会社方針の透明化は従業員の会社に対する尊敬度の大幅な向上に寄与するものです。

 データ内から関連性、要点、規律を見つけ出し、その傾向、趨勢を洞察する。大規模な元データを収集、蓄積し、その裏側にある商務的インテリジェンスと結びつけ、企業のデータ分析の為に可視化、簡素化したレポートを提供する一方、データの背後にある意味を掘り下げ企業の方針策定の根拠を提供致します。ビッグデータの力があれば、企業管理者はあらゆる業務の管理水準及び統治能力の大幅に向上させることが可能なのです。

終わりに

 我々は生活において、データと関わりを持たずにはいられません。報酬管理はもちろん、時間管理を抜きにして、毎時毎秒の膨大なデータを語ることは出来ません。我々もまたデータの一部分であり、我々が考えようと考えまいと、ビッグデータは我々を巻き込みます。データは我々を探し出し、我々を多い尽くすものです。ビッグデータ時代は既に到来しています。データの海の中で如何に知識を発見し、その中に隠れたモデルや趨勢、関連性を探し出し、現象や規律を、その商業的応用方法を提示できるか。我々は、データを読むための洞察力を高めていく必要があると言えるでしょう。


 寄稿——上海中智財務諮詢有限公司
業務コンサル推進部 経理 張淳珏
業務運営部 経理 陳盈朕

 ◆上海中智財務諮問有限公司は、中智グループ傘下独立の総合性財務諮問公司として、全国各地の企業や個人の御客様に報酬財税サービスを提供しています。上海中智財務諮問有限公司は中智グループの資源を活用し、高い成長性を持ち全方位に報酬租税サービスを提供できるサプライヤー、問題解決顧問及び戦略パートナーとして、報酬アウトソーシングをメイン業務に、税務代理、記帳代理、プラットホームサービスなど、様々なサービスを提供しています。