ホーム > HRニュース > 中国HRニュース> 【判例】 従業員が不適法な離職をした場合、使用者は档案の処理を保留できるか?(2017年10月31日)

【判例】 従業員が不適法な離職をした場合、使用者は档案の処理を保留できるか?(2017年10月31日)

問:2015年、張氏とA公司は書面による5年間の労働契約を締結した。今年5月、B公司は張氏を高待遇で引き抜き、張氏はA公司へ書面で即時契約解除を申し出たが、会社側はこれを拒否した。

張氏はすぐにB公司へ転職したが、A公司は30日前の労働契約解除予告が為されていないことを理由として書類を受理せず、離職手続きを拒否した。

この場合、A公司は張氏の離職手続きをせず档案を留保し続けることはできるだろうか?

答:「労働契約法」第37条には、「労働者は30日前に書面により使用者へ通知することで、労働契約を解除できる」とある。張氏は労働契約の解除を書面で通知したあと即座に会社を去っており、これは明らかに法に適していない。しかし、張氏はA公司に勤務していた時から労働契約解除を申し出ていた。

また、労働契約解除後の労働者に関する書類の手続きについて、「労働契約法」第50条には「使用者は労働者との契約が解除または終了したと同時に労働契約が終了したことを証明する書類を発し、併せて15日位内に労働者に関する資料及び社会保険の移転手続きを行わなければならない」と規定されているほか、「企業職工書類管理業務規定」第18条には「企業内の重魚員に人事異動、定年退職、労働契約の解除、依願退職、解雇などがあったとき、従業員が勤務する使用者は、一ヶ月以内に新たな使用者及び従業員の居住する地区の労働(組織人事)部門へ、当該従業員の档案を移転させなければならない」とある。

これの意味するところは、労働者がどのような形で使用者を去ったとしても、使用者は均しく档案の移転手続きを行わなければならない、という事である。すなわち、A公司はどのような原因によるどのような目的であっても、張氏の档案を留保し続けることはできない。