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現地化進展で高まる人材育成ニーズ 中智と日経BPが上海で「課長塾」(2017年11月29日)

 中国HR大手の中智上海経済技術合作公司・中智日本企業倶楽部と日経BP社が展開する研修カリキュラム「課長塾IN上海」が11月14日と15日、上海市内のホテルで開催された。上海のほか広州や杭州など全国各地を拠点とする会員企業の幹部ら43人(日本人15人、中国人28人)が参加した。

 第3期「実践篇」と銘打った今回の研修テーマは「中国に経営層として赴任する日本人駐在員のマネジメント力向上」と「経営を任せられる中国人幹部の育成」。「課長塾」塾長の石塚健一朗氏らの事業紹介の後、ウィルPMインターナショナルCEOの石田淳氏が「行動科学マネジメント」の立場から有益な部下の指導方法について解説したほか、「インバスケット思考」シリーズなどの著書で知られるコンサルタントの鳥原隆志氏が究極の判断力の習得方法等について手ほどきを行った。

 石田氏は、中間管理職が部下を指導する際、曖昧さを排除し具体化するために役立つ「MORSの法則(具体性の法則)」を取り上げ、目標を多くの具体的な段階に細分化し、部下を一歩一歩当期の目標達成に導いていく必要性があると指摘したほか、Want-to-do曲線、Have-to-do曲線等の説明を混じえて、指導方法について懇切丁寧に解説を行った。

 一方、鳥原氏は、問題の識別、情報収集、対策策定の要点、利害関係者との意思疎通など教育訓練の具体的な成果測定法として、1950年代にアメリカ空軍が開発した「インバスケット」メソッドを取り上げそのコンセプトの説明を行い、さらに優先順位実行マトリックスを使った判断方法を紹介した。

 「課長塾」はリーダー人材の育成をコンセプトに日経BP社が日本で7年前にスタートさせた公開研修で、「知識」「技能」「メンタル」など多くの角度から行う有益なトレーニングに定評がある。これまでの参加者数は2000名に上るという。一方、中国では、中智上海と日経BPが双方の提携事業の一環として開催、今回で3度目の実施となる。進出企業の現地化が進展し、ますます増える中国人幹部の育成ニーズを背景として、回を重ねるごとに注目度が高まっている。

 中智日企俱楽部の馮串紅部長は、「日本から中国に送られてくる駐在員も若返りが進み、課長クラスの研修ニーズが高まっている。さらに、現地の慣習や特殊な事情に合わせて研修内容のカスタマイズが求められるASEAN各国のケースと比べると、『課長塾』で提唱する理論や手法は中国で親和性が高く、受け入れやすい下地がある」と語る。第4期となる「課長塾」は来年7月の開催を予定し、今回を上回る規模になることが予想される。

 中智日本企業倶楽部では、「課長塾」のほか、さまざまなHR関連セミナーを実施。馮串紅部長は、「今後は上海やその近郊だけでなく、内陸部での実施も視野に入れたい」と意欲を見せる。

 (中智日企俱楽部: 微信号「ciicshjp_club」、http://www.ciicshjp-hrm.com/)

  

Whenever大連 2017年12月号より