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【判例】 国外駐在の従業員に労災が発生した場合、会社側はどう処置すべきか?(2019年5月30日)

案例:

基礎施工建設事業を行っているある建築会社は、アフリカ某国の高速道路建築支援に参加することとなった。

会社側は、品質管理の為、国内から技術職幹部を選抜し当該某国へ駐在させたが、駐在員の一人が駐在中に負傷した。この駐在員は帰国後労災認定を受けた。このような状況下にあって、会社側はどのような処置を取るべきであろうか?

分析:

本案件について、もし会社側が国内で当該従業員の労災保険費を納付し続けているならば、国内であろうと駐在先であろうと、業務中従業員に発生した労災について国内の労災規定が適用される。

但し、駐在期間にある状況となったときは、国内の労災規定は適用されない。駐在先の法律に基づき現地の労災保険に加入したときは、現地での業務期間中に発生した労災については、当地の労災規定が適用されるのである。但しこの場合でも、もし現地の労災保険に加入していないときは、帰国後「労災保険条例」に基づき労災保険を受けることが出来る。

根拠条文

「労災保険条例」第四十四条:労働者が業務により国外へ派遣された場合において、派遣先の国家または地区の法律に基づき当地の労災保険に加入しなければならない時は、当地の労災保険に加入し、その国内における労災保険関係を中止する。但し、当地の労災保険に加入できないときは、国内における労災関係は中止されない。