智櫻会セミナー・イベント
2017年7月26日--中智智櫻会セミナー2017年総第3回 【無固定期限労働契約の政策解析及びリスク管理】開催報告
中智智櫻会セミナー2017年総第3回 【無固定期限労働契約の政策解析及びリスク管理】開催のご報告
【セミナー実施報告】
さる7月26日(水)、中智「智櫻会」セミナーを「中智上海会議中心」で開催しました。
開催に先立ち、中智日本企業倶楽部会員諮詢経理の新井宏昌から、今回のセミナーの趣旨を皆様に説明しました。
『労働契約法』が施行されて9年が経ち、無固定期限の労働契約となるケースや紛争が大量に出現し始めています。法律では、無固定期限の労働契約を締結する場合として、「勤続10年」と「連続2回契約更新」を規定していますが、実務中では境界と基準が非常に曖昧で、争いがあり、また地域により判例も異なります。そこで、今回は、大量に出現した無固定期限労働契約の対応と、無固定期限従業員の管理方法を皆さまと共有するため、このセミナーを企画しました。
今回のセミナーには、東芝、豊田合成、藤倉、山善、ニコン、日立金属、キーエンス、YKKなどの企業に参加いただきました。
セミナーの講師は、智櫻会特約講師の李永超先生が担当しました。
講義ではまず、無固定期限の労働契約に関して、「鉄飯椀」(食いっぱぐれない)や、「労働契約の解除や終了ができない」、または「事前に労働契約の自動更新を約定していれば、無固定期限の労働契約締結を回避できる」などのよくある誤解について解説しました。
固定期限契約の設定方法として、上海の場合、一回目の契約は3年、二回目の契約を5年にすれば、合計8年で10年未満のため、二回目の契約満了時に更新せずに終了することができると述べました。
また、就職差別となる条項(既婚未出産者は不採用など)について、従業員が虚偽の申告をしたとしても、詐欺を理由に解雇は認められないが、信義誠実義務違反を理由として解雇が認められたケースを紹介しました。
無固定期限の労働契約のリスク管理について、上海の場合、二回労働契約を更新し、勤続年数が10年未満の場合、企業は労働契約を終了することができるが、地域によっては無固定期限労働契約の締結が義務付けられると述べました。そのほか、労働契約書を作成する際の注意点や誤解について解説し講義を終えました。
最後の質疑応答では、多くの受講生が終了予定時刻を過ぎても熱心に質問されるなど、盛況のうちに終了しました。
中智「智櫻会」では会員活動として、定期的にセミナーを開催する予定です。より多くの日系企業様に「智櫻会」プラットフォームの主催者となっていただき、共に「智櫻会」を建設していくことを希望します。