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中智日企倶楽部、三井金属鉱業株式会社日本本社との新入社員研修を成功させる(2017年5月)

  2017年5月10日、中智上海経済技術合作公司日本企業倶楽部は、中智研修室にて行われた三井金属鉱業株式会社様との新入社員研修を成功させました。研修は、三井金属日本本社の担当責任者によるものと、中国現地法人の総経理自らが行うものの二部構成となっており、新入社員はいずれも早稲田大学、学習院大学、大阪大学、九州大学、立命館大学などの名門校を卒業して、今年三井金属株式会社へ入社した方ばかりでした。研修が終了した後、彼らは三井金属の日本本社及び各営業所へ赴任し、そのキャリアの幕を開けることになります。

  今回の研修では、中智日本企業倶楽部 馮串紅部長が講師を務めました。馮部長は中国で成功した日系企業や中国企業の経営の知恵などを紹介し、来場者たちと在中日系企業が求めている人材像や、個々のキャリアプラン等について熱い議論を交わしました。

  

  ■ 馮部長、在中成功企業の経営の秘訣を語る

  馮部長はまず日本と中国の人口、土地、民族、スポーツ、交通などの違いに触れた上で、世界地図を見ながら、世界における、とりわけ中国における三井金属の海外事業を参加者へ教えた後、日系企業の中国における成功の条件、経営モデル、失敗と反省点などについて講義しました。馮部長は更に、研修前アンケートで研修生たちが特に興味を示していた無印良品やコンビニエンスストアについて、分析を進めました。

  多くのモデル案件分析は、新入社員たちに、日系企業が中国で長期的に成長するためには、強い精神力と大きな目標、そして現地に根を下ろした現地化管理が必須であるということを理解してもらいました。

  同時に、研修生たちが関心を寄せている中国企業、アリババ、ファーウェイ、宝鋼などについて、馮部長はその成長の歴史を詳細に解説しました。この席で、中智日企倶楽部山本から中智グループについて、中国を代表する人的資源企業で、労務や法務、商務などについて67,000社の187万人に及ぶ人材へサービスを提供していると紹介を加えました。

   


 

  

  ■ グループ討論会

  在中日系企業や中国の成功企業について学んだ後、馮部長は小グループに分かれた研修生たちと、在中日系企業に必要な人材や理想的な企業、将来の夢などについて白熱したグループ討論を展開しました。

  在中日系企業に必要な人材とは?

  在中日系企業に必要な人材について、研修生たちは駐在員、現地社員のそれぞれに、及び両者に共通する必要な要素について議論を展開しました。まず、両者に共通する必要な要素は言語能力、コミュニケーション能力、才覚、異文化への理解であるとした上で、駐在員に必要なのは特別な管理能力、持久力であるという意見が出ました。ある研修生は、日本人の表現は謙遜したものであるから、海外の駐在員は、自身のビジョンを明確に示せる気迫が必要だと指摘していました。また、現地従業員について、研修生たちは各書籍から中国では人脈がものを言う世界であり、現地従業員は中国の政策法規やマーケットに精通していることが重要であることを理解していました。

  馮部長は研修生たちの視点に同意した上で、コミュニケーション能力、管理能力の他に、日本側の駐在員には、日本本社との信頼関係や孤独に耐える頑強な精神力が必要になる、と彼らの意見を補完し、学校を出たばかりのニュージェネレーションたちはこれからそのことをより深く体感するでしょう、と述べました。また、現地従業員については、研修生たちの意見にあるような言語能力やコミュニケーション能力のみならず、具体的な専門技能や理解力、実行力などの資質や、業務への積極性を十分に有していることが必要になるでしょう、としました。

       


 


 

  

  理想的な企業環境

  理想的な企業について、研修生たちはそれぞれに自身の見方を述べていました。新生代の社会人は、福利厚生や公正な制度、成長ビジョンの透明化、キャリアアップの見通し、清潔な職場環境、適切な通勤時間などを特に求めている様子でした。

  新世代の社会人たちには言いたいことを存分に述べる可愛らしい性分があるようで、リラックスして仕事に臨みたい、職場でもオシャレがしたい、イケメン上司と一緒に仕事がしたいなど、思っていることを包み隠さず話していました。新世代の社会人が入社してくるということは、企業に新たな活力が注入されるということです。日本の企業文化や職業観が、多元化の方向に進んでいく未来が予見されるひと幕でした。

       


 


 

  

  将来の夢

  3年、5年、10年後の夢へと話が進み、研修生たちはめいめいに自身のキャリアプランやライフプランについて語りました。数年の業務経験を経て海外へ赴任したいと考えている営業職として入社した研修生は少なくなく、ある研修生に至っては三井金属のアフリカマーケット開拓の第一人者としてアフリカへ赴任し、現地の生活レベル向上に貢献したいと述べ、その遠大な夢に盛大な声援が送られていました。人事課へと配属になった研修生たちは、従業員がより快適に業務に打ち込める環境を整えたいと抱負を語っていました。企業、特に製造業企業ではワーカー達の努力が欠かせません。もし彼らが不満を抱けば、企業の将来の成長に暗い影を落とすことになるのです。人事部、広報部、経理部の海外駐在の可能性は大きくありませんが、彼らは自身の職責の下、企業のグローバルな成長に貢献しているのです。ライフプランの話題になると、いつ頃結婚したいか、子供は何人欲しいか、という話から、どんな動物をペットにしたいかなど細かい話に発展し、会場はあちこちから笑い声が聞こえる和気あいあいとした雰囲気になりました。

  席上、三井金属日本本社の人事責任者木村氏は、今後の仕事であらゆる困難にぶつかるかも知れないが、道に迷って途方に暮れたときは今日の希望と気持ちを思い出して、あきらめず、果敢に、粘り強く夢を追いかけて、それを現実のものにして欲しい、と語りました。

   


 

  

   


 

  

  ■ 質疑応答

  最後に設けられた質疑応答では、馮部長が研修生たちの質問に回答しました。在中日系企業の中国人従業員に対する研修について、馮部長は、入社したての頃は文化的な差異や顧客対応、集団意識、「ホウレンソウ」などを教え、3年から5年後には(研修によって)専門職を一任させ、5年から7年後には中間管理職として、「課長塾」などで管理能力を強化させるという方法がある、と回答しました。また、どのようにすれば中国駐在がより容易に成功するか、という質問について馮部長は、かつて日系企業のバイヤーや営業は主に日系企業を対象としてきたが、現在は現地企業を対象としたものにシフトしつつある。環境の大きな変化に対して臨機応変に戦略転換し、現地企業との連絡の道筋をつけておくことが重要となるでしょう、と答えていました。また、馮部長は人脈の持つ作用について、中国企業が日本で成功した例としてB2BのEコマースモデルを挙げて説明したほか、在中日系企業における中国人従業員の昇進問題についても回答を加えていました。

  質疑応答を終えた後も、議論の熱冷めやらぬまま新入社員研修は成功裏に幕を閉じました。4時間に及ぶ交流の中で、研修生たちは新世代の日本人の職業観を十二分に示しました。半月間の在中研修もこれでピリオドを打ち、これから彼らはそれぞれの職場へ赴くことになります。私たちは、彼らがこれから仕事や生活の理想を叶えていくことを、心から願ってやみません。

  今回、三井金属鉱業株式会社様は、同社初となる日本研修+中国研修という画期的で大胆な新入社員研修を実施しました。研修生たちは、未来の日系企業駐在員の中核として、今後よく学び、情熱をもって大きな夢を追いかけ、私達に感銘を受けさせることができるだけの力を有しています。日系企業が今後更に世界的成長を遂げていくことを、私たちは確信しています。