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中国人現地法人基幹人材候補者育成の為の日本招聘(技能実習活用)

(現地法人技術者短期研修)

◆関西に本社を置くアルミ加工販売企業T社様。このT社様において活用された人材育成プラン


≪経緯≫
 08年のリーマンショックに始まる世界的大不況により、世界の中でも有望市場は中国へと変わりました。中国は、国内の内需刺激策として60兆円もの資金を内陸中心に投下し、それに伴って国内の所得を増やし、その上で消費を促すという政策を取りました。この政策は、世界に先駆けた政策だったため、世界に対してのアナウンス効果も高く、2009年には景気底入れを示唆しました。

 一方で中国はWTO加盟後、海外からの投資が急増し、大規模な雇用が創出され、安価な人件費による低コストの製品が大量に生産され、「世界の工場」として拡大しはじめました。しかし、急速な経済成長に伴い人件費が高騰し、従業員がより高い賃金を求めて国産企業はじめ、欧米や日本などの外資企業への転職を繰り返す傾向が強まって参りました。

 その後、これらの問題を解消すべく、2008年に労働契約法が公布・施行され、これにより、労働者保護の色が強くなり、以前はアメリカ式の企業重視の政策だったのが、終身雇用も見据えた労働政策に転換された事が大きな変化と言えました。

 こういった情勢の中、T社様は、比較的後発に中国へ工場進出され、中国での拡販を目的として中国工場の操業を進めていました。中国を製造工場と見ると同時に販売市場としての認識も高まったと言えるでしょう。

 T社様は、長江流域のある都市に中国現地工場を設立し稼働を始めました。基本的には董事長と総経理は日本人が務め、他のスタッフは基本的に現地中国人を採用しスタートしました。スタート当初は、人員の確保、生産ラインの稼働などは順調に進んでいたのですが、やはり国慶節や春節時前後におけるワーカーの離職の問題などが挙がってきました。

 これは沿岸部の労働者の大半が西部地域の出稼ぎ労働者で占めるため、春節のような長期休暇に突入すると、帰省したのち、帰省先から帰ってこないと言った問題でした。当時はこの問題がこの周辺地域でも増加していました。

 西部への4兆元の内需拡大政策により西部においても仕事が見つかるようになり、東部、沿岸地域に出稼ぎに行かなくても故郷にて職を得る事が可能となった事が更にこの流れを加速させたようです。

 この地域は、主に安徽省や遠方の四川省からの出稼ぎが多く、比較的近隣である安徽省の労働者はまた帰ってきてくれる事が期待できますが、四川省の労働者はあまり多くは期待できない状況となっていました。

 このため、ワーカーの流動性が高く、そのワーカーを指揮するリーダーも不安定となり、生産はその人材の流動性から非効率な面が見えてきました。

  また、ワーカーの教育も人材の入れ替わりの多さからうまくは進まず、経験も人それぞれになってしまったので、生産効率は決して高くはならないうえ、品質保証においても厳しい状態になって参りました。指導員が日本から来て指導しなければならない事や駐在員が指導するような事もあり、本社としても出費がかさみ頭を抱えざるを得ませんでした。

 そこで、基幹人材を中心とした人材だけでも育成し、長期的に会社へ在席してもらうことによって、ワーカーの流動があっても安定した生産ラインを維持できるように、と考えたT社様は、中国における人材企業として信頼できる弊社に相談を頂きました。

 ひとまずご依頼いただいた人数は1名。まず、その1名を試験的に日本へ招聘し、実習を通じた教育を行います。日本のモノづくりの現場に立ち、環境に慣れさせることによって得る経験、品質管理の視点など、現地法人の基幹人材を育成する企画を10年間の実務経験と独自のカリキュラムをもつ中智日本支社研修事業部よりご提案しました。

 本企画は、可能性に掛けるだけの価値があるとお考えいただき、現地工場での面接という形式での受入れを頂く事が出来ました。

 さて、その面接の合格者は1名ですが、希望者は多くの5倍5名が集まり面接を行いました。応募者には事前説明として、日本で6ヵ月短期技能研修を経て、中智独自の評価シートに基づき合格した方のみ江蘇省の工場に配属し、将来的には現地法人幹部へのキャリアプランを示す事を実施いたしました。

 中智日本では、現地面接の前に企業様からご要望いただきました条件に基づいて募集を開始し、その条件にかなった方々を、日本本社とのビデオ面接を行います。そうして更に条件に適合しているか検証を図り、現地面接に入って頂く際には、ほぼ問題なく面接できるようになっております。

 T社様はこうして面接において1名の幹部候補生を採用して頂きました。この人材の実績を通して、中国法人人材育成の計画を進めていきたいと考えられております。

 ただ、やはり人間でありますので、中には途上で両者のどちらかから不適格と考えられる事もあります。ですから、「確率としては10人採用して1名~2名が中国法人の幹部人材になってくれたら良い」と大きく構えて頂きました事は心強く受け止めさせて頂いております。
もちろん、それに甘えることなく1人でも多く、御満足いただける人材をご紹介し、その人材が企業様において主要な人材となってもらえれば、担当者として最良の喜びです。

 

出所:中国国際技術智力合作公司 日本支社 研修事業部

 


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