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聞いてみなければ解らない!人物インタビューシリーズ 第45回

『爱科来国际贸易(上海)有限公司 白山 惠太郎 総経理 インタビュー!』2017/9/1


 
爱科来国际贸易(上海)有限公司
白山 惠太郎 総経理


  ●  異なる民族が共に仕事をするには、意思を明確に伝えることが大切

  ●  専門が重視される中国で、いかに汎用性ある経営人材を育てるか

 

(弊社インタビュアー)(以下弊社)

「挑戦する」という創業者の精神を基盤に、臨床検査に必要とされる検体検査機器と診断薬、並びに診断支援ツールをトータルに開発・製造・販売するという希少な事業スタイルを永年に亘り構築してきたアークレイ。経済発展により高度な医療へのニーズが急速に高まる中国で、現地法人の総経理を務める白山恵太郎氏にインタビューしました。

 

◆◆  中国で高まる臨床検査用の機器・試薬へのニーズに応える   ◆◆

(弊社)

アークレイの沿革と業務内容についてお聞かせ下さい。

(白山総経理)

1960年に土井正が京都に創立した京都第一科学が当社のルーツです。業務は主に臨床検査用の機器・試薬及び検査データ管理システムの研究開発・生産・販売・アフターサポートを行っています。特に糖尿病検査項目の測定機器・試薬に強みがあり世界初の製品開発実績があります。また、臨床検査機器・試薬開発で培った医療分野での専門性を活かし、機能性食品素材の開発も行っています。現在、世界12カ国に24拠点を有し、約80カ国で販売しています。

(弊社)

中国でも経済発展にもとない糖尿病関連の商品や試薬に対するニーズが高まっているそうですが。

(白山総経理)

世界には、糖尿病患者が約4億人いると言われています。そのうち中国にはおよそ1億人の糖尿病患者がいると言われており、世界で最も多くの糖尿病患者がおられます。  そして近年の経済発展によりヘルスケアへの関心が高まっており、地方においても糖尿病に対する検査体制が整備されつつあり、糖尿病測定機器・試薬に対するニーズはますます高まるものと見込まれます。

(弊社)

 中国法人の沿革と事業内容についてお聞かせ下さい。

(白山総経理)

当社は2003年に設立され、日本または中国平湖市の自社工場で生産した糖尿病を中心とする検査機器や試薬を中国の医療機関に対して販売・アフターサポートを行っています。

(弊社)

御社では、アフターサービスを重視されていると聞いています。具体的にどの様な取り組みをされているのでしょうか。

(白山総経理)

単に商品を販売するだけではなく、病院が必要とする学術的な情報やトレーニングを提供することで、常に病院との関係維持を心がけています。また検査機器に対しては、定期的なメンテナンスを行うことで故障による不正確なデータが検出されたり、検査ができずに患者様にご迷惑がかかることが無いよう注意しています。

 

◆◆  専門人材をうまく経営人材に脱皮させる教育システムが必要  ◆◆

(弊社)

白山総経理のご経歴を教えてください。

(白山総経理)

大学卒業後にオリンパスに入社し、血液分析事業部門に配属されました。この間アメリカに5年、北京に2年駐在しましたが、日本で勤務している期間も多くが海外事業と関わる部署にいました。その後2009年に血液分析事業部門が米国のベックマン・コールター社による買収にともない同社に転籍し、2014年8月にアークレイに入社しました。アークレイ入社後は、海外事業部門、経営戦略部を経て、2016年9月から現職に就任しました。

(弊社)

白山総経理は、豊富な海外事業のご経験がありますが、異文化のコミュニケーションについてアドバイスはありますか。

(白山総経理)

日本人は、よく曖昧な表現を使いますが、中国人に伝える際には明確に言うことが大切です。これはアメリカの経験でも同じで、そもそも考え方が違う民族が集まって仕事をするためには、はっきり明確に自分の意思を伝えるよう心がけることが大切です。
また、伝えると言っても一方的に指示するだけでは社員に納得感が生まれず、こちらが期待したように動いてくれません。社員の意見も聞き何が問題なのか、お互いに理解して納得する進め方をしないと、社員は「どうせ上司は理解してくれない」と考えるようになり、やる気を失います。
たまに、社員が指示した事をきちんとやらないと言う話を聞くことがありますが、社員に対しきちんと伝わっていないことが原因になっている場合も少なくないのではないでしょうか。

(弊社)

御社は、今年平湖市に従来の4倍の生産力を持つ新工場を設立するなど、中国で着実に業績を伸ばしています。それにともない従業員数も毎年のように増員していますが、人事制度上の課題や改善点はありますか。

(白山総経理)

この会社で頑張ったらどうなるのか?この会社と一緒に成長したい、大きくなりたいと思っている社員の気持ちに応え、支える仕組みをきちんと整えること。そして、透明性、公平性のある人事制度で皆さんが納得できることが大切だと思います。
また、日本企業では、汎用性を重視して、ジョブローテーションで様々なキャリアを積むことが一般的ですが、中国やアメリカでは専門性が重視されます。しかし、将来の経営を担う人材に育てるには、専門性だけでなく広く様々な知識を身につけてもらう必要があります。欧米企業であれば、自社で育てなくても外部からプロ経営者を連れてくれば良いのでしょうが、企業文化を重視する日系企業においてはそう簡単ではありません。
そこで自社で経営人材を育てようとした時、専門性のある人材にどう汎用性を加えてあげるのか、今後の課題として取り組む必要があります。

 

◆◆  中国のお客さまの笑顔=笑顔に対するニーズに応えてゆきたい  ◆◆

(弊社)

最後に、今後の展望をお聞かせ下さい。

(白山総経理)

中国でも急速な経済発展にともない、生活習慣病としての糖尿病に対する心配が益々大きくなってきています。糖尿病の患者様が健康を正しく把握し、健康維持するための検査機器や試薬を提供することで、中国のお客さまの健康=笑顔に対するニーズにお応えしてゆきたいと思います。

(弊社)

経営人材には、専門外の分野についても幅広い知識や経験が求められます。しかし、中国では、個人のキャリアアップのために、社員は専門性が重視する傾向があり、どの様に汎用性のある人材を育成するかが、現地化の課題の一つとなっています。中智日本企業倶楽部では、この課題を解決するための研修や人事制度を開発しています。

 

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 【白山 恵太郎 (しらやま けいたろう)氏のプロフィール】

経営修士(中央大学ビジネススクール修了)。大学卒業後、1987年オリンパスに入社、血液分析事業部門に配属され海外事業を担当。その間アメリカ・ニューヨーク駐在時は北米事業のオペレーション、中国・北京駐在時は中国での事業部門の立ち上げと事業推進を担当。2009年に同事業部門が米国ベックマン・コールターに買収されたのに伴い同社に転籍しアジア向けのマーケティングを担当。その後2014年にアークレイ株式会社に入社し、海外事業部門、経営戦略部門を経て、2016年9月より現職に就任。

 

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 【愛科来国際貿易(上海)有限公司 様 会社情報】

上海市浦東新区金科路2889弄3号長泰広場C座2F202室
TEL 021-5081-2554
FAX 021-5081-2684

  


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白山 惠太郎 総経理

 

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インタビュー風景
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