ホーム > クローズアップ > 聞いてみなければ解らない!人物インタビューシリーズ 第49回

聞いてみなければ解らない!人物インタビューシリーズ 第49回

『熊本上海事務所 垣下 美那子 所長 インタビュー!』2017/12/17


 
熊本上海事務所
垣下 美那子 所長


  ●  中国で大人気のくまモンと二人三脚で、熊本県をPR!

 

(弊社インタビュアー)(以下弊社)

熊本を広く中国の皆様にPRするため、くまモンと中国全土を駆け回っている熊本県政府より派遣されている熊本上海事務所の垣下美那子所長に、中国での取り組みについてインタビューしました。

 

◆◆◆  「くまモン」ロゴ活用の相談が増えている   ◆◆◆

(弊社)

熊本県上海事務所の活動内容についてお聞かせ下さい。

(垣下所長)

当事務所は、2012年1月に、熊本県と熊本市及び熊本大学の共同事務所として開設しました。その後、熊本大学の事務所機能が中国から撤退したことにともない、2017年7月から熊本県と熊本市の共同事務所として再スタートしました。

(弊社)

主にどの様な業務を行っていますか。

(垣下所長)

主な活動として、①県産品の販売促進・輸出入の支援、②中国からの観光客誘致、③中国企業等の熊本県への誘致、④新規航空路線の開拓、⑤県人会及び留学経験者の交流支援等の事業に取り組んでいます。熊本県内の事業者からの相談としては、熊本県産品の中国への輸出、市場動向、サービス業関連の法人設置等の相談が多く寄せられています。

(弊社)

中国に進出している熊本県企業に対しては、どの様な支援活動を行っていますか。

(垣下所長)

上記のようなご相談に対して、専門家を紹介させていただいたり、パートナーとなりそうな中国現地企業を紹介させていただいています。
逆に、中国の現地企業様から熊本県産品を仕入れたいという相談が多いため、中国で既に商流している熊本の加工食品や雑貨類等を生産している熊本のメーカーや熊本のメーカーとタイアップしている代理商を紹介するケースが多いです。
加えて、中国で「くまモン」ロゴを活用した観光や、熊本県産品販売促進イベント等を企画したいというご相談が日系企業のほか、中国の現地企業からも多く寄せられることから、「くまモン」ロゴ活用に係る許諾のご相談に対応する事例が多いです。

(弊社)

中国では、くまモンが大人気ですが、中国にはどれくらいの頻度で出張していますか。また中国でどの様な活動を行っていますか。

(垣下所長)

くまモンは現在のところ、ほぼ毎月中国に出張しています。多い月には、3回出張してくることがありました。上海のみならず、北は遼寧省から南は広東省、内陸部は四川省、雲南省、広西壮族自治区等で開催されたイベントに出動しています。
熊本県の営業部長兼しあわせ部長として、熊本を広く中国の皆様にPRするため、中国各地を飛び回っています。

(弊社)

熊本県では、2016年4月に大地震により甚大な被害を受けました。その後、復興は順調にすすんでいますか。また、中国人観光客(外国人)の旅行者数は回復していますか。

(垣下所長)

熊本を訪れる中国からの訪日客は、昨年4月の熊本地震を受け、2016年は前年(2015年)より26.1%の落ち込みがありました。2017年に入って、回復の兆しを見せています。中国を含めた海外からの訪日客数は2015年並みの数値に回復してきそうです。

 

◆◆◆  くまモンを通して、熊本をより近くに感じて欲しい  ◆◆◆

(弊社)

熊本県上海事務所の代表を務めてこられ、いままでどの様なご苦労がありましたか。また、印象に残るエピソードがあれば、お聞かせ下さい。

(垣下所長)

中国におけるビジネスの進め方が、日本とはかなり異なるということです。日本では、事前に細かい計画や工程表を作成してから、実行に移しますが、中国では、まずは走りだして、計画にとらわれず、臨機応援に軌道修正しながら、仕事を完成していきます。
  完成度については、いろいろ議論がありますが、中国ではスピーディーに物事が動いていきます。中国のスピード感はすごいと思います。
また、特に若い中国人の方たちの外国語の言語能力は素晴らしいと思います。言語を「使う」ツールとして、どんどん活用しています。完璧ではなくても、物おじせず、積極的に外国語でコミュニケーションをとっていくところが素晴らしいです。加えて、海外に関する好奇心が高く、各種情報コミュニケーションツールを駆使して、積極的に情報収集をしています。

(弊社)

初めて熊本県を旅行する中国人の方に、お勧めの観光地や名産品を教えて下さい。

(垣下所長)

現在再建中ではありますが、熊本城にはぜひ訪れて欲しいですね。2019年には、ふたたび、再建された天守閣に登って、熊本市内のほか、阿蘇までも一望できるようになります。
また、熊本は118の温泉地がある温泉天国でもあります。広大な阿蘇をはじめ、青い海と豊富な海産物がある天草、三大急流の1つである球磨川を臨む温泉等、さまざまな温泉地があります。
熊本は、農業県でもあり、トマト、スイカ、甘夏みかんの生産量は日本一ですが、残念ながら、現在のところ、中国国内の皆様には食べていただくことはできません。ぜひ熊本県を観光で訪れる際には、味わってみてください。ほかに代表的なグルメとしては、熊本ラーメン、馬刺し、辛子蓮根、赤牛等があります。

(弊社)

最後に、これからの展望をお聞かせください。

(垣下所長)

中国は、益々世界有数の消費市場として、世界から注目されていくと思います。
上海事務所では、今後もあらゆる機会を捉えて、熊本への訪日客の誘致と中国における熊本県産品の販売促進を進めていきたいと考えています。
そのためには、引き続き、くまモンには、中国各地に出張してもらい、中国の皆様が熊本をより近くに感じてもらい、くまモンと楽しいひとときが体験できる機会をどんどんつくっていきたいと思います。

(弊社)

本日は、新天地のクマカフェで、くまモン出演のイベント前の忙しい時間を縫って、インタビューに協力していただきました。くまカフェの辺りは、イベント前からくまモン目当ての人だかりができ、くまモン人気を改めて肌で感じました。
日本政府の発表によると、2017年中国本土からの訪日客数は、およそ735万人(15%増)で第1位でした。垣下所長とくまモンの活躍で、2018年はもっと多くの中国人の方々が熊本県を訪れてくれることでしょう。

 

------------------------------------------------------------------------------------

 【垣下 美那子(かきした みなこ) 氏のプロフィール】

上智大学外国語学部英語科卒業、米国コロンビア大学修士号(M.A.)取得。97年に熊本県庁入庁後、総務部国際課、東京事務所企業誘致課、商工観光労働部商工政策課、健康福祉部障がい者支援課等を経て、2015年4月より現職に就任。

 

垣下 美那子 所長
垣下 美那子 所長

熊本県産品
熊本県産品

  
クマカフェでの記念写真
 クマカフェでの記念写真

大人気なクマモン
大人気なくまモン