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聞いてみなければ解らない!人物インタビューシリーズ 第50回

『斯托派克包装机械(上海)有限公司 小林 重夫 総経理 インタビュー!』2018/4/12


 
斯托派克包装机械(上海)有限公司
小林 重夫 総経理


  ●  製品の高度化に伴い、技術人材の確保が急務

  ●  社員と会社が同じ方向を向いて進める人事制度に

 

(弊社インタビュアー)(以下弊社)

日本国内シェアNo.1の梱包機械メーカーであり、梱包機を中心とした外装・物流の総合メーカーとして、様々な分野に業務を展開しているストラパック株式会社。その中国現地法人である斯托派克包装机械(上海)有限公司の小林 重夫 総経理にインタビューしました。

 

◆◆◆  日本シェアNo.1の梱包機械メーカー   ◆◆◆

(弊社)

日本本社であるストラパック株式会社の業務内容についてお聞かせ下さい。

(小林総経理)

ストラパックは、1963年に包装資材会社の下島商店に設置された機械事業部を母体として設立されました。日本国内ではシェアNo.1の梱包機械メーカーであり、地球環境を念頭におき、『世界中のお客様の荷造包装と物流部門で、生産性向上とコストダウンに役立ち、そこに働く人々の仕事を楽にする』という理念のもと、様々な分野に業務を展開しています。
創業当初より、お客様のニーズに対応した製品をお届するだけではなく、販売後のアフターサービスの提供にも力を入れています。
海外販売拠点は、アメリカ、ベルギー、イギリス、中国の4拠点を設立し、海外製造拠点は、1987年にタイ工場、2004年に中国工場を設立しています。

(弊社)

上海の現地法人についてご紹介ください。

(小林総経理)

2004年に、中方との合弁で斯托派克包装机械(上海)有限公司を生産拠点として設立しました。その後、2007年に合弁解消し現在は日本独資として経営しています。
業務内容は、包装材料・包装機械及び関連機器・部品の生産販売、アフターサービスを行っています。

(弊社)

中国ではどの様な製品が売れていますか。

(小林総経理)

半自動梱包機、自動梱包機の製造販売を行っていますが、近年では中国国内でも工場の自動化・省力化にシフトしつつあり、全自動ラインの販売が伸びています。
まだまだこの分野においては中国ローカル企業の経験は浅く、弊社は日本での豊富な経験を活かして工場の自動化・省力化のお手伝いが出来るよう積極的に提案を行っています。
ほかにも、製函機や封函機、包装関連機器及び資材の販売も手掛けています。

 

◆◆◆  現地化には、会社理念や経営方針の共有が不可欠  ◆◆◆

(弊社)

現在、日系企業の間では現地化に取り組む企業が増えてきています。御社では、管理職教育や新卒人材の採用など、現地化への取り組みはなされていますか。

(小林総経理)

弊社でも重要な課題であると認識しており、まずは優秀な人材の確保から取り組んでいきたいと考えています。取扱う製品の高度化に伴い、特に技術系人材を増やしていかなければならない状況になってきており、如何に確保するかが今後の課題です。

(弊社)

中智諮詢の調査では、34%の企業で開発技術職の需要が増加しているものの、開発技術職の欠員を補充できないと回答した企業が40%に達しました。この様に、技術系人材の確保は、在中企業にとって重要な課題となっています。
では、在中日系企業に求められる中国人社員像について、どの様にお考えですか。また、日本人駐在員の任務や役割についてどの様に思いますか。

(小林総経理)

日系企業が現地化を進めるためには、会社の理念や経営方針を理解し、同じ考え方を共有できることが大切だと感じています。

(弊社)

これまで、現地社員との文化や考え方の違い、日本的な管理が現地の実情に合わないなど、様々な問題に直面したと思いますが、どの様な工夫をされていますか。

(小林総経理)

中国に赴任して一番難しいと感じたのは、やはり文化の違いです。日本では当たり前に考えていたことが中国では通じないという事がよくありました。面子に対する拘り、自分の利益を優先しがちな面などで、日本との違いを感じます。そこで、問題が発生しても感情的にならず、事前に明確なルールを定めてルールに基づきメリハリをつけた対応を行っています。

(弊社)

実際に経営を見る中で、人事制度面で改善すべき点や課題は感じますか。

(小林総経理)

社員と会社が同じ方向を向いて共に進んでもらう為には、明確で公平な人事制度が不可欠だと考えています。より頑張った人が報われる様なメリハリのある人事制度に改善することが必要だと考えており、中智さんのサポートに期待します。

(弊社)

最後に、これからのビジネス展望をお聞かせ下さい。

(小林総経理)

日本向けの機械製造を核としつつ、中国の自動化・省力化の流れに合わせた製品の提案を続けていけば、まだまだ成長できると確信しています。
また、ストラパックグループとしては、日本・中国・タイの3工場が連携することが重要だと考えており、中国工場の生産体制の強化と他国の工場との連携を着実に進めることで、グループ全体の更なる発展に貢献したいと思います。

(弊社)

本日は有難うございました。ストラパック様は、梱包機械というニッチ市場でグローバルに活躍されている代表的なグローバル・ニッチ企業であり、ニッチ市場は日本の匠精神が最も活かされる分野のひとつでもあります。
しかし、匠の精神や会社理念は、どうすれば中国人社員に伝わるのか、また限られた予算の中で、如何に優秀な社員を確保するかは、企業の規模を問わず在中日系企業の総経理やHRにとって頭の痛い課題となっています。日本企業倶楽部では、この様な問題解決の研究とアドバイスを積極的に行っています。

 

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 【小林 重夫(こばやし しげお) 氏のプロフィール】

1984年ストラパック株式会社入社後、最終製品検査業務、設計業務を経験し、2012年にニチロ工業と合併後、製造部長を兼務。2013年には、執行役員設計部長、2015年に執行役員開発部長を経て、2016年5月から上海現地法人の副総経理として赴任、同年10月から総経理に就任し現在に至る。

 

小林 重夫 総経理1
小林 重夫 総経理1

小林 重夫 総経理2
小林 重夫 総経理2

  
小林 重夫 総経理3
 小林 重夫 総経理3

インタビュー現場風景
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