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聞いてみなければ解らない!人物インタビューシリーズ

『嘉会国際病院 日本人ヘルスケアサービス部門主任 松本 隆吾 氏インタビュー!』2022/6/16

<strong><font style="font-size:19px">同じ空の下で、力を合わせて抗疫戦に勝利しよう! </font></strong>

同じ空の下で、力を合わせて抗疫戦に勝利しよう!

<strong><font style="font-size:19px">——抗疫特別インタビュー——</font></strong>

——抗疫特別インタビュー——

ようやく長い夜が明け、上海の抗疫作業は復工復産の段階を迎えました。今回の封鎖管理の中で得た経験、課題や気づき、復工復産に向けた準備について広く会員企業の皆様と共有させていただきたく、業界を代表する会員の皆様に、特別インタビューを行いました。


 
嘉会国際病院
日本人ヘルスケアサービス部門主任 松本 隆吾 氏

 

1995年慶應義塾大学総合政策学部卒業、同年伊藤忠商事入社、産業機械部門にて食品関連部門を担当。その後医療の世界へ転身し鍼灸師資格を取得。長野県松本市の慈泉会相澤病院にて鍼灸治療を担当、10年以上臨床に携わる。2014年に来海、嘉会国際病院にて日本人向けサービスを担当。

 

4月に開催したオンライン交流会の感想をお聞かせください。その後の反響はいかがでしょうか。

封鎖管理が進む中で、貴重なオンライン交流会の場を提供頂き、大変ありがたく思っています。

講演を担当した当院の呼吸器内科専門医の濵元医師は、日本においても新型コロナウィルスに対する治療と予防について診療経験があります。ウィルスの特性や基本的な感染予防についての知識を日本語で分かりやすく説明を受けることができたことは、封鎖が続くにも関わらず近辺で陽性隔離例が続発していた当時の状況で、とても役に立ったと思います。

実際、後日交流会の資料を見た方から、団体購入の商品を自宅に取り入れる際には、しっかり消毒をするようになったと報告を頂きました。封鎖期間中に自宅でできる感染予防の面で多少は貢献できたのではないかと思います。



 

封鎖期間中、嘉会国際病院にはどの様な相談や受診が多かったでしょうか。

当初、一番多く聞かれたことは、病院を受診できるかについての問い合わせです。本院である嘉会国際病院は封鎖管理期間中も休むことなく24時間体制で診療を継続していたこともあり、症状の緊急度に応じて、居住コミュニティの居民委員会から了承を得た上で多くの方々が当院へ受診に来られました。オンライン診療では対応することができない症状の重い怪我や疾患、妊婦検診や出産など、受診の理由は多岐にわたりました。

封鎖管理中に胸部の違和感で受診したところ心筋梗塞を確認し、ステント手術を受け無事退院されたケースや、自宅で転倒骨折し、公立病院での手術対応ができないため当院の救命救急センターに紹介転院となり、そのまま手術入院となったケースがありました。

また、嘉会国際病院の検査科は衛生局に指定されるPCR検査実施医療機関となっており、検査当日に結果を返却することができる体制をとっています。そのこともあり封鎖管理期間中も多くの日本帰国、訪問予定の方々に当院のPCR検査を利用頂き、厚生労働省指定の検査証明書の交付を受けられました。



 

ご自身もコロナに感染して隔離施設へ入所したそうですが、その時の様子や生活をお聞かせください。

4月の最終週に、コミュニティ内のPCR検査で陽性が確認され、指定の方舱医院に収容されました。私の場合、呼吸器系症状があったこともあり、事前に居民委員会より説明されていた崇明島の集中管理センターではなく、中型の病院タイプの方舱医院へ収容されました。実際に症状があったこともあり胸部CT検査、医師の診察等が毎日行われました。陰性になるまでに収容の日から10日程度かかり、医師から長い方であると言われていました。収容期間中に退院の方針が変更されたこともあり、15日目にやっと帰宅を許可されました。帰宅後も合計2週間の自宅隔離と健康観察期間が定められ、また陽性復帰者は3ヶ月間コミュニティや街道内のPCR検査には参加できない規定になっていました。

業務に関しては、収容入院中も多少の症状はあったものの体調は比較的良かったため、通常通りリモートで行っていました。しかしながら咽頭と鼻腔に症状があり、別人のように声が変わってしまった数日間は、電話対応の方から心配されました(笑)



 

封鎖管理を経験し、従業員の心や体の健康管理についてどの様な教訓を得ましたか。

封鎖管理の為に自宅やコミュニティから出られない時こそ、職場のスタッフ、知人友人とのつながりが大切だと感じました。特に、ご家族や日本の本社より離れて一人で滞在を余儀なくされている方々にとっては、非常に心細かったと思います。

不安や疲労が強い時は、無理をせず、まずは日本のご家族や会社の同僚、あるいは同じ境遇にある方々と情報を共有するなどし、気持ちを表明する事が大切です。上海市内のオンライン診療を行う病院・クリニック、あるいは当院の日本語ホットラインでも構いません。封鎖期間中、当院へ受診に来られた方々の中には、命に係わる重い怪我や疾患の患者さんが多くおられました。外出許可や移動手段の確保等の不便があっても、体調に異変を感じた場合、迷うことなく病院で診察を受けることが大切です。

 

力を合わせて抗疫戦を戦っている会員企業とその駐在員や社員の皆さんにエールをお願いします。

上海を通し中国や世界に対して様々な材やサービス、価値を提供し続けている日本の企業の皆さんに対して、日本人の一人として常に尊敬の気持ちを持っています。企業活動の正常化に向け奔走されている方も少なくないと思いますが、是非、健康に気を付け業務に邁進して頂きたいと思います。医療に携わるものとして、上海に暮らす皆さんが一層健康に活躍できるよう、安心できるサポートを提供していきたいと思います。



倶楽部が嘉会病院へ訪問し、許副院長及び松本様と交流