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【寄稿】2016年第一四半期における企業向け人的資源市場重要指標調査分析(2016年5月26日)

 2016年4月末、中智は第一四半期企業向け人的資源市場重要指標調査データの収集及び集計を終えた。今回の調査は主に企業の基本的状況(業種、財務、業績)、賃金、離職率及び招聘状況の4項目についてデータ集計と分析を進めたもので、200件余りの企業から回答を得た。うち日系企業の割合は30%であった。

業績の成長状況 

 今回調査に参加した企業のうち、昨年度年間目標を100%達成した企業の割合は27%、80-100%達成した企業は42%で、31%の企業で業績達成率が80%を下回った。2016年度の業績目標の見込については、79%の企業が16年会計年度の目標を上回ると見込んでおり、8%が変わらず、13%の企業が会計年度の目標を下回ると見込んでいるという結果が出た。調査に参加した日系企業のうち、62.5%の企業で業績が一定以上伸びるとしているが、市場全体と同じ13%の企業が業績の下落を見込んでおり、業績の下落を見込んだ企業は建築業と製造業に集中していた。

給与調整 


  

 新たに取りまとめた第一四半期の調査データによると、従業員全員の給与調整を行うと答えた企業の割合は49%、一部従業員の給与調整を行う企業は41%であった。10%の企業が給与調整を凍結する、すなわち給与調整を行わないと回答しているが、その業種は製造業、建築業、不動産業及び伝統的ハイテク企業に集中しており、業績不振や生産量の低下、利益の減収が主な要因となっている。現在給与調整を凍結している日系企業は見当たらないが、回答を得た日系企業60数社のうち28%の企業で給与調整の対象を一部従業員のみとしており、その対象は中心的幹部や高い業績を挙げた従業員に限られている。


  

 また、日系企業では給与調整の時期も先送りになっている。かつて日系企業の給与調整は1月、4月及び7月に集中しており、4月に給与調整を行う企業の割合が50%を越えていたが、今回の調査では第一四半期内に給与調整を終えた日系企業が30%、4月に給与調整を行った企業の割合は10%に満たず、大多数の企業で給与調整の時期を5月から7月の間に先送りしていた。

離職率 

 アンケートの回答によると、2016年第一四半期における自主的離職率は全体平均5.8%であった。日系企業の離職率は3.9%で、欧米企業及び国有企業を上回った。離職者は在職年数1-3年の従業員に集中しており、日系企業離職者の離職理由ベストスリーはキャリアアップの前途が見えない、賃金が少ない、組織に共通認識や帰属感が感じられない、というものであった。