ホーム > HRニュース > 中国HRニュース> 【判例】 「休暇申請手続きをしていない」ことを理由として、妊娠中の女性従業員を解雇できるか?(2019年6月27日)

【判例】 「休暇申請手続きをしていない」ことを理由として、妊娠中の女性従業員を解雇できるか?(2019年6月27日)

案例:

郝氏は昨年6月に北京市の某社へ入社し、2021年6月までの労働契約を締結した。

その2ヶ月後、彼女は妊娠により体調が優れないとして、10月8日までの休暇を申請し、併せてその診断証明書を提出した。

10月18日、会社側は「休暇申請手続きを行わず10月9日より連続して3日以上無断欠勤した」ことが会社の規則制度に反するとして、彼女との労働関係を解除した。

労働人事争議委員会は審理の結果、会社側へ郝氏との労働契約を継続して履行するよう命じた。その理由は何であろうか?

解説:

まず、会社側の「職員手帳」には3つの無断欠勤のケースが示されているが、郝氏はこれに該当する行為を行っておらずこの規定に該当しないため、郝氏が無断欠勤したと認める根拠に欠ける。

次に、郝氏は体調不良により病欠する期間について、会社に対し何度も病気休暇を申請し診断証明書を提出しているから、会社側は彼女の病状を知っているはずである。彼女は10月9日以降の診断証明書を出し得ないが、病気により休暇を取っていることは明白である。

最後に、「労働契約法」第42条には、全ての女性従業員の妊娠期間、出産期間、授乳期間について、使用単位による普通解雇やリストラを禁じている。

本案件において、会社の規定制度に照らし合わせれば、郝氏の行為は「無断欠勤」とはなり得ず、また会社側は郝氏の病状を知りまた彼女が故意に診断証明書を提出しないような事をしていない状況下にあって、無断欠勤を理由として彼女との労働契約を解除することは、根拠を欠いた不当解雇であると言える。ゆえに郝氏が求めた労働契約の継続履行は法律の規定に合致し、司法もこれを認めるのである。