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《事業継続計画(BCP)再構築》セミナーが成功裏に開催されました(2020年06月16日)

6月16日、『事業継続計画(BCP)再構築』セミナーを中智研修室にて成功裏に開催しました。

  

交流会には、イオン、出光電子材料、一実貿易、王子製紙、コニカミノルタ、コクヨ、迪恩士電子科技、エーザイ、小林製薬、住友製薬、三井繊維、日経BP、サクラクレパス、長瀬欧積、リクルート、瑞穂信息系統、TOTO、住友金属鉱山、凸版、日鉄軟件、マタイ、ヤクルト、伯東、東京建物、森ビル、上海漢和企業発展促進センター等、50社近くの会員企業から総経理及び人事責任者の方々にご参加いただきました。

なお、安全で円滑な開催のため、全面的な防疫措置を講じたほか、参加人数を制限し、参加された会員の皆様にもソーシャルディスタンスの確保にご協力を頂きました。

  

開会に先立ち、中智日本企業倶楽部智櫻会の馮串紅部長が主催者を代表し挨拶を述べました。2020年は、辛い幕開けとなりました。中国、日本、そして各国、各都市、各企業、各個人は同じ疫病から深刻な影響を受けています。その間、中智より、2つ大きな交流会を開催しました。4月23日には、日系企業の管理層駐在員様同士の多業種交流会を開催し、各業界の総経理様より、疫病との戦いや営業再開など日系企業の状況について交流しました。6月9日には、日系企業人事責任者の交流会を開催しました。営業再開後も、駐在員が職場に戻れない、世界的な疫病の流行により出荷や部品調達などが困難になったことに対する、各企業の対策や痛感した点などを交流しました。予想された程の楽観的な状態ではなく、課題の中でも、多くの企業が技術者の現地化問題が最も重要な課題だと痛感しています。本日は新型コロナの教訓を自社のBCPに活かすというテーマの講座を開催します。中智と会員企業三井住友海上及びインターリスク上海が提携し、会員企業向けにこの話題について交流することになりました。このセミナーが開催できたのは、菅(予定)総経理様、飯田総経理様、そして藤井上海営業部総経理様のご協力よるものと御礼申し上げます。交流会では、コロナ禍を踏まえたBCPの再構築の方法について、理解を深めることができれば幸いです。

  

続いて、三井住友海上火災保険(中国)の菅 匡彦(予定)総経理にご挨拶を述べていただきました。日本の伝統芸能や武道には「型」という考え方があります。「型」とは代々受け継がれる基本の形式であり、「型」を守りつつもより良いものにするため、時には「型」を超えてゆくことが求められます。これを「型破り」といいます。「型」があるからこその「型破り」であり、何事も基本を身につけて初めて進化させる事ができます。本日のテーマであるBCPとは、企業の緊急事態における「型」といえます。まずは「型」であるBCPを策定する事が基本となります。時には、事前に決めておいたルールがそのまま適用できないこともありますが、その時々の状況を見極めて決断する。BCPで基本を策定しつつ、状況に応じて柔軟に対応し、そしてその経験をもとに改善するというプロセスが大切になります。BCPという「型」を大切にしながらも、最後はこの「型」を超えるという柔軟な発想が緊急時の事業継続には求められます。ぜひ、この様な観点から本日の講演をお聴きいただければ幸いです。

  

開始の挨拶を終え、セミナーを開始しました。今回のセミナーは、瑛得管理諮詢(上海)有限公司(インターリスク上海)の飯田 剛史董事総経理に担当していただきました。はじめに、疫病の流行から現在までの経緯を事業継続の観点からいくつかのフェーズに整理して振り返り、第二波への備え、コロナの教訓を踏まえた事業継続計画(BCP)の再構築が在中国企業における今後の課題であると述べました。

  

続いて、BCP再構築のポイントを(1)総則編、(2)災害対応編、(3)感染症対応編、(4)部門編(事業継続対応)4つのパーツに分けて詳しく解説しました。その中で、感染症対応のBCP整備の目的について、社内から感染者を出さないため、流行フェーズに応じた感染症予防策を実施すること、流行拡大時にも停止が許されない重要業務を継続することにあると指摘し、未発生期から小康期まで6つのステージに分けて、対応項目とポイントについて図を示しながら詳しく解説しました。最後にまとめとして、緊急時対応は、リスクごとに整備し、事業継続対応は、リスクを問わず部門ごとに整備するとより有効で効率的なものになると指摘し、コロナ禍で得た教訓を忘れないうちに形に残すのが、今いる私たちの使命であると述べ、講義を締めくくりました。

  

続いて、三井住友海上火災保険(中国)上海営業部の藤井 一博総経理にご挨拶を述べていただき、電子情報安全保険サービスについてご紹介いただきました。世界的にサイバー攻撃が急拡大する中で、同社が調査した在中日系企業のサイバーリスクの実態について共有しました。サイバーセキュリティ対策を取っている企業は20%にすぎず、外部からサイバー攻撃を受けた事のある企業は16%ありました。ただし、この16%は報告せざる得ない被害が発生しているもので、発生頻度イメージは70%~80%の企業がサイバー攻撃を受けているのではないかと指摘しました。そして、不正アクセスや標準型メール等のサイバーリスクを完全に排除することは困難であり、サイバーリスク対策には保険の活用が有効であると述べました。最後に、新型コロナによるテレワークの広まりによりサイバーリスクは更に拡大している。そしてサイバーリスクはどんなに対策をとったとしてもリスクをゼロにする事は不可能であり、いったんサイバー事故が発生すると事業継続に甚大な影響を及ぼし、多大な費用が発生すると述べ、リスク・ファイナンスとして、サイバーリスク保険が有効であると指摘しました。

  

交流タイムでは、皆様より積極的にBCPについて、多くのご経験や感想を共有していただきました。「マスク等の調達はできたが、消毒液等その他の防疫物資の調達ができなかった。」、「幸いにも日本人役員の大部分が上海に残っていたが、そうでなければ、一定の共通したルールが無いと、タイムリーに対応できなかっただろう。」、「本社のBCPを参考にしようとしたが、日本のものは、地震や自然災害の対応がメインで参考にならなかった。」、「BCPを策定していたが、テレワークを想定しておらず、運用に苦労した。」、「BCPはあるが、分量が多すぎて使い物にならなかった。」、「状況に応じて通達を出しているが、これをどう体系化するか模索している。」、「日本のBCPはそのまま中国では使えない。独自のBCPを構築する必要があると痛感した。」

  

  

半日におよぶ交流会は、ポストコロナ時代における企業の事業継続計画のあり方や課題などについて語り合い、議論が続く中で閉会の時を迎えました。

  

私たちは引き続き、皆様と手を携え、中智日本企業倶楽部智櫻会会員の皆様と心を一つに、私たちはいつも一緒にいます。

中智日本企業倶楽部 智櫻会

中智日本企業倶楽部 智櫻会

2020.6.16

2020.6.16