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【日本語版】2021年最低賃金基準 今年の最低賃金調整がスタート(2021年3月4日)

報告文(中文)

2020年は、最低賃金基準の調整が基本的に「凍結」され、ほとんどの省で最低賃金基準が調整されませんでした。今年の最低賃金基準の引き上げにどの様な意図があるのでしょうか?

中国労働学会特約研究員 蘇海南氏のコメント--- 規定に基づき、最低賃金基準は二年から三年に一度調整されますが、主に疫病の影響を受けて、経済成長が鈍化したことから、企業の困難を考慮し、昨年はほとんどの省で、最低賃金基準の引き上げが見送られました。2021年の中国経済は引き続き回復し、国内外では今年の経済成長率は昨年を上回るものと予想されています。新たな情勢下、昨年はほとんどの省で最低賃金基準の調整が行われなかったことに加え、一部の省では2019年から調整が行われていません。したがって、今年は多くの地域で最低賃金基準の調整が行われており、これは経済回復の加速に支えられているだけではなく、最低賃金制度に規定する調整頻度に関する政策要求に基づき、更には企業の最低賃金労働者の収入アップを促進するという現実的な需要でもあります。

さらに、蘇海南氏は、最低賃金の調整は従業員の最低労働報酬権益の保障と企業の負担能力という二つのバランス関係をうまく処理しなければならないと述べ、低所得労働者とその扶養家族の基本生活を保障するとともに、企業が最低賃金の上昇による人件費の増加に耐え、持続可能な発展を実現できるよう両者の相互の調整とバランスを把握する必要があると述べました。

『最低賃金規定』に基づき---最低賃金基準は通常、最低月給賃金基準と最低時給基準の形式をとり、最低月給基準は全日制就業労働者に適用され、最低時給基準は非全日制就業労働者に適用されます。

近ごろ、複数の省で最低賃金基準の調整通知が公布されました。

江西省の現行最低賃金基準(4月1日から)

●一類地域は1680元/月から1850元/月に調整

●二類地域は1580元/月から1730元/月に調整

●三類地域は1470元/月から1610元/月に調整

非全日制最低時給基準:

●一類地域は16.8元/時から18.5元/時に調整

●二類地域は15.8元/時から17.3元/時に調整

●三類地域は14.7元/時から16.1元/時に調整

黒龍江省の最低賃金基準は三档に分けて調整(4月1日から)

●第一档は1860元

●第二档は1610元

●第三档は1450元

調整後の最低時給基準も三档に分かれる:

●第一档は18元

●第二档は14元

●第三档は13元

陜西省は2021年5月1日から最低賃金基準を引き上げ、今回の調整で150元増加しました:

一、二、三類地区の最低月給基準はそれぞれ1800元、1700元、1600元から1950元、1850元、1750元に調整。

非全日制最低時給基準:

一、二、三類地区はそれぞれ18元、17元、16元から19元、18元、17元に調整。

上記地域のほか、複数の地域が今年の最低賃金基準の引き上げを明確に表明しています。

■2月4日、上海市政府は、人的資源社会保障業務テレビ会議を開催し、上海市は今年の収入配分において、より科学的で合理的な配分構成の構築を模索するとし、最低賃金基準を着実に調整し、適時に2021年度の企業賃金指導ラインおよび企業技能人材市場の賃金額を公表し、市場が賃金額をより合理的に決定するよう誘導することを明らかにしました。

吉林省では、2021年政府業務報告の中で、全省の最低賃金基準の調整を提出しています。

天津市は近ごろ『2021年市政府の重点業務を着実に行うことに関する通知』を発表し、最低賃金基準を明確に調整し、企業賃金指導ラインを公表し、企業従業員の賃金の合理的な増加を促進します。天津市人社局によると、最低賃金基準の計算作業がすでに開始されたそうです。

成都はこのほど、『成都市で幸福で美しい生活を実現する10大プロジェクト2021年業務計画』を発表し、2021年の最低賃金基準を明確に調整し、人的資源市場の賃金額、業界の人件費情報および企業賃金指導ラインを発表しました。

低所得労働者の収入は増加する見込みです。

現在、31の省のうち、上海の最低月賃金水準が最も高く、毎月2480元に達しています。上海、広東、北京、天津、江蘇、浙江の6つの省の最低賃金基準は2000元を超えています。

出所:中国新聞ネット、労働報

中智日本企業倶楽部智櫻会が編集及び翻訳