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業界動態(2022年12月)

 

  【国務院:第5回国勢調査を2023年に実施】

国務院はこのほど、「第五次国勢調査に関する通知」内にて、「全国経済調査条例」の規定に基づく第5回国勢調査を2023年に実施すると発表した。

「通知」では、第5回国勢調査で初めて統合的な調査を実施すること、国勢調査の対象者は中国国内の第二次および第三次産業活動に従事するすべての法人、産業ユニット、個人世帯であるとしている。国勢調査の主な内容は、基本情報、組織構造、人員賃金、生産能力、財務状況、生産と操業、エネルギー生産と消費、研究開発活動、情報技術構築、電子商取引などのほか、国勢調査対象者の資本の投入や製品の使用動向、固定資産投資などの構成も調査するとしている。国勢調査の基準時点は2023年12月31日で、国勢調査期間の情報は2023年の年間情報となる見通しとなっている。

 

  【調査対象雇用主の58%が2023年の新卒採用を2022年より減らすと回答】

先日発表された最新の調査報告書によると、調査対象企業の58%が「2023年の新卒採用を2022年より減らす」と回答していることが分かった。国営企業では68%が「新卒採用を減らす」、32%が「新卒採用を増やす」と回答しているが、2022年卒の採用者数で最も増加したのもまた国有企業であった。

また、2023年卒の採用が2022年卒に比べて増加させる、または現状維持とすると回答した雇用主のうち、62%が「主に本科生」、34%が「主に大専」の卒業生を採用するとしている。なお、多くの雇用主は大学を卒業してすぐに働くことが「最高のコストパフォーマンス」であると考えており、これらの人材が持つ給与や成長の潜在性が雇用主のニーズにマッチしている、としている。

 

  【95後は新興産業に集中 過半数の流動人材が本科生かそれ以上の学歴を有するす】

先日発表された「中国都市部『95後』人材の魅力度ランキング:2022年」によると、「95後」の人材は新興産業に多く分布しており、中でもIT産業では全体の24.0%が「95後」と各業種全体平均の18.7%を大きく上回っている。一方で不動産業と製造業に占める「95後」の割合は合計わずか25.1%で、全体平均を33.3%も下回っている。

賃金の面では、「95後」の流動人材のうち69.3%が月給6千ドル未満となっており、全体の51.9%よりはるかに高い数値を示している。これは、「95後」人材がまだ社会人となったばかりで所得が低いことと、低所得者は仕事の満足度や都市への帰属意識が低くなりがちなため、都市を越えて就職活動をする傾向が強いことが要因と思われる。

 

  【10年後の職場予想図:賃金や福利厚生よりも安定性重視へ】

任仕達(大中華地区)はこのほど、「今後10年間の職場環境に関する洞察と展望」報告書を発表した。この報告書は、中国本土の7,261人を対象に、今後10年間に職場環境がどのように変化するかについての調査をまとめたものである。

今回の調査では、回答者の58%が、今後10年間は給与や福利厚生よりも仕事の安定性の方が魅力的だと考えていることが判明した。この「安定性」という指標が1位に躍り出たのは、これまでの調査でも初めてのことである。同報告書は、この傾向について、経済情勢と雇用機会の減少に直結していると指摘している。 今回の調査では、経済の停滞、インフレ、製品の世代交代の高速化、企業間の頻繁なM&Aやリストラが、従業員に一定の苦痛を与え、また職場における不安感を増大させる要因となっており、結果として安定性が優先される要素となっている現状が浮き彫りとなった。また、ワークライフバランスを求める声は職場でますます高まっており、54%の回答者がこの要素を重視しているという結果が出ている。同報告書ではこの他に、疫病の流行によって人々が家庭に戻ったこと、あまりの激務から人々がより自身をコントロールできる生活空間を渇望するようになったこと、そしてこれからの労働力はますます心と身体の健康を重視するようになることを示唆している。

 

  【24.5%の勤め人が「自主的に」残業 仕事の未完成が主要因】

智聯招聘が先日発表した「職場の残業インサイトレポート」は、現代の職場の人々がどのように残業と「平和的に共存」しているかを把握するための調査をまとめたものである。現代の職場における時間外労働の現状を浮き彫りにしたこの報告書によると、「ほとんど残業しない」と答えた人は20.2%にとどまり、残業経験者の24.5%が自主的に残業している。残業をした理由を見ると、「日中に仕事が終わらなかったから」が41.8%で1位となり、2位の「残業をすれば残業代がもらえるから」(25.8%)を大きく上回る結果となった。また、残業する理由の3位、4位、5位には「他にやることがない」「夜遅くまで頭が冴えていた」「家に帰って孤独になりたくない」がランクインしている。