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業界動態(2023年6月)

 

  【一つの席を巡って98人で争奪戦!金融業界が新卒生の就職戦線を席捲】

智聯招聘が先日発表した「金融業界就職動向報告書」によると、今年の金融業界は校内採用で多くの人材供給が見込めるものの、人材需要は冷え込んでおり、就職状況は楽観視できない模様だ。金業界への就職を目指す大学生の競争は激しく、1つの職位に対して平均98人が争っているという。オンラインで行われた公開第三者調査結果によると、金融機関の96.8%で金融技術系人材が不足しているものの、金融機関の54.8%が、新入社員の金融に対するスキルや経験を不十分だと考えており、金融技術の人材不足に供給が追い付いていない状況が生まれている模様だ。

フィンテック人材の獲得競争において、インターネット業界は高給とハイエンド・テクノロジーを武器に、金融業界の最大のライバルとして立ちはだかっている。現在、人工知能、ブロックチェーン、クラウドコンピューティング、ビッグデータに代表される新技術がフィンテック分野の発展を牽引しており、フィンテック人材に対する需要が前年比32.4%増となる中、銀行業界ではフィンテック人材に対する需要の伸び率が加速している。 同時に、金融業界におけるテクノロジーの急速な浸透により、多くのオペレーターや事務職が徐々に人工知能に取って代わられており、トレーダー、物流、経理などの職位需要が減少する事態となっている。

 

  【修士課程と博士課程の修了者数が本科生を超える 名門校の修士が就職困難に】

北京市教育委員会がこのほど発表した「2022-2023年度北京市教育発展統計概要」によると、今年の北京市内の大学卒業生数は約29万6000人になる見込みで、うち大学院生は16万人以上となり、学部生を3万人上回ることが明らかになった。 北京市の大学院生(修士、博士)が学部生を上回るのは初めてのことである。

他の地方の大学でも同様の状況が生まれている。データによると、南京大学の2022年度卒業生は9,563人だが、学部生は33.01%に過ぎない。また西安交通大学でも、2022年度卒業生のうち大学院生は54.33%と半数以上を占めている。かつては、大学院の学位所有者は、高収入の仕事と質の高い雇用基盤を得る上で大きなアドバンテージを有していたが、高学歴の大学院卒生数が年々増加するにつれ、この優位性はわずかなものとなっている。有名大学の大学院生という大集団は、より競争の激しい雇用環境に直面している模様だ。

 

  【上海市、昨年の人材純流入量が全国1位に! 人材吸引指数は過去5年間トップを維持】

先日智聯招聘が発表した「中国都市人材魅力ランキング2023」によると、2022年の都市別人材魅力指数トップ3は北京市、上海市、深圳市の3都市で、2022年の人材純流入量では上海市が全国1位となったほか、一級都市、長江デルタ、珠江デルタには人材が集まっており、高機能都市では人材の地域間移動が活発化していることがわかった。また、「中国で最も魅力的な都市トップ100ランキング」では、東部の都市が全体の70%以上を占めており、北京市、上海市、深圳市をトップ3として、広州市、杭州市、南京市、成都市、蘇州市、武漢市、無錫市がトップ10に入っている。同報告書は上海市について、非常に安定した経済成長が、人材魅力指数で過去5年間トップ3を維持している要因だと分析している。

 

  【2023年大学卒業生の就業状況レポート:ChatGPT関連職位の需要が急上昇、AI」製造業では新卒採用時年収が33.02万元に達する】

猎聘ビッグデータ研究所が発表した「2023年卒大卒者就職データレポート」によると、AIなどの人気の新職種が就職市場に新たなチャンスをもたらしているほか、ライブストリーミングなどの分野も依然として積極的に人材を採用している。新卒採用の平均年収が最も高いのは電子/通信/半導体業の18万8300元で、全ての業種をリードする存在となっている。また新卒求人の増加率を見ると、AI関連職の新卒求人が前年比170%以上の伸びを示しているほか、新エネルギー関連職が前年比93.90%、新素材関連職が同30.05%でそれぞれ2位と3位にランクインしている。新たに登場したこれらの職業の新卒採用時平均年収は、スマート製造が330,200元、AIGCが303,600元、AIビッグモデルが279,900元でトップ3にランクインした。スマート製造業の従事者は、分野を超えて技術を融合するだけの能力を持ち、製造とアルゴリズムの両方に精通していなければならない。また、ハードウェアサポートやソフトウェア開発の基礎、コードに関する能力などを持ち合わせ、柔軟性を具えていなければならない。このような人材はたいへん希少であることから、採用時給与が高くなるのは必然であろう。AIGCとAIビッグモデルはChatGPTの中核分野であることから現在世界的に人気がある業種であり、また参入障壁も高いことから、給与水準が高い職業の新星となっている。