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政策速達(2024年11月)

 

【新たに十数省で最低賃金月額引上げ】

内モンゴル自治区は11月15日、「同自治区における最低賃金基準の調整に関する通知」を公布し、12月1日以降、同自治区の第1種、第2種、第3種地区の最低賃金月額を1,980元、1,910元、1,850元からそれぞれ290元増の2,270元、2,200元、2,140元に引き上げるとともに、パートタイムの時給最低賃金基準を各地区それぞれ1.6元増額した。

今年は現在までに、江蘇省、浙江、河南、遼寧、吉林、黒龍江、江西、湖北、湖南など10以上の省が相次いで最低賃金基準を引き上げている。 ほとんどの省の最低賃金の引き上げ幅は月額200元程度で、最も高い引き上げ幅は290元であった。また調整後の賃金水準を見ると、全国で20以上の省で初めて最低賃金が2,000元を超えている。

 

【四川省生育保険最新政策、来年1月1日より施行】

四川省健康保険局が先日発表した情報によると、同局は健康保険の出産支援効果を強化し、被保険者の出産の負担を軽減する事を目的として、財政部、人力資源社会保障部、国家税務総局、四川省税務局とともに「通知」を発表し、フレキシブルワーカーと失業保険受給者(以下、「対象者」という)を生育保険の適用範囲に含める。同関連規定は来年1月1日から実施される。

「通知」では、「対象者」の生育保険待遇について、各地域の現行政策に従って実施すると定められているほか、生育手当の受給については、出産または妊娠終了月時点で生育保険に12カ月以上継続して加入していることを要件として、前年度の平均納付月額を基数とし各地域の被保険者と同様の期間受給できるとしている。また、来年1月1日に「通知」が施行されてから12ヶ月以内に出産または妊娠を終了し、その時点で12ヶ月以上継続して基本医療保険の被保険者であった「対象者」は、12ヶ月間生育保険料を完納した後、関連規定に従って生育手当を受給することができる。生育手当の支給方針については、生育手当の支給対象期間中生育保険に有効に加入していることを要件とし、原則として出産または妊娠終了後12ヶ月以内に請求しなければならないとされている。なお、生育手当の支給基準は、出産時または妊娠終了時の保険加入状況に応じて決定され、出産休暇中に支払われる賃金とは重複しない。

 

【我が国の医療保険前納制度、改正へ】

国家健康保険局と財政部総局はこのほど、「健康保険基金の前納業務遂行に関する通知」を公布した。同「通知」は、健康保険の前納を健康保険の成長政策の一つと位置づけ、全国レベルの基本医療保険基金の前納制度を統一・改善するとともに、プロセスの標準化と管理の強化をもって、基金の使用効率を効果的に向上させるものであり、健康保険の「前納」を健康保険の「活性化」に変えて指定医療機関の医療費前払い圧力を緩和し、指定医療機関へ持続可能な発展のための効果的な力を与え、支援するとしている。これにより、被保険者へのより良い医療保障の提供と医薬品・消耗品企業の健全な経営を促進するとともに、医療全体の相乗的な発展を促し、ひいてはマクロ的な経済発展を保障し社会の安定的な運営に貢献することができる。

また同「通知」は、政策制度や申請プロセス、会計・監督などの面から、医療保険前納の要件を定めている。各地域は今後、同「通知」の要件に従い、また地域の実情に照らして、独自の前納管理方法と実施規則を策定・修正・改善していくことになる。

 

【国務院弁公室:事業単位のフレックスタイム制及び在宅勤務採用を奨励】

国務院弁公庁は先日、「生育支援政策制度の改善加速及び生育友好社会の建設促進に関する若干措置」を公布し、生育支援政策及び生育奨励制度及び全人口・全ライフサイクルをカバーする行政サービス制度の改善、出産・子育て・教育にかかるコストの効果的な削減案を提出した。

同「措置」は、従業員の権利と利益の保護を強化するとしており、女性の雇用を促進する政策を改善し、女性従業員、特に出産後再び就業する女性の職業技能訓練を強化するものである。また使用者に対し、特に妊娠・出産・授乳中の女性従業員に対する法律に基づく特別な労働保護の実施や、家庭に優しい職場環境を作るためのフレックスタイム制及び在宅勤務の採用、母親や乳幼児のための施設の建設、福祉的な育児サービスの提供、夏休みや冬休みの手配、学童保育活動の企画などを奨励している。この「措置」は、従業員が育児の負担を分かち合えるよう、積極的に支援するものである。

 

【上海市、新たな雇用形態に対応した労災保険政策試行を推進】

上海市は、フレキシブルワーカーやダブルワーク等雇用の柔軟性や流動性が高まっていることを考慮し、上海市労災保険について、従来の納付方式を脱却し、日単位及び個人単位での保険加入や労災保険料の月払いを実施することで、全ての就業者を実名で管理し、全事業単位及び全就業者への皆保険制度を実現させる。労災保障には、医療保障、障害保障、死亡保障が含まれており、商業保険と比べ保険料が安く、総合的に労働者を保護し、水準が高い保護を受けられるという利点がある。上海市は2024年6月末までに、7つの試験的プラットフォーム企業の新規雇用者累計113万900人を労災保険の範囲に組み入れるとしている。また同市は、労災の承認を受けた4,000人以上に対する総額2億4,900万元の治療費の支払いを承認するとしており、このことは労災保険の労働者保護機能が効果的に発揮されている証左となっている。