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「共創時代下在中日系企業の着実な再発展に向けたクローズド研討会」を開催(2025年10月15日)

报告文(中文)

2025年10月15日(水)、中智日本企業倶楽部・智櫻会は「共創時代下在中日系企業の着実な再発展に向けたクローズド研討会を、会員企業ミスミ(中国)奉賢新園区で開催しました。当会には、35名の異業種日系企業経営者高級管理者が参加しました。在上海日本国総領事館の岡田勝総領事・大使および堀口晋領事、日中経済協会上海・成都事務所の信澤健夫所長にご来賓として出席していただきました。


本クローズド研討会の共通認識の一部


クローズド研討会の冒頭、在上海日本国総領事館の岡田勝総領事・大使より「日中関係と上海から見た中国経済」と題して特別講演を行っていただきました。岡田大使は講演の中で、これまでの日中関係を振り返り、岡田大使ご自身のこれまでの中日友好の取り組みを紹介されました。関連の統計を示しつつ、変化のスピードが早く競争の激しい中国で鍛えられてこそ世界で通用する力が養われると語り、高齢化対策やグリーン経済、デジタルなど、中国企業と協力できる余地は大きいと指摘し、さらなる人的往来により相互理解がより一層進むことを期待すると述べられました。

初心を中国に抱く日本の外交官としてのお話は、私たちに初心を堅持し、中日両国の経済発展のために努力し続ける勇気を与えてくださいました。


続いて、中智日本企業倶楽部・智櫻会部長の馮串紅より「共創時代の中国企業」をテーマに、中国国有企業と民営企業の現状と課題について紹介し、中国企業のホットな話題である「出海」の背景と現状について共有しました。最後に、在中外資企業が見る中国事業--いかに「創新、共創精神をもつマラソンランナー」となるか、協力共創こそ、外資企業が在中国で持続発展の基礎であることと述べました。


ミスミ(中国)精密機械貿易の徐少淳董事長は「共創時代にいかに困難を突破するか」をテーマに、「CH FOR CH」から「CH FOR WORLD」へと進化を続ける同社の成長戦略、グローバル企業としての挑戦を共有していただきました。続いて、傅嘉欣総経理より具体的な取り組みを紹介していただきました。



続く会員企業代表による課題共有セッションでは、「現在中国市場の再構築において、貴社が属する業界および貴社自身にとって最も挑戦的な課題は何か?」をテーマに、東麗先端工程技術の董剛董事長兼総経理、三井金属(上海)企業管理の白石克巳董事総経理、兄弟(中国)商業の張燕董事長総裁に共有していただきました。「日本の技術·品質」だけでは通用しない時代が来ている中、市場の再構築・技術の再構築・価値の再構築の必要性を語っていただきました。




各業界における「中国企業との競争・協力の実体験」について、博邁立鋮投資(中国)の山本徹董事長兼総経理、キヤノン(中国)上海の伊藤裕之華東地域首席代表、全日本空輸(ANA)の津田正弘上海・江蘇地区総経理上海支店長より共有していただきました。「China Cost,China Speed,China Technology,China Connection」の重要性や、厳しい競争に勝ち残るためには競業他社との協力も必要であるとの意見が聞かれました。




日中経済協会上海・成都事務所の信澤健夫所長より、会員企業代表の皆様による共有内容を踏まえて総括をしていただきました。信澤所長は、これだけ大きな市場で競争相手に囲まれ刺激のある環境で仕事ができることは大きなやりがいであると述べ、日中経済協会としても、引き続き日中間の経済交流発展に貢献していきたいとの意向を示し、課題共有セッションを締めくくりました。


休憩をはさみ後半では、感想交流と質疑応答が行われました。


はじめに、在上海日本国総領事館経済部の堀口晋領事は、在中日系企業の共通課題について直接伺うことができ、大変参考になった。どんな小さな課題でも総領事館にご相談いただければ、地方政府への要望などを通じて改善に務めたいと述べられました。


続いて、日経BPアド・パートナーズ代表取締役社長・日経BP中国社 董事長の藤田憲治様より、日本から見た在中日系企業について紹介していただきました。デフレの先進国の日本が、その知見と経験を活かすことで、中国の市場にあったビジネスモデルを考えられるのではないかと語りました。


その後、中智日本企業倶楽部・智櫻会部長の馮串紅がコーディネーターとして、参加者の皆様に各業界や会社規模、直面している課題等を引き出していました。

貴社の課題とチャンスについて、日本航空株式会社の椎橋壽太郎上海地区首席代表、総経理兼華東地区総経理、佳能光学設備(上海)の江越幸久副総経理、東京海上日動火災保険(中国)の太田貴之副総経理が、自社の挑戦とこれから解決すべき課題について率直に述べていただきました。コストパフォーマンスを高めるため競合相手との提携事例などを共有していただきました。


中国企業と共創するコツと難点は何か?という問いには、三井化学(中国)管理の花田智久副総経理、艾衛艾商貿(上海)の前田剛総経理、阪急阪神国際貨運(上海)の鈴木剛華東地域総経理、麒麟(中国)投資の王漪菁副総経理から、中国市場にあった経営やマーケティングを模索してきた経験を語っていただきました。また、上野動物園のパンダを輸送してきたエピソードも聞かれました。


新質生産力・日系製造業の挑戦と生きる道について、製造業の参加者に質問しました。上海江崎格力高食品の吉田昌平SCM本部本部長、養楽多(中国)投資の松浦祐司董事特別顧問、上海阿自倍尓控制儀表の大森泰志総経理、上海賽路客電子の岡﨑隆弘董事・総経理、佐藤自動識別系統国際貿易(上海)の緩利信介副総経理、住友重機械工業(中国)の生野英治董事副総経理から、在中日系製造業が直面する、高度成長から安定成長への変化に対する対応の取り組みを共有していただきました。


IT業の富士通(中国)信息系統の汪波総経理、日鉄軟件(上海)の梅樺副総経理には、AI先進国の中国で生き残る為の工夫を共有していただきました。新赴任の兄弟機械商業(上海)の藤本智之董事長総経理、 大成温調建築工程(上海)の山本孝治副総経理には、本活動の感想を聞かせていただきました。


研討会の締めくくりとして、岡田大使に総括していただきました。岡田大使は、各会員企業代表の発言を踏まえ、中国は変化のスピードが速い。中国滞在歴や中国語ができるかどうかを問わず、今中国にいる人の話を聴き、今の中国を知ることが重要であると指摘し、本研討会では、出席者の意見から多くを学ぶことができたと述べられました。



最後に、2025年在中日系の経営者&管理者語録のテーマについて出席者からの意見を募り、満場一致で「変わる」に決定しました。

今回の研討会は、共創時代下における在中日系企業の再発展の道を模索する重要な機会となりました。創新・共創、真の中国を知る、語る、そして日系企業の中国で着実な持続発展の力になることを目的に、クローズド研討会を開催しました。


中智日本企業倶楽部・智櫻会は、皆様の課題解決に全力で応援し、会員企業と中国本土企業との業務提携の懸け橋となるよう、今後も工夫を重ねてまいります。

本会の開催にあたり、ご多忙の中ご支援と貴重なアドバイスを賜りました岡田総領事大使様、ミスミ(中国)様に、心より感謝申し上げます。会場では会員一同より感謝の気持ちを込めて、お花と感謝状をお贈りしました。