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『2015年中国人力資源フォーラム「日系企業分科会」開催のご報告(2015年9月15日)』

 2015年9月11日、中国国際技術智力合作公司 /中智上海経済技術合作公司 日本企業倶楽部の主催にて、「2015年中国人力資源フォーラム『日系企業分科会』」が開催されました。(浦東嘉里大酒店 「2015年中国人力資源フォーラム」メイン会場)


会場風景

 9月11日午後1時30分、本フォーラムの司会進行役、中智日本企業倶楽部部長 馮串紅 が2015年中国人力資源フォーラム「日系企業分科会」の開催を告げました。


開催宣言

 
■ 開会に先立ち、主催者を代表して中智上海外企服務公司の徐伊文総経理、又、来賓の方々を代表して、在上海日本国総領事館の平山大典領事様よりご挨拶がありました。


     まず始めに、本分科会の主催者を代表し、中智上海外企服務公司・徐伊文総経理から来賓の方々へご挨拶を述べました。挨拶では、まず今回のフォーラムにご後援を頂いた在上海日本国総領事館様、日中経済協会上海事務所様、三井住友銀行(中国)有限公司様に謝意が述べられました。続いて、中智グループに関する簡単な紹介が述べられました:中智グループは国務院国資委直属で唯一の人的資源サービス企業であり、今年も「中国人的資源サービス業企業ランキング」において10年連続第一位に選ばれたこと等の報告がありました。又、中智グループは創業以来日系企業様を重要なお客様とさせて頂いており、今後も引き続き日系企業様の目線に立ったサービスの強化を目指していく事を表明しました。  

 


主催者代表挨拶

 
  続いて、ご来賓の方々を代表し、在上海日本国総領事館の平山大典領事様よりご挨拶を頂きました。冒頭、最近政治のレベルでも政府首脳の会談や、3千人規模の訪中団が北京を訪問するなど、日中関係の改善の兆しがみられると述べられました。また、日中民間交流において、当領事館におけるビザの発給件数は2013年が約37万件だったのが、2014年には約87万件に増え、2015年は6月までの上半期だけで、約78万件に達するなど、日本を訪れる中国人観光客が着実に増えていることを発表されました。   

    次いで、中国経済に関して「新常態」の安定成長の段階へ入ったが、依然として7%近い成長率があり、これは1年間でタイとマレーシアを合わせた規模のGDPが新しく増加していると述べられました。「新常態」の変化やさまざまなビジネスのリスクを見極めるとともに、中国の方々の物の見方や行動の仕方を合わせていく企業の努力を継続して頂き、新しいビジネスの展開や現在のビジネスのさらなる拡大にチャレンジしていただく事が、在中日系企業に必要であると述べられました。本日のフォーラムにおいて「日系企業分科会」が開催される事に喜びの意を表明するとともに、在上海日本国総領事館としても日中関係の発展の為、文化、人、経済の交流事業を推進し、日中関係改善の流れを確かなものにしたいと抱負を述べられました。最後に分科会準備の関係者への謝意と、参加者の健康とビジネスの発展を祈念して挨拶を締めくくられました。   


平山大典領事様ご挨拶

 
■ 講演会の第一部では、日中経済協会 上海事務所・成都事務所 横山達也所長より「最近の中国の動向」というテーマでご講演いただきました。

    冒頭、日中関係の動向について、近年の交流について解説していただきました。その中で、日中間の交流は、いわゆる日中基本4文書が基本となっていることを紹介されました。続いて、中国の基本データに関して、人口や面積、貿易額など基本的な国家データを紹介して頂きました。その後、中国経済と日中経済関係の現状として、GDPの推移、総人口と人口増加率、輸出貿易額、都市と農村の1人当たり可処分所得、日本の対中投資件数と実行額の推移など貴重のデータを示しながら、その動向について解説して頂きました。   

    続いて、経済関係における最近の注目点として、各地の自由貿易区の概要、アジアと欧州を結ぶ経済構想である「一帯一路」構想、中国企業の海外進出を促す「走出去」戦略、等の説明があり、次に、今後の産業構造の調整に向けた政策として、2015年5月発表の「中国製造2025」などについて解説して頂きました。更に、来る11月には、盛大な日中友好交流イベントを日中経済協会より企画していることが当会場で発表されました。    


日中経済協会 上海事務所・成都事務所 横山達也所長

 
■講演会の第二部では、三井住友銀行(中国)有限公司 企業調査部 西田篤部長より「中国経済の現況と見通し」をテーマにご講演いただきました。

  はじめに、過去からのGDP成長率を確認し、2015年第2四半期の中国経済についてレビューして頂きました。その中で、第2四半期のGDP成長率は7.0%と、前四半期比横ばい、上半期累計も同じく7.0%と前年水準から引き続き低下していること。前年からの減速要因として、住宅市場の低迷と消費の伸び悩みが見られるが、株式売買の活発化に伴うサービス消費の増加が寄与し、通年目標の「7.0%前後」を維持していると解説されました。続いて小売総額の推移と伸び率、株式市場の動向、固定資産投資と住宅販売面積の推移、金融政策等についてデータを交えながら解説して頂きました。そして、最近の消費構造・形態の変化について、「量」から「質」へ、「モノ」から「サービス」へ、「リアル」から「ネット」へというキーワードで説明して頂きました。更に、電機業界、自動車業界などの動向について紹介して頂き、特に、講演当日の朝に日本経済新聞で報道された自動車業界について、ホットな分析を参加者と共有させて頂きました。自動車業界における最近の出荷台数減は、独禁法の取り締まりによる値下げ期待から、消費者の買い控えが原因の一つとなっているとの見解を示されました。   

  最後に、今後の中国経済の展望として、消費は、一般消費は堅調ながら、高額消費中心に低調な推移が続く。投資は、住宅投資の回復には時間を要するほか、過剰投資などの影響から景気下押し要因となるが、インフラ投資が下期の景気を支える見通しであること。産業・分野ごとの好不調が鮮明になり、高品質化しつつ拡大する内需の補足、政策支援の方向性見極めがより重要となるなどの展望を示されました。   


三井住友銀行(中国)有限公司 企業調査部 西田篤部長

 
■ 最後の講演は、中智日本企業倶楽部の新井宏昌より「在中日系企業の「人」の動向、「人と経営」の動向」をテーマに講演しました。

  講演ではまず、「人」を取り巻く状況として近年の主な労働政策、最低賃金の推移について確認しました。続いて、日系企業を中心に、国別や都市別、業種別の給与調整率データを紹介しました。次いで、新卒生の学歴別・都市別の給与データと共に日系企業が新卒生に求める能力や、新卒生が企業に求める条件に関するアンケート結果を示し、企業は新卒生の離職率の高さから、インターン経験を重視するようになるようになっており、新卒生は、成長の機会や仕事の将来性を重視する傾向が見られると述べました。最後に、日系企業、欧米企業、台湾企業、中国企業など国地域別の企業の離職率データを紹介し、日中の職業観の違いを漢字三文字で表現して解説しました。   

  続いて、「人と経営」における課題&対策というテーマに移りました。まず、在中日系企業が抱える課題として、「現地化」、「人材の活性化」、「効率化&合法化」を挙げ、それぞれについて現状と対策について述べました。   

  はじめに、日系企業における管理職のローカル社員率データを示し、現地化があまり進んでいない現状を指摘しました。その原因として、社員教育投資が欠けていて、在中日系企業の研修予算不足が大きな原因であると述べました。   

  次いで、人財の活性化の為には、適切な人事制度が必要であることを示し、従業員を惹きつける要素に関するアンケート結果や在中日系企業によくある人制度上の問題点について紹介し、人事制度改善の必要性を述べました。   

  最後に、効率化&合法化について、人事コストの増加、雇用形態の多様化や複数地域にある支社や工場の管理の困難さについて列挙し、その解決策として業務のアウトソーシングを提案しました。中智のアウトソーシングでは、オフラインだけでなくオンライン、移動APPによる管理も可能で、労務の法律リスクについても、全国的なネットワーク、豊富な経験をもつ法務顧問により万全のサポートが可能であると紹介しました。   


中智日本企業倶楽部 新井宏昌

 
■ フォーラムの終わりに、中智日本企業倶楽部代表 馮串紅部長より、ご来場の皆様に閉会のご挨拶を行ないました。

  フォーラムの終わりに、中智日本企業倶楽部を代表して馮串紅部長より、ご来場の皆様に対し、「中智日本企業倶楽部は今後もより高い水準のサービスを目指し、在上海日系企業の人のこと、企業のローカル社員のこと、企業の日本人駐在員のこと及び現地採用日本人の方々のこと、すべて対応致します。お客様の為にいち早く正確かつ有力な情報を提供し、ビジネス環境の変化に対し適切な対策をご提案する事で、日系企業が中国で力強く発展できることを全面的にサポートさせて頂きます。今後とも引き続き、皆様のご支援をたまわりたいとの御願いをもちました、結びの言葉と替えさせて頂きます。」と閉会の挨拶を述べました。   

 2015年中国人力資源フォーラム「日系企業分科会」は、おかげさまで250名近くの御出席を頂き、成功裏に終えることができました。また、アンケートで回答頂いた貴重なご意見・ご要望は、今後の日本企業倶楽部サービス向上の参考とさせて頂きます。 この場をお借りして、御礼とご報告申し上あげます。
  


会場風景


会場風景