> 「2017年日系企業『新生力』主題論壇」成功裏に開催される(2017年4月)
定期セミナー・イベント
「2017年日系企業『新生力』主題論壇」成功裏に開催される(2017年4月)
2017年4月21日,中智上海経済技術合作公司日本企業倶楽部・智櫻会は中智預才網と共催し、天平賓館にて「2017年日系企業『新生力』テーマフォーラム」を開催しました。フォーラムでは30名余りの在上海日系企業の代表、学校側は上海外国語大学、上海師範大学、上海理工大学、上海対外経貿大学、上海海洋大学、上海大学、上海電機学院等七校の講師、生徒ら25名が一堂に会し、日系企業の求める人材の特徴や新卒生に対する要求、大学生の企業に対する期待などをテーマに交流が行われました。
|
■ 主催者・中智日系企業倶楽部馮串紅部長による開会のご挨拶
馮部長は、会場で企業側代表や大学側代表へ挨拶した後、「本フォーラムの趣旨は、企業と大学の距離を縮め、企業の未来を担う新戦力に日系企業の求める人材像とその傾向を理解してもらい、また企業人事管理者へ求職者の本音を直に聞く舞台を提供することです。中智は、全国に位置する企業6万7千社の、187万名を超える人材へサービスを提供する、人的資源の総合サービス会社です。今後、日系企業倶楽部や預才網が、在中日系企業や大学卒業生へより多くの深い相互交流の機会を提供することで、日系企業の校内招聘活動をよりスムーズにし、またより多くの大学生が求職に迷わないようになればと願っています」と述べた。
|
■ 在上海日本国総領事館平山大典領事による祝辞
平山領事は、まず中智上海経済技術合作公司、中智日本企業倶楽部・智櫻会が、日系企業の中国での成長のために、人的資源サービスを提供していることについて、高い評価と感謝の意を表した上で、「現在の中国経済の状況下にあって、在中日系企業の人材招聘や、日本語を学んだ学生の就業にいろいろな課題を抱いています。今回のフォーラムが、企業と人材の相互理解と深い交流の良い機会となり、多くの人材たちが日系企業を知り、在中日系企業へ就職する契機になることを期待しています。また、ちょうど中日国交正常化45周年を迎えるに当たり、領事館では各種中日友好交流活動を展開し、経済関係の深化に一層努力して参ります」との祝辞を述べた。
|
■ 製造業企業代表、上海特殊陶業有限公司曹玲女史よりご講演
曹玲女史はまず、自動車部品生産に従事する上海特殊陶業有限公司について紹介し、「匠の精神」こそが日本企業の人材に求めるものであると説いた。また曹女史は、新たな方法は継続と反復の末に生まれるものだとする考え方を示した。
|
■ 大学代表、上海師範大学徐暁棟先生よりご講演
徐先生は「95後」の新世代大学生の就職観について、以前の「卒業即就職」の図式と違い、95後の大学卒業生には「スロー就業」という特徴が見られると述べ、新世代大学生の就業にはより多くの選択があり、今後社会の就職観は多元化の方向に向かっていくだろうと指摘した。
|
■ 貿易企業代表、野村貿易(上海)有限公司斎藤正芳氏よりご講演
斎藤氏は、自社が1917年に創業し、今年で100周年を迎えると共に、上海支社も1997年の創立から今年で20周年の節目を迎えると紹介した上で、新入社員の招聘には言語能力の他に商品や技術に対する理解や、新しいものを学んでいく積極的を重視する、と語った。
|
■ 貿易企業代表、アークレイ国際貿易(上海)有限公司劉穏氏のご講演
劉穏氏はアークレイについて、2003年に中国へ進出して以降、医療機器の研究開発、生産、販売を一手に引き受ける企業であると紹介した上で、「言語と技能」を併せ持つ複合型人材にニーズが集まるのは時代の趨勢であると述べた。
|
■ 大学代表、上海外国語大学施芙媛先生のご講演
施先生は、カリキュラムの作成、教師の力量、学校の共同運営化、学生の就職の四方面における、上海外国語大学の国際経済及び貿易に特化した複合型人材の育成方法を紹介した。施先生は生徒たちへ、高等教育資源をよく用いて知識を蓄積し、これを社会で実践して、自身の性格や能力を磨いていくよう求め、同時にご来場頂いた企業へ、学生たちのインターンシップ受け入れと、同校との協力関係の深化を呼びかけた。
|
■ 中智より、預才網市場営業経理管堃氏による預才網のご紹介
管堃氏は、預才網についてより詳しく紹介した。同氏は、預才網は中智旗下の大学生向け求職サイトで、専門的な人的資源サービスとクラウド動画技術が融合した、学校と企業、学生を繋ぐコミュニケーションと交流のためのプラットフォームであり、学生の求職力向上と、企業のブランド力確立、優秀な人材の招聘をサポートできるほか、最新鋭のオンラインシステムによって、企業と人材へ便利なサービスを提供できる、とアピールした。
|
フォーラムは第二部のパネルディスカッションに入った。ディスカッションでは、中智日企倶楽部馮串紅部長が企画と司会を務めた。
|
■ 企業側の期待する理想の新人像
企業側がどのような新人に入社してもらいたいかについては、参加した人事担当者達がめいめいに自身の観点を述べていた。京セラの徐課長は、上司から命じられた仕事をこなすだけでなく、自身で積極的に解決策を打ち出せる、主体性こそが最も重視すべき要素だと語った。上海瑪岱貿易有限公司の姜課長は、独立性があり自身の担当(すべき仕事)を心得ていることこそ従業員の理想の特性であると主張した。日野発動機の周課長の目には、プロフェッショナリズムを持ち専門的知識と実践能力がリンクした人材に期待すると答えた。新日本空調工程有限公司の佐藤部長は、新人ならばコミュニケーション能力と積極性、日本語で言うところの「やる気」が最も重要だとの見方を示した。言語能力が優秀でなくとも、積極性と主体性をもって仕事に臨めば早い成長が望めるのである。吉田拉鏈(YKKグループ)の張さんは、多くの新人がキャリアプランに迷いを抱きながら、企業側が自身に適した職種へ配置することを望んでいる。彼らにとっては、自身のキャリアプランこそ最も重要なのだとした。大学生の「日系企業は独特の企業文化を持ち、厳しいルールが多くて耐えられない」との指摘に対し、中智の馮部長は自身の見方を示した。馮部長は、新人として日系企業に入ったならば、二年間しっかり仕事に従事した後で、この会社が自身に合っているかを判断し、今後のキャリアを作るべきだ。最低二年間の時間が無いと日系企業の文化を理解するのは難しいし、合理的なキャリアプランを形作るのも厳しい、と指摘した。
|
■ 新世代の人材はどのような企業に入社したいか
現場にいた大学生たちもまた、それぞれに自身の持つ企業への期待を口にしていた。学生たちの要求は主に給料や福利厚生、公平な競争環境、将来性、日本語環境の有無、仕事への興味、昇進の可能性などに集中していた。
企業側も、自社の情況を見ながら彼らの要求に答えていた。このディスカッションで、学生側と企業側は十分に互いを知り、また、互いの見方の違いも見えてきた。例えばある学生は、お茶くみやコピー取りなどの軽易な事務をやりたくないと意見したが、企業側の担当者は、事務的な仕事も重要で、大切な業務プロセス一つである。仕事に貴賤はなく、頭を使うことが最も重要なのだ、と反論した。学生たちが昇進の問題を挙げたときは、会場の多くの企業が、現地化を推し進めている今日、中国人従業員が部長や工場長、副総経理を務める姿は決して珍しいものではない。多くの新世代の学生が、日系企業で堅実にキャリアを積み、自己実現を成し遂げることを望んでいる、と声を上げた。
■ その他の議題
企業の安定と人材の安定の関係性について、福桑精機(上海)有限公司の蒋課長は、社員を安定して働かせたいとの意思を示した。これに対しDTSソフトの馬氏は、会社に社員の離職問題に直面したときは、核となる人材の慰留に努めるが、社内に一定の人材流動があるのは合理的である、との見方を示した。大学生の、985・211校(一流校)以外の大学を卒業した場合、履歴書の段階で選別から逃汰されるのではないかとの疑問に対し、代表的日系金融機関の商工中金より参加した加藤氏は、招聘時により重視されるのは、大学のランクではなく面接の中身だ、と述べた。この他にも、専攻と職業の関係や、人材と職位配置など議題は尽きず、企業側も学生側も本音で語り合い、互いに深いコミュニケーションを取り合うことができた。
■ 中智イノベーション開発センター責任者龍燕梅氏によるご発言
中智イノベーション開発センター責任者の龍燕梅氏は、自身の考え方を学生たちに説いた。龍氏は、学生は集団から個人へと回帰し、自身のキャリアを追及しながら、役割転換を実現すべきである。好きなことに囚われず、興味を仕事とすることを焦らず、試行錯誤しながら3-5年後に自身の職業的興味と向き合えば良い。「案ずるより産むが易し」、学生たちが専心と剛毅な品性を以て、自身のキャリアを切り開いていくことに期待している、と語った。
■ 預才網呉媚経理による閉会の挨拶
呉経理は、「本日、大学生との交流の場へお越しいただいた日系企業の皆様および大学側の皆様に、深く感謝申し上げます。中智預才網は、今後も多くの企業へ大学生の選抜という分野で専門的サービスを提供して参ります。預才網が、日系企業と学校をつなぐ架け橋となることを、望んでやみません。」との言葉で、フォーラムを締めくくった。
「2017年日系企業新生力テーマフォーラム」は白熱した議論により盛り上がる中、円満に閉会の時を迎えました。企業側と学校側の交流の場を提供する初の試みは、盛況の中幕を下ろすこととなりました。中智日本企業倶楽部は引き続き在中日経企業へより磨きをかけたサービスを提供し、また多くの日系企業へインターン生の受け入れを積極的に働きかけていきます。中智は、日本語を学ぶ学生たちの前途が明るいものになるよう、心から応援し続けています。