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駐在員塾《日中ビジネス異文化Ⅰ》研修の報告(2017年8月)

  さる8月3日(木)、駐在員を対象にした「日中ビジネス異文化Ⅰ」セミナーを天平賓館で開催しました。

  

  開催に先立ち、中智日本企業倶楽部会員経理の新井宏昌から、今回のセミナー開催の趣旨について説明しました。現在、多くの在中日系企業では、現地化グローバル化の推進や、経営において輸出中心から中国市場への転換に伴う中国企業の取引先が増加など、駐在員と中国人のコミュニケーションの重要性が増しています。この様な状況下で、日中の文化の違いに対する理解を深めたいという会員企業様からのご要望を多数頂いていました。

 そこで、中国人の人間関係や価値観、交流スタイルの特徴を把握し、中国人との効果的なコミュニケーションの進め方やテクニックを理解していただくため、日本人駐在員を対象に「日中ビジネス異文化」シリーズの講座を企画しました。

  

  今回のセミナーには、三井金属、本田、富士フィルム、帝人商事、イオン、三菱電機機電、花王、ナ・デックス、日野発動機、特殊陶業、新日鉄住金ソフト、マブチモーター、清水建設、日本商工組合中央金庫、旭化成、丸紅、常熟快風、平田機械設備、大正リポビタン、パイオニア、上海石田電子衡機、JNC、みずほ情報総研、オリジン精密機械、ツムラ製薬、上海東洋鋼板、ジエイテック、ヒューマンなど40社余りの会員企業に参加いただきました。

  講師は、中智日本企業倶楽部部長の馮串紅が務めました。馮は、上海で大学卒業後、90年に日本へ留学、その後日本で17年間勤務し、一般社員から役員まで経験。帰国後、中智日本事業で日系企業倶楽部を運営し、多くの日系企業へ経営コンサル、社員研修等、様々な課題の解決方案を提供しています。

  

  冒頭、「異文化」とは何か?参加者に問いかけ、自分の生まれ育った環境と異なる文化など、様々な意見が出ました。馮部長は異文化について、民族や国に限らず、家庭環境、出生地、学校、職業などが含まれると指摘し、異文化の理解とは、まず自分を知り、次に相手を知り、そして共通点を見つけ、相互に理解する事だと指摘しました。

  そして、異文化の理解力を強化することの目標として、①仕事の目標を達成すること、②中国人と信頼関係を築くこと、③心身とも健康な駐在生活ができることの3点を挙げました。

  続いて、まず自分を知るため、日本人の優れた点と欠点について、グループごとに分かれて議論し、発表しました。

  日本人の優れた点について、「話を聞いてくれる」、「約束を守る」、「きめ細かい」、「理論的にものごとを解釈する」、「気遣い」、「粘り強い」、「チームワークが良い」、「時間を守る」等の意見が出ました。日本人の欠点については、「融通が利かない」、「言い方があいまい」、「細かい」等の意見が出ました。

  これらの意見に対し、馮部長は外国人に対しては、明確に指示をしなければならない。また、中国人社員をやる気にさせる方法として、「君なら絶対にできる、任せる。」といわれると、中国人はやる気を出して実力以上の成果を発揮すると指摘しました。

  ほかに、日系企業が現地化を進めるうえで、日本本社の考え方や指示を中国人社員に正しく伝えるためには、総経理は日本人の方がよいと述べました。

  

  

  続いて日本人にとって、中国人の理解し難い点について、人間関係の優先順位、ホウレンソウをなぜ守らないのか、職業観や報酬戦略等について解説しました。

  後半では、中国内需マーケット成功の条件について、中国民営企業や国有企業の例を取り上げて解説しました。中国企業に対する営業術に関して、キーマンに会うことが大切であると指摘し、中国民営企業、国有企業の特徴を示し、キーマンの探し方を紹介しました。

  続いて中国で成功している日系企業の例を紹介し、思い切って中国化した商品を開発する等、日本の成功体験を忘れて、ゼロからスタートする気持ちが重要であると述べましました。

  

  最後に、中国人社員のやる気を引き出す技法として「夢」を共有する事、信頼、そして人のスキルとマインドを診る力が重要だと述べました。

  参加者から、中国語で「君ならできる!」とどう言えばいいかとの質問に対し、明日から会社に戻ったら、中国人社員達に「你能行!」と伝えましょうと呼びかけ講義を終えました。

  

  中智日本企業倶楽部・中智智櫻会はこれからも駐在員塾シリーズを開催し、中智にしかない情報や技法をご参加頂いた会員企業の高層駐在員様のみにご共有致します。

  セミナーの具体的な内容に関しては、会員倶楽部までお問い合わせください。