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11月17日《真の日中ビジネス異文化~日本人駐在員向け コロナ禍の今の特別講座~》開催のご報告

報告文(中文)
 

  11月17日、在上海日系駐在員向け『真の日中ビジネス異文化』講座を中智上海研修室にて成功裏に開催しました。

  今回の交流会には、キヤノン(中国)、ADK集団中国、豊田合成、キオクシア、旭化成、川田機械、日鉄軟件、クボタ、ツムラ、三櫻、東京建物、イオントップバリュ、ミズノ、ナ・デックス、アズビル、日産デザインチャイナ、三井繊維、瑞穂信息系統、コクヨ、平田機械設備、日清オイリオ、クロップオザキ、湯浅商事、住友金属鉱山、科友貿易、住友精化、ABeam、JNC、アパマンショップベターハウス、日経BP中国、福島県事務所等の会員企業の経営層及び管理部門責任者から40名の日本人駐在員の皆様にご参加いただきました。


  交流会の講師は、中智日本企業倶楽部智櫻会の馮串紅部長が担当しました。

  講座に先立ち、馮串紅部長より開催の主旨を説明しました。新型コロナの流行により、在中国日系企業も大きな影響を受けています。防疫、復工、復産の中、中国国家政策や地域政策は日本と異なり、現地法人と日本本社との考え方や方法も違います。取引先や競合企業の中には中国資本企業(国営、民営)が急速に増加しています。この様な中で、在中国日系企業の中では日中文化の相違に対する理解を深めていきたいというニーズが例年以上に大きくなってきています。中智日企倶楽部智櫻会では年に一度、日系企業駐在員様を対象に、中国人と日本人との効果的なコミュニケーションの進め方・技法を学ぶ、信頼関係を作るために注意すべき点を共有する「日中ビジネス異文化講座」を連続6年開催してまいりました。今年は、特にコロナ時期からニューノーマルに変化する中で、日中異文化の最新ポイントも共有致します。本年も参加者同士の交流も含めて異文化環境でのビジネスを学んでいただければ幸甚です。


  本講座の冒頭から「異文化」のテーマを深く展開しました。異文化は、国と国の間にだけではなく、地域間、育った環境、さらに会社間等、異文化はどこにでも存在し、善し悪しの区別もありません。異文化コミュニケーション能力を高める最も重要なポイントは自分を理解することです。そして、異文化コミュニケーションの肝は、まずお互い違うのだという事を認識し、相手を尊重し関心を持つことだと述べました。

  続いて、事前に行った参加者アンケートから講座参加者の中国赴任期間統計データを紹介しました。


  研修は5、6人のグループに別れて互いに自己紹介をしていただき、チーム名とこの講座に参加した目的を発表していただきました。チーム名はういしん、華組、三国志、魔都、上海蟹、月餅、水餃子などと名付けられました。各チームからは、参加目的について「知識の融合」、「悩みを共有しつつ相互理解を深めるため」、「コミュニケーションを学ぶため」、「中国を知るため」等の発表がありました。

           


 


 


 

  自己紹介で互いに打ち解けたところで本題へ進みました。初めに、新常態化下の中国について、社会・企業・人の観点から解説しました。

  まず、社会について、中国速度、デジタル化、政策、民生をキーワードに説明し、現在の出入国政策を確認しました。

  企業について、中国全体に対する影響と国有企業、民営企業、欧米企業、日系企業における影響を分析しました。その中で、中国全体の影響として、今年は離職率が減少していたが、企業のコスト削減の影響で最近は離職率が上昇しており、新規採用を控えてBPOを利用する企業が増えたと述べました。

   


 

  そして今年5月から8月にかけて実施した日系企業在職社員へのヒアリング結果の中から、コロナを経験したことによる職業観の変化、新常態下の駐在員の悩み、新しいチャンスについて共有しました。中国人社員の職業観の変化では、「会社への忠誠心が上がった。日系企業にいてよかったと感じた」「万が一で能力が必要」と感じ、個人の実力を上げていく意識が出てきたと述べました。また、テレビ会議が増えたため、「コミュニケーションの重要」性を実感しているとう意見も多かったと述べました。

   


 

  駐在員の悩みについて馮部長は、まず90年代から10年代まで時代による駐在員の悩みの変遷を紹介しました。その後、コロナ期間中の悩みについて参加者の皆様に共有していただきました。その中で、「日本に一時帰国できない」「ビザの手続きに頭を痛めている」「本社からの応援を期待できない」「世界的な流行が続く中で、逆に中国への期待が大きくなっている」等の発言がありました。

   


 

  駐在員の皆様の発言を聴き、馮部長は危機の中には必ずチャンスがあると述べ、日本国内においても中国の存在感が高まっており、中国の素早い対応が日本でも参考になると指摘しました。また、中国法人の社内制度を強化するよい機会でもあると述べました。

  続いて、中国人社員から見た日本人と日系企業文化や制度に関するアンケート結果を共有しました、日本人の責任感、清潔さ、纏め力、真面目さ等の特徴が好かれており、日系企業の年功序列は反発展的、デジタル力不足等を改善して欲しい等の現地社員からの声を共有しました。一方、日本人駐在員から見た中国人社員と事、中国のビジネスモデルについてチームごとに議論し、発表していただきました。中国人社員の良い点としては、「向上心が高い」「仕事のスピードが速い」「短期的な仕事が得意」「女性社員が優秀」等の意見が出されました。中国人社員の良くない点としては、「失敗を認めない」「計画を立てるのが苦手」「他人の仕事に関心が無い」等の意見が出されました。中国人社員の良い点や悪い点の原因を議論する中で、ある駐在員は、「グローバルな視点で見ると、日本の方が特殊な場合もあり、比較対象を何にするかで、良い点や悪い点が変わるのではないか」と感想を述べられました。

           


 


 


 

  記念撮影と休憩自由タイムをはさみ、後半では日中の働き方の相違について話し合いました。まず馮部長は、日中の人間関係について比較し、中国の人間関係は、まず家族、同郷を重視し、それ以外は利益関係で判断する傾向があると述べました。

  社員と会社との関係は契約関係であるのに対し日本は白紙契約が主流となっている。駐在員は、まず人事労務を学ぶべきであり、それができないと信頼関係を築けないと指摘しました。また、中国では一般的に職位内容やポジションで給与が決まり、長く働いても仕事の変化やポジションが変わらないと給与の変化も少くないと述べました。


  企業の性質別の給与報酬の違いについて中智が調査研究したデータを示し、日系企業は固定給の比率が高いため、社員のモチベーションが低い傾向にあり、入社時の若い社員の給与は平均より高いが、マネジャークラスからあまり市場競争力が無くなると指摘しました。

  中国人社員とのコミュニケーションのコツについて馮部長は、中国人は面子を重視するので、しかる時は1対1で話したりメールや微信を活用するとよいと述べました。

  続いて、社員から好かれる管理職像や、Z世代の仕事感、中国国内ビジネスに成功するコツを、会員企業の実例とともに紹介しました。その中で、優秀な中国人営業総経理職の存在や経営層が長期駐在していること、企業文化やブランド宣伝に工夫することが成功のコツであると述べました。

  質疑応答時間には、皆様と講師が熱心に交流しました。上司と部下の信頼関係作る方法は、駐在員様が一番悩んでいるところです。数年しか駐在できない中で、どうすれば社員から信頼を得て、本気で自分の指示を受けて一体になって働いてもらえるのか、それについて、馮部長は詳細に説明しました。


  上司と部下との間の信頼関係を作るには、まず明確、公正的な人事評価制度が必要で、人を正しく評価するため欠かせない規制的な約束の基準であり、また心理面での約束が必要です。権限委任、社員が困った時裏からの応援、そして個人的な魅力と犠牲精神が欠かせないと述べました。個人の魅力については、業務上の能力や態度や仕事の進め方が優れており、性格や品格がよく、交流上の中国語力や異文化力、そして社員との巻き込み力=影響力が大事だと指摘しました。犠牲精神については、自分個人の資源を社員の為に提供するかどうか、又社員の成長の為、社員の福利の為、本社と交渉するかどうか等、様々な事例を挙げながら説明しました。


  講座の中で、日系駐在員の歌――智櫻会会歌「同じ空の下」を紹介し、歌手を代表してキヤノン中国副総裁山崎様から、「他社そしてローカル社員と一緒に歌うこの貴重な経験ができて面白かった。初めは歌詞を歌うのは恥ずかしいと思ったが、実際のレコーディングは気持ちよかった」と感想を述べていただきました。


  キヤノン中国(上海)高級総経理の金子様は、「皆で創り上げる作業が楽しかった。レコーディングスタジオで難しい歌詞を渡され戸惑ったが、チャレンジしようと頑張って歌った。リズムが激しくハードルが高かった」と感想を述べられました。参加者全員でこの歌を真面目に聞きました。日産デザインチャイナの秋山総経理は、この歌は今風で素晴らしく、曲をダウンロードしようと思うと述べられました。


  講座終了後、参加者を代表して山崎様がお疲れ様の気持ちを込めて乾杯の音頭をとりました。全員で青島ビールを手に取り、皆様の仕事のご発展と駐在生活の心身の健康祈り乾杯しました。皆様くつろぎながら、各チームごとに中国人社員に対するメッセージを発表していただきました。「年齢経験にもとない、成長して欲しい」「私と会社を信じて着いてきて欲しい」「一起努力,一起加油!」「日中の枠を超えて頑張っていきましょう」「我们一起加油」「文化は違えど心は一つ」「相手に興味を持ってお互いに理解を深めましょう」。


  最後に、馮部長のリードで参加者の皆様が一緒に中国語で駐在員の歌の歌詞を大きな声で朗読して今回の講義を終えました。在新的地方和新伙伴 一起创造新世界


  文化は違えど心は一つ 2020年智櫻会《真の日中ビジネス異文化》講座は成功裏に終了しました。

  中智日本企業倶楽部・智櫻会は、引き続き会員の皆様のニーズに応える、専門的な知識ときめ細やかなサービスを提供し、皆様の業務をサポート致します。どの様な形式であれ、私達はずっと一緒です。サービスに対する皆様からのご意見やご要望を歓迎致します。引き続き皆様のご愛顧とご参加を期待しております