「課長塾in上海」受講生からの声 第11期——那電久寿機器(上海)有限公司 技術部部長 高田 達也 氏 (2018/3/30)

中智上海経済技術合作有限公司と日経BP社は共同で、在中日系企業のマネジャーを対象とし、管理能力向上と経営理念を学ぶ日本語の研修である「課長塾IN上海」を企画開催しました。
一昨年7月の開催後、参加企業と多くの在中日系企業から強い要望をいただき、昨年11月に上海において第3期課長塾【実践編】を開催し、機械製造、技術、貿易、物流等各業界の有名日系企業から受講生を御派遣いただきました。
そして今年は、「課長塾」シリーズを中国の日系企業の高級管理者向けにアレンジした「高級管理者養成塾 in上海」を、6月27日(水)・28日(木)・29日(金)3日間の日程で開催します。
日常管理業務における課題は何か?課長塾で学んだ事を、職場に戻ってどの様に活かしているか?課長塾をより理解していただくため、受講生の皆さまの声をシリーズでお伝えします。

第11回目は、「課長塾IN上海」実践編を受講した那電久寿機器(上海)有限公司技術部の部長 高田 達也 様の感想をお伝えします。


 

●機械メーカーの部長、中国駐在16年の高田 達也様。

これまでのご経歴を簡単にご紹介ください。

———愛知工業大学電気科Ⅱ卒業後、機械メーカーの設計部やスポーツ業界等を経て、2012年に株式会社 NADEX入社、同年12月から那電久寿機器(上海)有限公司に出向し、総経理助理、技術部部長、製造部部長を歴任し現在に至ります。

現在、中国駐在何年目ですか。今のポジションと部下の人数を教えて下さい。

———前職からのトータルで中国駐在16年目になります。現在のポジションは、技術部部長として機械設計、自社製品(溶接に関する制御装置・変圧器・溶接機)を任されており、部下は5名です。


高田様仕事中の風景1   


高田様仕事中の風景2   

これまでのミドルマネジャーとしての経験で、一番印象に残る成功のエピソードをお聞かせください。

———現在在籍している会社ではありませんが、「上海IMC」時代に日本の自動車メーカーのD社様からマレーシア向けの「超短納期」の案件を頂きました。
従来なら3ヶ月掛かる案件を1ヶ月半と言う客先要求の納期対応をこなし海外優秀協力業者の表彰を受けました。
この賞は、毎年受賞する業者が有ると言う訳でも無く貴重な受賞と言えます。
当時小生は、製造本部長を任されていました。受け持つ部門は「設計・購買・製造」と一連の部門です。
殆どのスタッフが開業当時「ゼロ」から日系企業の方針や技術を教育・伝授した者であり、いちいち指示しなくても自分が「何をするべきか?」理解判断し職務に従事し、自主的に徹夜もこなしてくれました。
小生は、管理と組付け実務に付きながら特に製造スタッフが自主的に動きダラダラしないようメリハリを付け「はい、今から休憩!」とか適度の飲み物や食べ物を支給しスムーズに作業が進む様「精神面」のフォローも徹底しました。
その甲斐あって受賞に至ったと感じております。スタッフには非常に感謝しております。


高田様会社での誕生日祝い風景   

これまでミドルマネジャーとして、どの様な課題を抱えていましたか。

———主に、二つの課題を抱えていました。
ひとつめの課題は、部下に業務内容を説明し、返事が「分かりました」や「はい」の場合に放置しても説明した内容のある程度は自発的に「できる」と思い込んでいたことです。
ふたつめの課題は、上司・他部門からの「至急!」「急ぎ!」「すぐ!」で期限指定の無い項目を優先で処理しており、重要性がどこにあるか?把握しておらず、期限指定が間近である項目や会社に損益をもたらす不良対応は、比較的優先と認識し処理していたことです。時間が足りない場合は、残業や家で処理する事もありました。


高田様課長塾受講中の風景   

課題の解決のために、自分にどのようなスキルを身につけることが必要だと思いますか?

———一ひとつめの課題について、1.聞く相手の基準に合わせる。2.具体的な言語を使う。3.行動を完結できるように工程分けすること。
ふたつめの課題について、優先項目の重要性から 1,2,3と決定し、劣後項目の非重要性から切り捨てることが必要だと感じました。


高田様修了式での感想発表   

課長塾【実践編】を受講して、実際の職場でどの様に活かしていますか?具体例をお聞かせ下さい。

———部下への指導方法と伝達方法について、1、明確な目標設定(ステップ分けし、達成感を与える)2、具体的な行動指示(抽象的な指示を避ける)3、伝達明確化(絵やメモを活用)4、チェックリスト(標準版作成)を作成するようにしています。
また業務消化方法については、1、劣後法にて消化(消化順番の選定)2、日程管理3、工程会議を行うようになりました。

次回の課長塾受講生に対して、先輩としてアドバイスをお願いします。

———小生は受講したお陰で毎日の業務上、思い込みで部下に不適切な指示や指導をしている事に気付きました。
また年々、若年者の感受性や仕事に対する考え方が自分の思いと距離が離れて行く傾向に有ります。そう言った問題を解決するためにも「課長塾」を受講することでその方法や答えを見出すヒントが沢山見つかります。
きっかけは上司の勧めかもしれませんし個人の興味半分でも良いので、受講頂けたら、深く意味のある内容だと誰もが気づいて頂けると思っています。また自分を見いだせる良い機会にもなると思います。小生自身も、今回と違った内容の課長塾があれば是非受講したいと感じています。


高田様修了書受領の風景   


高田様ゴルフでの風景   

中智からのコメント:高校時代は高知県で名門の明徳義塾高校野球部で活躍されおり、またスポーツ業界在職中には東海4県のモーグルスキー振興の為に3年間に渡り毎回参加200名規模のモーグル大会を主催されるなど、熱血漢で親分肌の印象を受けました。グループの中では最年長で、ディスカッションや演習の際には、先輩として他のメンバーをうまくリードして取り仕切っておられました。課長塾で学んだ部下指導方を職場で活かし、優秀な中国人社員をより多く育てられることを期待します。