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営業とはまず自分を売ること

2010年10月18日

 鼻水垂らしながら涙を流し、営業職に身を投じることを恐れない。スーツ姿は立派に見えても、実は退屈の極まりだーインターネット上で流行っている1首の諧謔詩は営業職の惨めさを描いたが、やたらに多い求人は応募者をこの職種に飛び込ませる。実は営業職に人気があることはそれなりに理由があり、その中の肝心な ところを心得れば成功までそう遠くはない。

成功と失敗、その明暗

  「街角に立ち、次から次にチラシを配布し、話しを聞いてくれる人を捕まえればすぐに道端に設けた販売コーナーまで案内し、相手の代わりに自分がお金を出したい 気持ちだった」と、酷暑の中、自分を鍛えると称する舟氏が語り、昔から自分のさわやかな弁舌に自信があり、巧みな話術が要求される営業マンとして必ず成功 への道が開けると信じているから、卒業した後に営業職に就き、大邸宅に住み高級車を乗りまわすのだと一日中、夢想していた。

 しかし、夢見た生活を享受する 前に、舟氏にとって解決しなければならない目の前の問題は衣食住をどうするかであった。1ヶ月連続して1件の契約も取り付けていなかったため、基本給しか もらえなかった。生活費を除けば、猛暑の夏にアイスクリームを買う余裕さえなかった。安定した事務仕事を選んだ仲間達は将来がないことを嘲り笑ったが、今 の自分の仕事に比べると、彼らのほうが遙かにましであると思えた。お金稼ぎはともかく、高温と1ヶ月戦ったことで体が一回り痩せてしまった。その上、仲間 達はどうにかホワイトカラーという立派な呼び名があり、自分はかえってあまり好まれない業務スタッフとなってしまい、よく考えた上、舟氏はとうとう退職届 けを出した。

 舟氏のように失敗した例は少なくないが、成功した営業マンも珍しくない。Bill氏は4年前から不動産販売を手がけ、不動産価格が上昇カーブを描く中で Bill氏の貯金もうなぎ登りに増えていった。彼に言わせれば、「ちょうどいい時期に恵まれた」ということであったが、長年積んできた実務経験も自分の業績に対して錦上華を添えた。今年は不動産引き締め策を背景に、一儲けしたBill氏は洋酒の販売に転身し、キャリア上の2回目のピークを迎えるつもりで あった。

商品を売るにはまず自分を売る

  会社経営の目的は利益の最大化であり、この目標を実現するため最も重要なことは営業である。契約を取り付けさえすれば良い営業だといわれ、さもなければ何ともならない。商品の多様化及び需要の細分化に伴い、気軽に大声で呼び売りするだけで大儲けすることができる時代は過ぎ去った。したがって、専門家から見れば、舟氏の失敗はとっくに決まっていた。

 「今の時代はコンサル式営業を重んじており、クライアントの問題解決を提案する営業スタイルで契約獲得を重視し、ただ売りさばくだけではない。営業マンは真面目な顔をする必要があり、クライアントに信用させてから初めて取引関係が成立する可能性がある」と、中智人力資源諮詢有限公司の応利常務副総 経理は指摘する。

 コンサル式営業は爽やかな弁舌だけあっても仕方がなく、このような営業はただの片思いである。クライアントの問題を解決しようという気持 ちで接触し、親身になってクライアントの話に耳を傾け、相手の警戒心を取り除き、あなたと仲を深めていくことを望んでいれば、取引の半分は成功している。 結局、営業ということはまず自分を売ってこそはじめて商品が売れる可能性がある。

 医療機器販売に従事している陳氏は、営業マンとして最も弁舌がたつ人ではないが、トップセールスマンになったのも、実は真面目な顔をしているお陰であった。「医療は人の命にかかわるもの。医療機器購入において一層慎重になる。時には営業マンは弁舌を振るったのに、かえってクライアントに口先だけうまいと 感じさせ、安心できない。私は真面目な顔をしているのに加え、誠意を持ってクライアントとコミュニケーションをした結果、クライアントの信頼を勝ち取った」と感慨深く言った。

中途半端にならないよう

  「今日は苦痛、明日も苦痛、明後日は楽しむが、ほとんどの人は明日の夜に死んでしまう」と、ハンドルネーム「最愛口馬丁零」は最近著名なネット掲示板「天涯論壇」でここ数年の営業の心得をまとめ、根気の良さは彼の成功の最大の秘訣であった。こ のため、彼は今後営業の仕事に携わろうとする人に対して、根気がなければ、後で更なる打撃を受けないように営業の仕事に挑戦しないほうがいいとアドバイス した。

 既に営業職に就いたが、まだ成績が見られていない人に対して、最後までやり通して、この仕事を選んだ以上、努力しなければならず、さもなければ自分 に申し訳ないと言った。「このほか、普段からクライアントと信頼関係を構築しなければならない。平素からクライアントに電話やメールで挨拶し、良いイメー ジを残し、商品購入する時に真っ先にあなたを思い出してもらい、苦しい時の神頼みは禁物だ」と指摘した。

 「専門家になる必要がある」と応利氏(前出)が指摘し、コンサル式営業は豊富な知識が必要であり、クライアントの問題解決を提案できる十分な専門知識が要求される。現在、一部独占業界を除けば、ほぼすべての業界での営業職に対してこのようなことが要求されている。従って、新卒で営業職に応募する際、自分の専門 に結びつけることができ、たとえばエンジニアリング専門の学生はエンジニアリング業界の営業職を選ぶことにより、自分が勉強したことを最大限に発揮することができるとした。