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「初心忘れるべからず、時代と共に歩む」—— 王慧副総経理による香港大学ICB人的資本指導力フォーラムでの基調講演全文(2015年10月29日)

 皆様、お早うございます。本日は中智を代表して式辞を述べさせていただき、大変光栄に存じております。

 先程の劉院長の式辞におかれましては、イノベーション型商務人材育成の洞察と先見に力を尽くしておられると感じられました。組織及び人的資源講座は香港大学ICBが中国本土において最も早く開設した講座であり、本日ご来場いただきましたHR管理者の皆様におかれましては、中智の顧客企業よりいらした方や、香港大学の学芸員の方も少なくありません。私達は、香港大学ICB中国商学院と「知的資本は企業におけるイノベーションと競争力の核心である」との見解を一に出来た事を心から光栄に存じております。

 本日私が皆様へお話したい事は、本土での実践に立脚し、我々が「イノベーション」をどのように見ているか、という点です。

 私達は、22年に渡りひとつの使命を持っておりました。それは、「HR管理者への助力こそが企業の戦略目標達成の肝であり、真のビジネスパートナーとなる」というものです。中国の全産業構造の進化及び各顧客企業の成長の足音により、人的資源管理は今まさに伝統的管理からの転換を迎えております。決定事項の執行から策定への参加へ、経験則による判断から量化策定へ、職能主義から共同管理へ、一方的伝達から価値の共有へ、事務的サービスからパートナーシップへ、人的資源管理はまさに帰核化、価値化、工程化、プラットフォーム化したHR4.0時代に突入しているのです。人的資源計画の柔軟性、即応性はより高いレベルが求められており、現在人的資源業界は大きな壁に面しています。また、その中には市場の活発なニーズを内包しており、大きな発展の新たなチャンスに遭遇しているとも言えます。

 HR管理者によれば、イノベーションは自発的な思考転換に始まるものでありますが、我々はここで「三つの視点」からの問題への対峙と解決を提案致します。まず第一に、業界内の市場に着目し、その現状と趨勢及び業界内の人材市場の変化を把握することで、企業の人材戦略へ最新の的確なコンサルティングを提供いたします。第二に、企業戦略に着目し、戦略的思考の確立させ、管理者層から問題を取り扱い、企業の戦略策定及び調整に積極的に関与させて頂きます。第三に、業務運営に着目し、各部署の業務状況及び環境を深く理解した上で、人事的視点から問題解決をお手伝いさせて頂きます。例えば、ある業務集団の離職率が非常に高いとすれば、我々はまずリーダーの指導力の判断を手助け致します。ただひたすら招聘と面接を繰り返すような事は致しません。

 ソーシャルネットワークとモバイル技術、クラウドとの融合に相対して、世界は変化しました。ビッグデータ、モバイル設備、ソーシャルメディア、感知センサー、GPSシステム、これら新技術の結合、応用は新たな方法で世界を結び、我々の生活や仕事を根底から変えただけでなく、人的資源の管理モデルをも変革し、人的資源業の境界をも打ち破り、溢れんばかりのグローバルなニーズを生み出しています。我々は可能性に満ち溢れた新たな世界に足を踏み入れたのです。

 我々は常に、自身と顧客に対し最先端を行くように求めています。先に述べた変化へ対応すべく、中智では既に手を打ち、伝統的単一的なサービスからコンサルティング、アウトソーシング、ITを併せた包括的ソリューションの提供へと転換致しました。異なる部署間での共同戦略や資源の共有、人的資源管理のモデルチェンジにおいて、ソリューションの統一に向け邁進しております。

 しかし、これでもまだ十分とは言えません。モバイルネットワーク技術は目標の達成を補助する手段であり、文化こそが心からの承認に根ざすものなのです。イノベーションは全てをひっくり返すことを意味するのではなく、往々にしてある種の堅持に基づくものです。企業の成長において、最も重要なのは依然として「人」です。中智には、このような不文律があります。「私達は今でも最終面接に参加し、中智本部に入社する社員を各々自らケアするサービス形式を受け継いでいく」「社員あってこその私達であり、彼らは中智の最も貴重な無形資本である」「私達は最も若い社員の声を聞き、時代と共に歩む」「私達は現在全世界の41000社、127万人の中級、高級技術管理者と雇用者へサービスを提供しており、今後より多くの中国国内の成長企業と共に成長していく」。

 「会社の新たな定義」という本には、このような核心的視点が記述されています。「将来において企業が成功するための道は、聡明なイノベイターを集結し、業務に適した環境と空気を整え、彼らの想像力をフルに発揮させた上で、顧客のニーズを早急に感知し、楽天的に商品とサービスを創造することである」。この文面におけるイノベイターとは、創造力、洞察力、顧客への察知力を核心とする知的資本を言います。

 シェアリング経済の時代にあって、私達は今ひとつの事を試しています。それはグローバルにHRの精鋭による其々の創意に基づく実践を結びつけるものです。このプラットフォームにおいて、HRを相互に学び共有できるだけでなく、余った時間をより大きな価値の実現へと転化させることができます。このプラットフォームをHR+と言います。私は劉院長によるICB商学院の創設と運営における一つの点について、大きな賞賛の意を示したいと存じております。それは「初心忘れるべからず」という理念です。初心とは何か?これは「why」であり、ひとつの理念であり、私達を正しい方向へ導く精神のひとつであります。私達はHR管理者への助力こそが企業の戦略目標達成の肝であると言い続けておりますが、それならばまずHRのビジネスパートナーとならなければなりません。私達は間もなく全てのHR管理者へ「知識協力者」の募集計画を始動します。私達を媒体として、間もなく入社する大学生のために、そして成長企業のために、専門的、実践的かつ独自の知識支援を行いたいと考えております。

 人的資本のイノベーションは、横方向から見ると知識の集合、縦方向から見ると持続的学習とシェアリングで構成される態度であると言えます。私達は先見の明と専門性を持つ香港大学ICB中国商学院と言うパートナーと共に力をあわせ、時代に負けないよう全力で業務に赴きたいと考えております。

 ご清聴ありがとうございました。

 補足:帰核化とは、多角経営企業がその資源を最も競争力のある領域に集中させることを指す。帰核化戦略の基本思想は核心でない業務の分離と損益資産の分化、主業務への回帰により適度な多角化を保つというものである。アメリカの経営戦略化マルキデス氏が提唱している新たな概念である。