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1月12日---総第1講【2016年中智日本企業倶楽部 忘年会&座談会】開催のご報告

  2017年1月12日、中智上海経済技術合作公司日本企業倶楽部は中智研修室内において「2016年中智日企倶楽部会員忘年会•テーマフォーラム」を開催した。上海の日系企業30余社が一同に会し、2016年を振り返ると共に、日系企業の『人』と『事』について深い議論を重ねた。

  

  このフォーラムでは、中智上海経済技術合作公司日本企業倶楽部部長の馮串紅女史が全体司会を務めた。

  ■ 開会に先立ち、中智日企倶楽部は2016年の倶楽部を振り返り、活動報告を行った。

  挨拶概要:「2016年、中智日本企業倶楽部では30回の講座と4回の大型交流会を催し、中国人的資源フォーラム日系企業分会を開催した他、「課長塾」「女性展」など新たな試みも行いました。また、著名日系企業の経営陣やHRD(ヒューマン・リソース・ディベロップメント)に携わる中国サイドの幹部へ取材を行った他、コンサルティングや刊行物の創刊などを通じて、多くの会員企業様へソリューションを提供して参りました。2017年の展望と致しまして、中智日本企業倶楽部は、既存会員企業様へ引き続き労務及び法務面での支援を行うだけでなく、会員間の交流にもより力を入れ、新たな企画や活動を増やしていく所存です。日系企業の皆様を成功に導くべく、日系企業の中国における成長の道を共に探していきたいと考えています」

  

  ■ 忘年会はフォーラムへ移行した。

  日系企業における「人」の問題を解決すべく、2016年も共に学び、共に悩み、共に模索し続けてきた……そんな中、年末に再び中智に集い、日系企業の『人』と『事』というデリケートな話題について、各々が自身の視点から本音で意見を語り合った。

  ■ フォーラム第一部のパネリスト:キヤノン(上海)栄副総経理、新日鉄住金軟件(上海)鄭部長、テイジン商事(上海)虞課長、桜華国際貿易陳主管、森暁教育宋総経理、中智日企倶楽部特別講師労達コンサルの李偉先生。

  

  テーマ1:日系企業人材の競争力、人材像、人材慰留の鍵

  ある著名日系企業の副総理はまず、人材の競争力について4つの能力【IQ、EQ、AQ(逆境力)、GQ(グローバリゼーションへの対応力)】を紹介し、現代の人材にはIQ、EQのみならず、試練を恐れず直面した困難に対応するAQや、世界的視野を持つGQが必要になると述べた。

  人材を慰留するために、企業側は2つの制度を定めた。一つは一定の職位に達した従業員が、海外研修を希望し試験に合格した場合に海外研修を受けさせる制度で、もう一つが様々なポストを経験させる制度である。すなわち、企業側が核心的人材を慰留する鍵となるのは、如何にして従業員のやる気を引き出すかのみならず、如何にして従業員のキャリアパスを広げより多くのチャンスを与えるか、という点が重要になる。

  それでは、技術系企業の人材待遇における課題とは何か?フォーラムに参加した技術系企業の部長は、社内従業員の8割が日本語一級を持っていても、技術職については語学より技術を優先するのが人材選考のトレンドとなっている。日本国籍の管理職が中国人へ置き換わるに連れ、企業の収益はむしろ明らかに伸びてきている。多くの中国人従業員はチャンスや権限が与えられると、彼らが最大限に自身の能力を発揮し職務に尽くし、より優れた業績を挙げることがその背景にある、と話した。業務と言語については、ある有名商社の参加者が実際の体験を元に、企業側が従業員へ英語などの第二外国語を習得する機会を与えてみたが、従業員の学習意欲や社内共通語などを十分活用しないと、長続きや学習効果がなかなか出難い、と述べた。

   


 

  

  テーマ2:「家の恥を世間へ晒す」2016年日系企業によく見られた人事に関する法的問題

  中国へ投資する外資系企業の中でも、日系企業はコンプライアンスに対し厳格に臨んでいる。特に当倶楽部会員企業様については、倶楽部の支援もあり人事に関する基本的な法的問題はほぼ発生しなくなったものの、日系企業が2012年より現地化を大幅に押し進めて以降、人事労務管理の問題が徐々に増えている。ここから見て取れるように、文化的差異や従業員の理念のズレが紛争発生の主な原因となっている。

  これについては、来賓企業が2016年に直面した法的問題について分析し、会場の参加者たちと共有した。日系企業管理職の精鋭在貴賓たちはいわゆるエリート達で、この厄介な問題は最終的に円満な解決を見た。日系企業が中国に進出し時間が経つに連れ、退職の時を迎えたベテラン従業員も少なくない。貢献者への報恩という日系企業の文化がもたらす人事リスクについて、会場で熱い議論が展開される中、法務の専門家である李偉先生は人事リスク回避の考え方を整理し、成功例を出しながら解決案を示した。この議論は白熱し、多くの参加企業からのリクエストにより、中智日企倶楽部が新年会でこれをテーマとする講座を開くと表明するに至った。この講座がHRD担当者たちの問題を解決し、紛争を未然に防ぐ一助となることを願うばかりである。

  熱い討論が繰り広げられる中、HRD担当者たちは自社に存在する問題についての理解を深めていったが、この討論は中智日本企業倶楽部にとっても得るものは大きかった。今回の討論は、今後中智日本企業倶楽部の講座の専門性やレベルを高め、在中日系企業へより良質なサービスを提供する上で大いに有意義なものであった。

   


 

  小休憩中、参加者たちはそれぞれに交流を深め、会場は大きな活気に包まれた。

  ■ フォーラム第二部のパネリスト:樱花文化用品範課長、福桑精機(上海)有限公司蒋課長、上海一実貿易有限公司孫主任、ナデックス(上海)有限公司楊係長、王子製紙有限公司孔経理。

  

  テーマ3:日本人と中国人の心は通じあっているか?中日間の隔たりを無くす上で、人事はどのような作用をもたらすのか?

  成功には天の時、地の利、人の和が必要不可欠だということは多くの人々の知るところだが、これの意味するところは、人の和が最も重要だという事だ。日系企業の人間関係で真っ先に思い出され、そして最も繊細な問題は日本側の管理者と中国側の現地従業員との関係である。両国の文化的な違いは、ある事象への認識と処理に差異をもたらす。また、人事部は特殊な職能部門として、日本側の戦略と文化を十分に理解している前提のもとで業務を遂行し、各部署へ業務指示とサポートを行えば功績になる。これは、言うは易し行うは難しの非常に奥深い学問的領域であるとも言える。

  自社の状況を話していたあるHRD担当者は、日本の駐在員と中国側の従業員との関係のバランスを保ち、合理性を欠く待遇格差や不平等な賃金分配などの諸問題を修正するための人事制度を紹介した。多くの無理解と衝突は自身の国籍とはあまり関係なく、自身の正確や習慣と合わないだけなのかもしれないから、わけ隔てなく公正に人と接しなければならない。お互いの文化は違えど、共に仕事をする中で互いに影響し合い、同化し合うことは可能なのである。ある企業では、日本人総経理の決断が社内の従業員に大きな影響を与えた。総経理自らが手本となり、日本人の管理者を贔屓せず、中国人従業員の心の声によく耳を傾け、調和あふれる社内環境を創りだすことに成功したのである。

  もちろん、あるHRD担当者の意見のように、人事部と事業部の間に職責の曖昧な部分があった場合、問題が発生した時に責任を押し付け合いかねないなど困惑の声が聞こえる場面もあるだろう。この問題についても、参加したHRD担当者たちはそれぞれに自身の考え方を述べ、自身の豊富な経験と意見を語った。彼らは、双方の活発な交流と職責範囲の明確化、相互への配慮があって初めてよりスムーズで効率の良い成長ができると指摘した。会場にいた日本人の企業代表者は、「皆さんの意見に大きな感銘を受けた。中国国内で仕事に当たる日本人として、中国語と中国文化の理解へ努力を惜しまないことは当然受けるべき責務であり、今後はこのことにより注意を払いたい」と述べていた。

  この点について中智グループの馮部長は、「私達は、日系企業の管理部署として、日本側と現地従業員との交流の場をより多く創り出すと共に、自ら率先して日本人従業員の文化習慣や商務理念、日本本社の就業規則や職務明細書(職責)を理解しなければならないと感じています。互いを理解し、互いの文化を積極的に伝えることによって初めて、相互の誤解を解き調和の取れた職場を作り出せるのではないでしょうか」と指摘した。

   


 

  

  テーマ4:従業員の能動性は何によって支えられている?

  従業員の能動性を高めるために、多くの企業では業績考課制度を設けている。しかし考課において、業務関連部署と職能別部署の公平性に問題が生じることは避けられない。これは、職能別部署の従業員の不満がなせるものではなく、HRの業務に対し理解が得られないことによって起こる。このよく起こりがちな現象について中智馮部長は、「会社側と従業員にとって最も良いのは互いがWin-Winの関係となることで、会社の成長段階に応じて解決方法も異なります。ただ、会社が利益を上げることによってのみ、従業員の利益は保障されるのです。存在するのは最も良い制度ではなく、最も『適した』制度なのです」と指摘した。

  人事考課や人事制度の遂行に理解が得られず、また罪悪感にさい悩まされがちなHR担当者たちは、自身の業務は会社にとって意義のある事だから、罪悪感を感じることはない。ただ果敢に業務を実行することによってのみ、満足行く結果が得られる、と互いの業務にエールを送っていた。

  最後に、中智イノベーション研究開発センター責任者の龍燕梅先生は企業と従業員の関係に触れ、「一人の従業員と企業が互いの資源を交換しあっている現代社会において、企業側にとって従業員管理の鍵となるのは彼らのモチベーションを刺激することだ。ただし、それは表面だけを見るのではなく、HRとして従業員の行為の背後にある情を知るために学ばなければならない。この『同盟』関係をよく把握して初めて、双方間の調和と共生が可能となる」と述べた。会場のHRD担当者たちはこの言葉を聞き、其々に賛同の意思を示していた。

   


 

  

  中日文化に違いはあれど、最も大切なのは相互理解である。HR関係者ならば、相互理解にこそ多くのエネルギーをつぎ込むべきである。HRは決して孤独な職業ではない。そして、情熱と理性を常にONにしておかなければならないのである。

  4時間に渡る交流の末、「2016年中智日企倶楽部会員忘年会•テーマフォーラム」は、ポジティブなエネルギーが会場に充満する中、成功裏に終わった。在中日系企業の人的資源を専門とした最高のフォーラムは、多くの日系企業にとって大いに参考となるものであっただろう。中智日企倶楽部は最後に、「2017年も皆様のビジネスの成功を祈ると共に、今まで同様、皆様のために専門的サービスを提供し、企業の人事管理の一助となりたいと、心から願っています」との言葉を残している。

  


【ご挨拶】

   中智日本企業倶楽部のサービスをより充実した内容にするため、日頃当倶楽部が開催している活動に積極的にご参加頂いている会員企業のHRD責任者様をご招待し、皆様の率直なご意見をお聞かせ頂きたく忘年会&座談会を企画しました。来年も宜しくお願い致します。


【目的】

日系企業の「人」に関する事情をうまく処理するため、1年間に30回以上の勉強会を開催し、参加者が皆で共に悩み、共に模索し、共に収穫しました。……年末皆様と再び研修室に集まり、反省と信念の展望を総括します。中智日本企業倶楽部会員人事忘年会で、共にリラックスした雰囲気の中で、「人」に関するテーマについて話し合いたいと思います。


【対象】

   倶楽部会員企業の人事責任者様(ご招待制)


【主催者】

   中智上海経済技術合作公司 日本企業倶楽部


【时间】

3小时30分


【式次第】

開始の挨拶

13:30 馮部長から2016年の倶楽部活動について報告

13:45 パネルディスカッション 前半

15:30 休憩

15:40 パネルディスカッション 後半

17:00 終了


【ディスカッションのテーマ:計4つを設定しております】

前半

①経済と国際化が日増しに発展する上海、企業の業態転換、激しい人材競争に、日系企業に競争優位性があるか?「日系人材」像を描きますか?人材を獲得、開発、引き留めるキーポイントは何ですか?

②家の恥を隠さない―――御社によく見られる人事労務の法律問題について

後半

③日系企業では「日本人」と「中国人」の関係は本当に心が通じ合っていますか?
貴社の場合、溝を埋めるためのカギはどこにありますか?私たち人事に何が出来ますか?

④本音トーク―――従業員の積極性を高めるにはどうすれば良い?


【特典】

参加者に中智日本企業倶楽部2016年記念品を差し上げます(中智ペン&空気香り)