6月13日中智日本企业俱乐部---2018年総第12講【《日本語N1に合格してもなぜ上手に日本語が話せないのか?》】開催のご報告 - HRM.com
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6月13日---2018年総第12講《日本語N1に合格してもなぜ上手に日本語が話せないのか?》開催のご報告

  2018年6月13日、中智日企倶楽部・智櫻会は「日本語N1に合格してもなぜ上手に日本語が話せないのか?通訳者に必要な能力と訓練法」講座を上海市内で開催し、無事成功を収めました。今回の講座には60数名の日系企業に勤める日本語人材たちが集まり、より効率の良い日本語でのコミュニケーションについて学び、思考を深めました。このテーマは、日系企業の管理者層や核心的従業員を常に悩ませている課題であると言えるでしょう。


  今回の講座にはキヤノン光学設備、堀場儀器、ミズノ、ブラザー機械、コニカミノルタ、永旺、横河電機、アルプス工業、ナ・デックス、上海マタイ、 櫻花文化、櫻華国際貿易、協立エアテック、エクセン振動機械、アークレイ、東芝電子、清水建設等の企業が参加しました。参加者の職位は営業部、品質検査部、生産技術部、財務人事管理部等多岐に渡っていました。

  開講に先立ち、中智日企倶楽部・智櫻会の馮串紅部長が新講座シリーズ開講の趣旨について説明を行いました。「日系企業の現地化、グローバル化が進む中、上級管理者層にも中国籍の幹部が段々と増えてきています。彼らとグループ企業本部との日本語による交流は非常に高度なテーマであると言えるでしょう。中国市場の速さそのままに、正確に本部とコミュニケーションを取り、中国で如何に成長していくか本部を説得しなければならないのですから。また一般職の人材も、言語と技能を両立させられない状況下にあって技術系に選ばれた、そんな核心的中間管理者層も、業務の推進に当たっては日本語の分からない中国籍スタッフへ日本からの指示を伝える責任があります。会員企業様の中国でのビジネスをより円滑にするために、中智智櫻会では特别に日本語学習課程を開発しました。当講座が、皆様のコミュニケーションに関する問題解決の一助となり、日系企業の人材の総合的能力を引き上げるお力となれればと、心から願っています」と挨拶しました。


  今回講師を勤めたのは、日本語の翻訳教育について非常に豊富な経験を持つ王建明先生です。王先生は80年代に上海外国語大学で日本語を専攻し、日本の著名校で修士号を取得、大学講師や同時通訳を務めた経歴を有しています。同氏は現在も、上海工程翻訳協会理事、上海通訳資格試験評議委など多くの職務を務めています。


  講座は、日本語を上手く話せない一連の現象について例を挙げ、その原因分析と解決方法を軸に展開して行きました。

  王先生は、通訳者と通訳試験の評議委員の2つの視点から、学生たちの翻訳における難点を挙げていきました。話の内容を完全に理解できていない、記憶力に劣る、情報を見落とす、内容は完全に理解していてもそれを日本語で正確に表現できない――これら学生たちをいつも悩ませている問題について、王先生は「言語能力の不足」「通訳(翻訳)技巧の欠如」「知識の蓄積の不足」「一般常識の認識不足」の4つの要因を挙げました。また、通訳試験評議委員の立場から、通訳速度が遅い、通訳に漏れがある、誤訳が酷い、表現に誤りがある等の現象がよく見られると指摘していました。これは日本人の上級管理者もよく感じていることでしょう。大きな注目を集めている日本語能力試験について王先生は、日本語能力試験は留学生たちが日本の大学で学べるレベルの日本語能力を有しているか否かを測るものであり、日本語の総合的表現力や運用能力を表すものではないとした上で、日本語を話す人材を選抜するならば、ヒアリングの成績を見ればそれが実際の言語能力レベルを体現している、と述べていました。


  問題点の解決方法を探る中で、王先生は学生たちへ翻訳というものを直接的に認知させるため、講義中日本語の通訳練習を行い、その中で見られた問題点を指摘した上で、「翻訳の核心的能力とは理解力と表現力ですが、その中思考集中力、記憶維持力、言語変換能力もまた非常に重要なものです。専門的角度から見た場合、言語表現力、音韻関連の表現力、目の動きやジャスチャー等、この三点が通訳レベルを判断する決め手なのです」と解説していました。また、如何にしてこれらの能力を高めるかについて、王先生は自身の長年の教育経験から、いくつかの実用的方法を紹介しました。通訳能力のうち日本語の理解力を高めるのならば、まずリスニングを鍛えて完全に「聞き取れる」ようにする。リスニングについては、文法のトレーニングとともに多くの文章を読む訓練を行い、「発音」と「文字」が一致するよう認識能力を鍛える。発音については、簡単な五十音図から始めて、念入りに音読する。人称や敬語の運用については、まず日本文化を知り、「日本人の相手次第の話し方」の文化を理解する――。


  ビジネスにおける常用句の翻訳には、正確で早い筆記(メモ)能力がとても重要になります。正確で早い筆記は、符号の使い方が鍵となります。王先生は皆さん自身に使いやすい符号を整理すると、翻訳効率が大きく向上するとアドバイスを送っていました。


  最後に、王先生は日常の業務でよくある文法や表現の誤りについて詳しくコメントし、外国語学習の公式【(消費された時間+意欲)÷羞恥心=結果】を紹介しました。王先生は、語学学習においては言語法則を遵守し、文化的習慣を尊重するとともに明確な論理的思考を持つことが必要になる、と強調しました。

  相互交流の場では、学生たちが次々と質問を述べていました。参加者の日本語能力向上に対する強い意欲を窺い知れる一幕でした。

       


 


 

  半日に及ぶ密度の濃い学習の反響は大変大きいものでした。参加者たちは、自身の日本語学習の大きな手助けとなった、翻訳・通訳の速度と正確性をどのように向上させれば良いか分かったと述べ、中智日企倶楽部による定期的な日本語講座を望む声が多く聞かれました。その中でも、「リスニング能力」や「筆記(記録)能力」など専門的技能の向上を求める声が突出していました。これについて中智日企倶楽部の馮部長は閉講の言葉の中で、「日本語をよく学べば社内でのコミュニケーションもよりスムーズになります。日本語の習得には日々の積み重ねが必要です。倶楽部では日本語講座シリーズを始動し、定期的に開講します。これは会員企業様が内部の『コミュニケーションの壁』を乗り越える一助となることでしょう。また、皆様が日本語を学び取った後、中智上海と日経BPが共同で開設した日系企業課長塾、高級管理者養成塾へ参加し、日系企業のマネジメントの真髄を学んでいただけたらと思います」と語りました。


  中智日本企業倶楽部智櫻会の新講座シリーズは無事成功を収める事が出来ました。著名な日本語専門家である王建明先生の素晴らしい授業と、多くの会員の皆様のご注目とご参加に、心から感謝します。今後、日本語技能養成講座が回を重ねてより素晴らしいものになっていくと、私たちは信じています。


  


【講座の趣旨】

  現地化グローバル化が進むにつれ、日系企業での業務においても、すべての職位に日本語能力が求められる訳ではありません。しかし、本社との連絡が必要な職位や日本の顧客と接する職位、或いはより正確に日本の上司と交流する必要がある時、日本語は依然として非常に有力なコミュニケーションツールとなります。日本語を学習したことのある人、中でもN1資格を有する人でさえ、実際の業務の中で日本語能力の不足が感じられ、同時に日本の上司も資格を持つ日本語人材を採用したのに、期待と大きな差があると感じています。「どのようにして日本語表現能力を高めるか?」「どのようにして日本語人材の通訳能力を高めるか?」などの問題は、日系企業の従業員と上司が常に戸惑いを感じています。これらの課題を解決するため、日系企業の日本語人材を対象に研修を企画しました。問題を発見し、解決方法を見つけ、コミュニケーション能力を高めましょう。


【講座の目的】

  1、どうして正確な日本語表現が出来ないのかを理解する
  2、どうすれば効率よく業務上の日本語能力を高められるかを理解する
  3、通訳能力の要素を理解する


【講義内容】

  一、現象:なぜ日本語が上手に話せないのか?

  二、原因

  日本語能力試験について

  中国における日本語教育事情

  三、解決方法

  学習方法

  「言語」とは?

  通訳の必要な能力(コミュニケーション能力)

  四、質疑応答

    【講師紹介】  

  【講師】王建明
上海外国語大学日本語学科卒、東京都立大学人文学部比較言語学研修生課程及び上海対外貿易学院法学部国際経済法修士課程修了。
上海鉄道学院に日本語講師として6年間勤めた後、東京都立大学大学院で比較言語学を研修。修了後、日本で社団法人日本生花配達協会国際部、株式会社阪和興業人事部等を歴任。1998年上海対外貿易学院日本語教育研究室の勤務を経て、2000年上海集慧林ビジネスサービス有限公司を立ち上げ、2003年には上海で唯一の通訳養成学校を設立。
中国翻訳協会会員、上海工程翻訳協会理事、国家人事部全国通訳翻訳専門資格試験指定教材編集員、上海通訳資格試験審査員