> 7月19日中智日本企业俱乐部---2018年総第14講 《気をつけよう!不正競争防止法の改正と実務に対する影響》開催のご報告
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7月19日---2018年総第14講《気をつけよう!不正競争防止法の改正と実務に対する影響》開催のご報告
7月19日(木)、2018年中智日本企業倶楽部 第14回講座を「中智日本企業倶楽部研修室」で開催しました。
今回のセミナーには、リクルート、ミズノ、イオン、ブラザー機械、一実貿易、東芝電子等の企業に参加いただきました。
開催に先立ち、中智日本企業倶楽部・智櫻会部長の馮串紅から、今回のセミナーの趣旨について説明しました。今年の1月1日から改正された不正競争防止法が施行し、内容が大きく修正され、罰則も強化されました。それに伴い在中日系企業でも、これまで以上にコンプライアンスが重視されています。中智の会員企業からも、日本本社から現地法人のコンプライアンス強化を指示されているというご相談を多く受けるようになりました。
そこで今回は、不正競争防止法の改正点と、改正から半年が経過し、不競争防止法を適用された案例が徐々に増えつつあることから、現時点で改めて気を付けるべき点を、具体的な案例を交えながら紹介していただきます。
セミナーの講師は、大江橋法律事務所の松本亮先生が担当しました。今回の講義では、不正競争防止法の改正点と実際の運用状況について学びました。
はじめに、今回の不正競争防止法改正は法律制定から24年を経て初の改正であり、社会の急速な変化に対応することが改正の背景にあると指摘しました。また民事案件は年々増加傾向にあり、行政の取り締まりも強化される傾向にあることを紹介しました。
続いて個別の改正点を確認しました。誤認、混同行為に関しては、「一定の影響力を持つ」商品や企業名称等が対象とされ、商標登録されていなくても保護の対象となりうると指摘しました。商業賄賂については、相手が公務員だけでなく民間企業や個人も対象となるが、改正により客体がより明確化されたと述べました。また、従業員が賄賂行為を行った場合、事業者の行為と認定されるリスクがあるが、日頃から従業員に対して教育することで免責される可能性があると指摘しました。営業秘密侵害行為に関しては、失敗したデータの様な、ただちに経済的利益をもたらさない情報も保護する事ができ、知的財産の保護範囲が拡大されたと解説しました。その他、今回の改正で新たに追加されたインターネットを利用した不正競争行為等について具体的な案例を紹介しながら解説しました。
質疑応答では、参加者から「日本では盆暮れに取引先に贈り物をする習慣があるが、中国ではどの様な贈り物が商業賄賂となるリスクが高いのか。」、「取引先の社員を日本に招待する行為も商業賄賂にあたるのか。」、「従業員が退職時に顧客情報を持ち出す行為は営業秘密侵害にあたるのか。」等の質問が寄せられました。講義終了後も多くの受講生が熱心に質問され、盛況のうちに終了しました。
中智日本企業倶楽部では会員企業に対して労務法務、高級管理者養成塾、駐在員異文化、市場営業、通訳技術等シリーズの研修を開設しています。日本人駐在員向けにも、給与データ、法務、異文化セミナー等を開催しており、8月28日には、駐在員を対象とした日中ビジネス異文化研修を開催する予定ですので、中国に赴任して日の浅い駐在員様や、中国人社員とのコミュニケーションに課題を感じている駐在員様からの積極的なご参加を歓迎致します。今後も引き続き日系企業の研修プログラムを展開してまいります。多くの企業様のご参加をお待ちしています。
講義風景1 |
講義風景2 |
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講義風景3 |
講義風景4 |
【講座の趣旨】
2017年11月4日に改正された不正競争防止法は、2018年1月1日から施行されております。不正競争防止法の改正範囲は、商業賄賂行為、虚偽宣伝行為、商業秘密侵害行為等と広い範囲に及んでおり、実務に影響を与える点が多く、中国においてビジネスを行うにあたり注意する必要があります。施行から半年が経過し、改正後の不正競争防止法が適用された案例が徐々に増えつつあることから、現時点で改めて気を付けるべき点を、具体的な案例を交えながらご紹介したいと思います。
【講座の目的】
1、不正競争防止法の全体的枠組みに関する改正点を理解する
2、改正法の下での個別の不正競争行為の内容及びその法的責任等を学ぶ
3、これまでの適用事例から、現時点で気をつけるべき点を理解する
【講義内容】
1、不正競争防止法の改正の概要
2、誤認・混同行為の改正点
3、商業賄賂行為の改正点
4、虚偽宣伝行為の改正点
5、営業秘密侵害行為の改正点
6、不当景品付き販売行為の改正点
7、信用棄損行為の改正点
8、インターネット利用による不正競争行為