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7月15日---2019年 総第149講《通訳するのに欠かせないノートテーキング---リスニングの向上とノートテーキングの改善》開催のご報告

    

  7月15日(月)、中智日本企業倶楽部・智櫻会ビジネス日本語力の底上げシリーズ講座の第2講《通訳するのに欠かせないノートテーキング---リスニングの向上とノートテーキングの改善》セミナーを天平賓館で開催しました。今回のセミナーには、キヤノン、リクルート、帝人商事、イオン、ミズノ、常石、サクラクレパス、蘇州堀内機械、王子製紙、screen、日進歯科材料、快風空調等の会員企業が参加しました。


  開催に先立ち、中智日本企業倶楽部・智櫻会の馮串紅部長から、2019年会員セミナーの中、「ビジネス日本語能力の底上げ」講座の説明をしました。

  昨年に続き講師に王建明先生をお迎えし、今年は3月からこのシリーズが始まりました。3月には日本語の「聴く•話す•読む•書く」の基礎、5月には、通訳のテクニック-----ノートテーキング(上)を開催しました。企業内の言語的な課題は仕事に直接影響を与え、より効果的なコミュニケーションをとるため、一部の現地社員にとって日本語能力の底上げが、もっとも大切との声が多く聞かれます。それらの課題解決のため、2019年は中智日本企業倶楽部・智櫻会から5回シリーズの講座を開催する予定です。ぜひ会員企業に役に立つよう祈念します。


  セミナーの講師は王建明先生が担当しました。王先生は80年代に上海外国語大学で日本語を専攻し、日本の著名校で修士号を取得、大学講師や同時通訳を務めた後、上海工程翻訳協会理事、上海通訳資格試験評議委など多くの職務を務めるなど、30年にわたり中日言語による交流事業に取り組んでこられました。


  シリーズ第3回目となる今回の講義では、前回に続き通訳に欠かせないノートテーキングの意義とその改善方法について解説しました。

  王先生は、リスニング上達のコツは、「音」と「意味」を意識することであると述べました。「音」をうまく聞き取れない原因は、①その単語や文法、表現を知らない語彙不足、②知っている単語や表現であっても、聞き取れない。③聴き取れたとしても、話すスピードに理解するスピードがついていかない。の三点を挙げました。

  そして、②についてはネイティブの発音を知らないことや、自身の発音が正しくないことを主な原因として指摘し、改善方法として朗読の練習を勧めました。また、③については、例えば日本語では「私はコーヒーが…」飲みたいのか、飲んだのか最後まで分からないが、中国語は目的語が最初に置かれる等、日本語と中国の語順が異なることの理解不足があると述べました。さらに、日本人の話すスピードは一般的に一分間に220文字から300文字程度だが、通訳者が一分間に処理できる文字数が少ないことも原因のひとつに挙げました。


  リスニングに欠かせない要素として、語彙、文法、表現知識を挙げ、特に知識については、背景知識、専門知識はもとより、社会知識等幅広い知識が必要であると述べました。

  通訳の際には、主に短期記憶を活用する事になりますが、人間の短期記憶は30秒が限界だと言われています。そこで短期記憶を超える通訳が必要な場合には、ノートテーキングが大切になります。


  講義の後半では、例文を用いて、実際にノートを取る練習を行いました。王先生は、受講生たちが実際に取ったメモを紹介しながら、良い点や改善点にいて丁寧に解説しました。その中で、情報を整理してメモを取り、配置を工夫したり記号を用いたりすると、うまくメモを取る事が出来ると指摘しました。そしてノートテーキングの意義について、通訳者の記憶を補助する手段だけではなく、通訳者の理解を補助する役割を見出すこともできると指摘し、ノートの取り方については、原発言の構造を反映した図式的なノートの方法を提唱しました。


  勉強会の終了後、中智日本企業倶楽部・智櫻会高級諮詢顧問の新井宏昌から、改めて王先生と参加した会員の皆様に対し感謝を述べました。今回、第3回目となるビジネス日本語力の底上げシリーズ講座が無事に終了しました。今年の後半は9月と11月に同シリーズの開催を予定しています。学習効果を高めるため、継続して受講していただくようお願いします。


  半日間の集中的な学習を経て、今回の《通訳するのに欠かせないノートテーキング》特別講座は盛況のうちに終了しました。受講生たちは、リスニングの奥深さと、ノートテーキングの大切さを改めて理解しました。

  中智日本企業倶楽部・智櫻会では、今後も引き続きビジネス日本語力の底上げシリーズ講座を開催して参りますので、皆様の積極的なご参加をお待ちしております。


【講座の趣旨】

  在中日系企業の業務において、日本語でのコミュニケーションの要点を正確かつ迅速に記録する事は非常に重要なスキルです。これは通訳担当者の中核技能というだけではなく、日本人上司とのコミュニケーション、日本本社との連絡、日本人顧客への営業、および会議の議事録作成等、さまざまな業務においてこの技術に精通している必要があります。
  中智日本企業倶楽部・智櫻会が行った多くのアンケート調査によると、通訳業務でメモを取る方法は、日系企業で働く中国人が参加したいとの要望が最も多い日本語研修の内容でした。そこで、中智日本企業倶楽部・智櫻会は、2019年日本語能力底上げ講座シリーズ(全5回)において、5月に《通訳のテクニック-----ノートテーキング(一)》を開催しました。今月開催する《通訳のテクニック――ノートテーキング(二)》には、実際に運用して会得したものや克服しなければならない問題点などを持ち寄り、引き続きテクニックの向上を実現したいと思います。会員企業の従業員の皆様が通訳業務におけるメモ書きの問題を解決し、通訳の正確性を向上させるお役に立てれば幸いです。


【講座の収益】

  1.リスリング力の高める方法を習得する。
  2.実際に運用する時の問題点を解決する。


【講義内容】

  1.日本語リスリング力を高める方法

  2.リスリングとノートテーキングの関係

  3.ノートテーキングの改善

    【講師紹介】  

  【講師】王 建明
中智日企俱乐部特约讲师
上海外国語大学日本語学科卒、東京都立大学人文学部比較言語学研修生課程及び上海対外貿易学院法学部国際経済法修士課程修了。
上海鉄道学院に日本語講師として6年間勤めた後、東京都立大学大学院で比較言語学を研修。修了後、日本で社団法人日本生花配達協会国際部、株式会社阪和興業人事部等を歴任。1998年上海対外貿易学院日本語教育研究室の勤務を経て、2000年上海集慧林ビジネスサービス有限公司を立ち上げ、2003年には上海で唯一の通訳養成学校を設立