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聞いてみなければ解らない!人物インタビューシリーズ

『上海伊藤忠商事有限公司 石橋 忠 董事総経理 インタビュー!』2022/4/25

<strong><font style="font-size:19px">同じ空の下で、力を合わせて抗疫戦に勝利しよう! </font></strong>

同じ空の下で、力を合わせて抗疫戦に勝利しよう!

<strong><font style="font-size:19px">——抗疫特別インタビュー——</font></strong>

——抗疫特別インタビュー——

現在も上海の疫情は、依然として複雑で深刻な状況が続いていますが、抗疫作業は既に夜明けを迎えつつあります。そこで会員企業を代表して、今回の封鎖管理の中で得た経験、課題や気づき、そして復工復産に向けた準備について広く会員企業の皆様と共有させていただきたく、会員特別インタビューを企画しました。複数の日本人管理及び中国人管理者を対象にインタビューを行い、特別インタビューにまとめました。


 
上海伊藤忠商事有限公司
董事総経理 石橋 忠氏

 

早稲田大学卒業後、1990年に伊藤忠商事株式会社入社。有機化学品部へ配属。98年から03年までインドネシア駐在、帰任後は有機化学品第二部合繊原料第一課長、基礎原料化学品部長等を歴任し、18年から東アジアエネルギー・化学品グループ長として上海へ赴任、22年4月より東アジア総代表補佐(華東担当)兼上海伊藤忠商事有限公司 董事総経理に就任する。

 

今回の封鎖管理の中で、経営上どの様な困難がありましたか。それに対して、どの様な対策を講じていますか。

上海全域で封鎖が始まったのが、ちょうど日本の決算期と重なったため、オフィスに出社できない状況の中で、2021年度(2021年4月~2022年3月)の会社決算業務を適切に完遂させる必要がありました。これに関しては、ITインフラを活用して在宅での業務環境を整えることで、滞りなく実施する事ができました。また、銀行業務が停滞したことで、お客様への支払いやお客様からの入金の遅延が多発しました。これは、銀行にて順次処理していただいており、解消に向かっています。現在も課題となっているのが、上海及び周辺地域の国際・国内物流が停滞・停止していることです。これによりお客様への原料資材の供給に影響が出ており、解決策として物流を他都市へ振り替えること等の対応をしているところです。

 

人事管理の面では、どの様な困難がありますか。

コミュニティの封鎖管理が実施されたため、会社単位で統一的な出勤管理を実施できないことに困りました。そこで、強引に会社単位での統一管理は実施せず、各従業員の状況を踏まえた管理を実施しています。

しかし、在宅勤務が長期化する中で、生産性の低下や業務に対するモチベーションの低下など、離れて仕事をする中ではリスクの所在が顕在化されにくいという問題が懸念されます。そこで、各部署において部署長を中心に管下従業員と定期的なコミュニケーションをとることで、これらの懸念事項を極力排除するよう努めています。

 

今回、封鎖管理を経験する中で一番の教訓はなんでしょうか?

一言で表すならば、「備えあれば憂いなし」でしょう。

20年1月に新型コロナウイルスが蔓延した際、全従業員がFace to faceで会うことが難しい中、WEB会議、在宅勤務の適切運用などの新たな勤務形態を実行し、春節明け以降は在宅勤務と出勤を併用しながら原状回復を進めました。その経験から、業務が正常に回復して以降も、全従業員が出社できない場合でも業務継続できるよう準備・検討を進めてきました。その結果、今回の上海封鎖においても最低限やるべき業務は対応できている状況です。一方で、上で述べた銀行業務の停滞や物流の遅延等、事前に十分な想定ができておらず、対応が遅れた点については、反省点として今後対応策を検討する予定です。

 

封鎖が長期化する中で、従業員の心や体の健康に関し、どのようにケアしていますか。

現時点で従業員の心や体の健康問題は生じていませんが、封鎖が長期化する中で 従業員の健康及び心のケアは重要だと考えています。そこで、各部署の上司から部下に対し1to1でコミュニケーションを実施する等、従業員がこの厳しい状況下でも元気に明るく業務に励んでもらえるように対応しています。

そのほか、物資不足の中で頑張る従業員を励ますため、上海に住む従業員に対し、第一弾として野菜の配布、第二弾として果物の配布を行いました。



 

今回の特別時期に、新たな気づきはありましたか。

上海の封鎖管理が実施される中、マンション内で共同購買や生活物資の助け合いが行われ、コミュニティの重要性を改めて実感しました。業務においても弊社1社だけでは出来ないことは多く、在上海の日系企業各社様とより密に連携を取ることの重要性を感じました。今後も各社様と力を合わせて、経営管理上の課題、人事管理の課題等を対応していきたいと考えています。

 

力を合わせて抗疫戦を戦っている従業員たちや、会員企業の皆さんにエールをお願いします。

「One for All 、 All for One」

コロナ禍が続き上海の封鎖が長期化する中、居民コミュニティでの協力、従業員同士の協力、また企業同士が協力することにより困難を乗り切りましょう!

「明けない夜はない」

暗い夜は必ず朝を迎えます。近いうちに皆さんと笑顔でご挨拶出来る日を楽しみにしています!