聞いてみなければ解らない!人物インタビューシリーズ
『三井住友海上火災保険(中国)有限公司 菅 匡彦 董事兼総経理 インタビュー!』2022/4/28
同じ空の下で、力を合わせて抗疫戦に勝利しよう!
——抗疫特別インタビュー——
現在も上海の疫情は、依然として複雑で深刻な状況が続いていますが、抗疫作業は既に夜明けを迎えつつあります。そこで会員企業を代表して、今回の封鎖管理の中で得た経験、課題や気づき、そして復工復産に向けた準備について広く会員企業の皆様と共有させていただきたく、会員特別インタビューを企画しました。複数の日本人管理及び中国人管理者を対象にインタビューを行い、特別インタビューにまとめました。
関西学院大学卒業後、92年三井海上火災保険株式会社(現三井住友海上火災保険株式会社)入社。その後、広州代表処首席代表、三井住友海上火災保険(中国)広東分公司副総経理を歴任。その後日本へ帰任し、営業企画部部長などを経て、18年に三井住友海上火災保険(中国)董事兼副総経理、20年に臨時責任者 董事兼副総経理、21年1月より董事兼総経理に就任する。21年上海市「白玉蘭記念賞」受賞。
今回の封鎖管理が長期化する中で、どの様な対策を講じていますか。2020年の疫病流行時の経験は活かされていますか。
三井住友海上では、社会との共通価値の創造を推進し「当社としてのサステナビリティ」と「社会のサステナビリティ」を同時に実現する事を成長ビジョンとしています。2019年に当社のBCP(経営継続プラン)を大幅に見直し、非常時対応の訓練も複数回にわたり実施し、「当社としてのサステナビリティ」への対策を進めてきたため、2020年のコロナ禍でも、大きな支障はなく業務運営をすすめる事ができました。
しかし一方で、お客様の利便性向上の面から、突発的な事象が起きても柔軟に対応できる体制を平常時から整えておく必要性を改めて痛感しました。そこで、2020年のコロナ禍での課題を洗い出し、継続的に業務のプロセス改善を行い、平常時でも在宅勤務ができる新たな勤務体制と、いつでも・どこでも・お客様にサービス提供できるような体制を実現しました。この実現にあたっては、ハード・ソフトの両面を強化し、電子捺印、署名などの仕組みを整え、ペーパレス化を推進しました。この結果、今回コロナ感染が拡大し、在宅勤務にシフトした後もサーバー、システム、データの有効性を確保し、営業・引受部門では、お客様対応(保険加入更改手続き等)を全てオンラインで実施できています。
また、保険会社として最も重要な事故対応と保険金の支払いサービスについては、請求資料や手続きを省略化し、システムやビッグデータを活用した簡易査定により、迅速な支払い対応をすすめています。更に、これと並行してグループのリスクマネージメント会社であるインターリスク上海と連携し、お客様に対するBCP策定支援や訓練のサービスをご案内し、「社会のサステナビリティ」の実現に向けての取り組みも進めています。
封鎖が長期化する中で、従業員の心や体の健康に関し、どのようにケアしていますか。
物質面および精神面の両面で、社員の皆さんを暖かくサポートし、社員全員が安心できる取り組みを実施しています。物質面の支援では、上海の新型コロナ感染が深刻になり始めた3月下旬に全社員に対して支援金を支給しました。その後、4月に本格的な封鎖管理が実施される中で社員に対して食糧支援を行いました。
精神面のケアでは、長期化する隔離生活への心理面でのサポート施策として、4月12日に『心理健康ガイドブック』を配布し、生理面・心理面・行動面など複数の観点のセルフケア方法を案内しました。あわせて社員相談チャネル『HR OPEN DAY』(WEB/全日対応)を設置し、社員がいつでも気軽にメンタルヘルス問題の相談ができる場を提供しています。
そのほか、全社員を対象に外部専門家を招き、ストレスの自己診断や日常活動を通じたストレス解消、前向きな心理状態の保ち方などをトピックとした『ストレス軽減・セルフケア』のオンラインセミナーを実施しています。
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今回の特別時期に、どの様な社会貢献に取り組んでいますか。
今回、疫病との闘いは特別な経験でした。食糧不足が問題になっていたことから、3月28日には上海市外商投資協会と提携し、淮海中路街道にスタッフ、ボランティア及び高齢者に対する、5万元相当の食糧を至急調達し寄付しました。また、上海の一部の高齢者介護施設で環境消毒のため空気消毒器が緊急に必要とされていることを知り、上海市人民対外友好協会経由で10万元の寄付し、空気消毒器22台を購入して、3月31日に養老施設に至急届けました。先日も上海市金融協会の新型コロナ寄付活動に参加しています。
新型コロナ感染拡大を受けて、社員の皆さんが、何か役立てる事は無いかと自分で考えて行動してくれました。ボランティアを希望する社員に対しては、在宅勤務の体制の中でも仕事を分担してボランティアへの参加をサポートしました。中には、累計240時間以上もボランティア活動に参加している社員もいます。社員の皆さんが、こういう時だからこそ、自分に何ができるのか、会社として何ができるのかを考えて、行動に移してくれた事が非常に嬉しく思います。
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力を合わせて抗疫戦を戦っている従業員たちや、会員企業の皆さんにエールをお願いします。
皆さんで力を合わせてこの難局を乗り越え、更に強い結束が生まれる事を信じています。