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企業は従業員のバックグランド調査に熱心

2010年9月14日

 相次いで発覚した学歴詐称事件は、多くの企業は神経を悩まし、もっと多くの企業は社員の誠実さを重視し始めた。多くのサードパーティーによって行われたバックグランド調査業務が盛んになったことは、記者の取材でわかった。

  中智上海外企服務公司招聘服務センターのマネージャー、朱詩勃氏は記者の取材に対し、「弊社における社員入社前のバックグランド調査事業の伸び率は100%に達するほど急速に成長し、例年の伸び率(20~30%)を大幅に上回っている。とりわけ最近では地場企業からの問い合わせ件数の増加が顕著だ」 と述べた。

  就職競争は益々激烈となったことから、応募者による履歴書の虚偽記載行為が頻発している。「ある新卒採用活動において、約60%の大学生は自分が班長を担当 したことがあり、残りの学生も自分が幹事を担当したことがあると主張した。彼らが紹介したインターンやパートの経歴もまちまちであったが、具体的な経験を聞かれると、嘘は自ずと暴かれた」と、某人事部マネージャーが冷やかした。 求人サイトの中華英才網の調査によると、約5分の1の求職者は「就職活動を行っていく中、応募するポジションの要求によりよく合致させるため、履歴書の情報を変更する可能性がある」ことを明らかにしている。

  一方、求人サイトの前程無憂網の調査によると、調査対象企業全体の60.2%は、採用する予定のある人達に対するバックグランド調査を実施することがわかっ た。業界の専門家によると、労働市場の複雑化を背景に、質の高い人材の確保が困難さを増してきたため、バックグランド調査は人材選別において一つの重要な 参考指標となっているが、当該手段の利用を規範化させる必要があることは言うまでもない。

 朱氏(前出)によると、バックグランド調査は主に犯罪記録調査、学歴?学位証書の認証、職歴調査及び専門資格証書の認証がある。企業は募集職種により調査項 目の選択ができる。朱氏の会社が引き受けた調査案件から見れば、主にIT、金融及び競争の激しい業界に集中している。一方、入社した社員全員を対象とする 調査を依頼した企業もあるが、主に外資系大手企業であり、何と言っても調査は費用がかかるからである。費用は調査内容及び難易度によって異なり、一般的に は1人約1,000元かかる。

 朱氏によると、海外においてバックグランド調査は普及しており、同氏が勤務している会社はこの業務を手がけてから既に5~6年経つ。当初この業務をスター トさせたことも外資系企業の需要を満たすためであった。現在中国国内において、このような調査業務は新興事業とされ、業界の横断的な協会もまだ設立されて いないほか、行政許可?審査に係る政策も存在しておらず、人材サービス会社やヘッドハンティング会社などが調査業務を引き受けている。しかし、朱氏は、当 該調査業務は大きな成長性があると見込んでいる。朱氏によると、依頼された調査案件のうち、求職者により提供された情報に虚偽記載が発覚した案件は全体の約5%を占める。

  周波は上海市にある某外資系IT企業の人事部マネージャーであり、彼女によると、以前勤務した会社では学歴詐称したことを理由に辞めさせられた社員が1人いた。今の会社は慣例に従い、一部低レベルの職種を除いて、ほぼ全員を対象に入社前のバックグランド調査を行っている。