賃金支払いにおける4つの誤解
賃金支払いにおける4つの誤解(2013年4月12日):
●誤解その1 賃金が出来高制の場合は、残業代を支払わなくてよい
蔚さんはある会社と1年の勇気労働契約を結んだ。契約には、「賃金の支払いは出来高制とする」との文言があった。その後、会社側は規定の此后因公司「偽S充足,蔚さんはしばしば残業を求められ、ついには12時間を越えるに至った。会社側はこの場合の賃金支払について、残業代を支払う必要は無いとの見方を示している。蔚さんも残業代を請求していない。
結論:会社は残業代を支払わなければならない。
「賃金支払暫定規定」には、労働者が賃金分もしくは定められた業務を完成させた後、労働者へ法定労働時間以外に労働させたときは、標準賃金の150%、200%及び最高300%の賃金を支払わなければならない、とあります。出来高制で賃金を貰っている労働者が、定められた業務を完成させた後、使用者の命令により労働時間を延長されたときは、上述の規定に則り本人の法定労働時間を越えた部分について、上述の倍数を乗じた賃金を支払わなければなりません。
●誤解その2 業務以外の活動参加には賃金を払わなくてよい
法院の陪審員に選出されたある従業員が、月末に一日分の賃金を控除されていることに気づいた。会社社長を追及したところ、社長は「陪審員への参加は会社の指示によるものではなく、会社の生産的活動と一切関係がない。会社の為に一切の利益をもたらしていないので、賃金を支払うことは出来ない」と回答した。この従業員には、社長の言い分が正しいのか否か分からなかった。
結論:会社は当然、従業員に賃金を支払わなければならない。
「労働法」の規定では、法定休日、婚姻、葬儀期間及び公の理由による社会活動への参加期間について、使用者は労働者に賃金を支払わなければならないとあります。「賃金支払暫定規定」にも、労働者が法定労働時間内に法で定められた公の理由による社会活動へ参加した期間について、正常に労働に従事したと見做し賃金を支払わなければならない、とあります。「陪審員制度」は法に基づく公の社会活動であるから、当然賃金を支払わなければなりません。
この他、「工会法」(労働組合法)の規定では、現場の労働組合下部組織委員会委員が、その活動により生産および業務時間に職場離脱した場合も、公の理由による社会活動への参加に属するとされています。「最低賃金法規定」にある、労働者の法に基づく年次有給休暇、帰省休暇、婚姻または葬儀休暇、出産・育児休暇、計画出産のための手術による休暇など国家の規定する休日についても、法廷労働時間内に公の理由により社会活動へ参加している期間とされ、正常に労働したものと見做されます。
●誤解その3 生産停止期間の賃金は支払う必要がない、もしくは減額してもよい
ある会社の倉庫が火災による被害を受け、操業停止を余儀なくされ、邱さんら31名の従業員は会社より1ヵ月の自宅待機を命じられた。1ヵ月後、出勤してきた従業員は、待機期間中会社から何ら経済的補償が無かったことに気づいた。会社側は、労働報酬は労働に基づくものなので、出勤していない以上、自然に賃金も支払われない、と釈明した。従業員はその無知がゆえに、これを受け入れた。
結論:会社の行いは誤りである。
「賃金支払暫定規定」には、一回の賃金算定周期において、労働者の責に帰さない理由により操業不能に陥ったときは、使用者は労働契約に規定する額の賃金を支払わなくてはならない、とあります。また一回の賃金算定周期を超える場合で、もし労働者が正常な労働を提供したときは、最低賃金を下回らない範囲で労働者に賃金を支払わなくてはなりません。もし労働者が正常な労働を提供しなかったときは、国家関係規定に則って処理します。
本案件の操業停止は会社の倉庫が火災により被害を受けたことが原因であり、従業員の原因によるものではなく、また彼らに正常な労働を提供させることが出来なかったため、これに該当することは明白です。この他、もし待機を命じられている従業員が、企業より当地政府関係機関の規定する生活費の支払いを受けている場合、その生活費は最低賃金基準を下回ってはならない、と規定されています。
●誤解その4 年棒制の場合は年に一度一括で賃金を支払えばよい
王さんは、ある会社と30万元の年棒制による労働契約を結んでいた。ほどなくして、王さんの父親が胃癌と診断され、昨年5月までの治療で王さんはその蓄えを使い切ってしまった。致し方なく、彼女は会社側へ賃金の月払いを要求した。しかし会社側は、年棒の支払いは1年1回であるので、1年の業務を全うして初めて賃金を支払うと言って取り合わなかった。
結論:会社は王さんへ月払いで賃金を支払わなくてはならない
年棒は一人の従業員が一年に得る総収入であり、年間の固定報酬額をもって労働報酬とするものです。このやり方は実質月給制と同じであり、一種の業務奨励制度の体現に過ぎません。
「賃金支払暫定規定」は、賃金は使用者と労働者が期間を定めて支払う、と規定しています。賃金は少なくとも月に一度、週給、日給、時間給のときは其々に合わせて支払わなくてはなりません。上述の規定は、どのような賃金形態であれ、「月払い」または「少なくとも月に一度」支払わなくてはならないことを意味しています。
本案件で、会社側は年棒制を一年に一度一括して、しかも期間を満了して初めて支払われるものだとしていますが、これは年棒制を曲解しているだけでなく、違法な行為です。ゆえに、会社側は年棒制を導入していても、月払いで賃金を支払わなければなりません。
(範本鶴)