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対外貿易データ正常値へ、輸入増加の見通し

対外貿易データ正常値へ、輸入増加の見通し(2013/5/15):

 4月に入り、第一四半期のマクロ経済データが続々と発表されている。4月9日には統計局が物価指数を、4月10日には通産局が最新の貿易統計を発表した。それによると、今年第一四半期の中国貿易総額は6兆1200億元(9746.7億ドル),利率を除いた後の比較で昨年同期比13.4%増であった。うち輸出は3兆2000億元(5088.7億ドル)で18.4%増、輸入は2兆9000億元(折合4658億ドル)で8.4%増、貿易黒字は2705億元(430.7億ドル)であった。昨年同時期の貿易黒字は2.1億ドルであった。

 注目に値するのは単月のデータである。中国税関によると、3月の輸出は同時期に比べ10%、輸入は14.1%それぞれ増加しているが、市場予測はそれぞれ10.5%と5.2%に留まっており、市場予測をはるかに上回っている。この影響を受けて、3月の貿易赤字は8.8億ドルにとどまり、市場予測を実に154億ドル上回る結果となった。

 我々は、3月の貿易データは以前の反発であると見ている。その原因は、1、2月の輸出データの数値が高いにも拘らず、海運の貨物量や輸出港の電力使用量 から、市場は投機資金流入のための裏帳簿作りを行っている企業が、虚偽の貿易価格を申請したとの疑念を抱いたことにあると思われる。しかし3月の輸出量10%増というデータは全くの真実である。これが市場関係者に意外な貿易量の伸びであると感じさせた。前2ヶ月の情勢から、ここ数ヶ月の輸入量が少なすぎ、国内在庫がちょうど底をついた為、単月での取引が大幅に増えたものと思われる。

 但し、このデータから国内投機が大幅に増えたと判断することはできない。3月の貿易赤字の大小は言わば目くらましだが、データ公表後、株式市場も一転下落し、輸入超過が市場への信頼に一撃を与えたことを示した。しかし、US月貿易赤字そのものは差して問題では無く、過去数年にも3、4月は常に輸入超過であったので、それ程大きな影響はないと思われる。

 その後株式市場が反発し、輸入超過という悪材料が消化されたため、結果的に以前と大差無い状況に落ち着いている。全体から見れば、今年度の中国貿易は昨年より好況だが、それが続くということは有り得ず、周りを取り巻く経済環境は依然楽観できないものである、と言える。世界経済が弱々しくも回復基調にある背景の下、中国の貿易が好調なことは、世界経済にとって良い材料である筈である。