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日本式人事管理モデルの中国における挑戦と変遷(1/4)(2013年6月14日)

日本式人事管理モデルの中国における挑戦と変遷(1/4)(2013年6月14日):

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 日本の人事管理モデルは、学者たちの間で常に研究の対象となっていた。その原因の一つは第二次大戦後日本経済が高度成長を遂げたことにより、日本企業独特の人事管理モデルが全世界中の関心を集めるに至ったことである。もう一つはアメリカ式人事管理モデルとの乖離を感じ、距離、文化の近い日本の人事管理モデルの方が中国企業にとって参考になると判断した中国国内の学者が少なくなかったからである。

 中国と日本は同じ東アジアに属し、その文化的源流を同じくする。そのため両者には多くの共通点が多く見られるが、労働市場の環境、社会文化環境等の方面で少なくない違いがある。日本の人事管理モデルは現在の中国において依然強い生命力を持つであろうか?中国企業にとって参考となり得るだろうか?この問題について、我々は在中企業人事管理モデルの考察を通じ答えを得られるのかも知れない。もし在中日系企業が依然として典型的な日本式の人事管理を行っていれば、それが中国の環境にあっても通用することを証する。翻って、もし在中日系企業がて典型的な日本式の人事管理を放棄していれば、それは日本式人事管理が中国の環境にあって困難に直面しており、適応の必要に迫られていることを意味する。

 日本式人事管理モデルの、中国の環境下における変遷の研究は、全世界の人事管理モデルの融合に有益な啓示を与えるだけでなく、中国企業がどのように高い効率性を持った人事管理システムを構築するかという点でも指導的意義を持つものである。

 ② 生活保障の色彩が強い。労働者及び家族の基本生活保障の割合が70~80%を占めており、インセンティブの賃金に対して占める割合はわずか20~30%に過ぎない。

1、日本式人事管理モデル

 人事管理モデルは人材の獲得方法と使用方法の違いから、内部開発型と市場購入型の2つに分けられる。内部開発型とは長期的な養成という視点に立って従業員を扱い、また従業員に企業への忠誠を求めるものである。この人事管理モデルでは従業員のコネによる人事を優先し、従業員に広範囲に渡る訓練を施す。業績考課は従業員のキャリアアップの出発点であり、報酬へはあまり反映されないが、従業員の仕事は高度に保障され、従業員の会社の方針策定を重視する。市場購入型人事管理モデルは短期的交易の観点から見た雇用関係で、通常外部からの招聘が主であり従業員への訓練は少なく、業績考課は結果主義であり個人の業績に基づき報酬が支払われる傾向にある。

 日本式人事管理モデルは、内部開発型の代表であると目されている。参考文献の研究と在中日系企業人事管理の訪問調査を元に、次号より日本式人事管理の特性を列挙しようと思う。

 (次号へ続く)