【寄稿】「二類本科生」を捨て、「高等職業学校」で学ぶ---受験生の反転現象(2013年8月20日)
今年の大学受験では、ある興味深い現象が起こっています。一部受験生が「二類本科生」を捨て、高等職業学校への進学を選択するという現象が上海電視台の番組として取り上げられ、市民の話題を呼んでいます。
受験生は何故第二類本科生として進学せず、高専や高等職業学校の専門科に進学しようとするのか?筆者は、これには2つの要因が挙げられると考えています。一つは就業で、もう一つは待遇です。
統計によると、一部「二類本科生」専門課程卒業者の就職率は高専や高等職業学校の卒業生に及ばず、終にはある専攻科において中等職業学校の卒業生にも及ばなかったのです。これは社会が理論を理解し、実践できる技能を持った人材に欠けていることを現しています。今年の大卒者の就業市場には逆転現象が起こっており、本科生や研究生の求職状況が冷え込んでいる一方で、職業学校卒業生の求職状況は活気を帯びている、という状況が続いています。
中国職業技術教育学会の発表した「2012年中等職業学校学生発展と就業報告」によれば、2007年 2011年、我が国の中等専門学校卒業生の就職率は常に95%以上を保っている一方、マックス研究所の調査データでは、今年本科卒業生の労働契約締結率は38%で、上四半期に比べ8ポイント下落していることが分かりました。
職業学校卒業者が社会で歓迎されるのは、彼らが在学中「5つのリンク」を既に間名で居るからです。それは、専攻と企業職位とのリンク、カリキュラムと職業資格とのリンク、授業と生産過程とのリンク、卒業証書と職業資格とのリンク、職業教育と生涯学習とのリンクを指します。
これら「5つのリンク」による人材育成モデルは、卒業生にふさわしい進路を提供し、就業率を高める役割を果たします。これが一部学生の二類本科生放棄と職業学校への進学を促しているのです。
2つ目の原因は待遇です。ここ数年、職業学校卒業生の賃金福利待遇は、本科生のそれをも超える傾向にあります。初任給の水準、専門合致率、就業後の安定性及び将来性は、就業の質を見る上での4大指標です。これらの指標のうち、初任給の水準は最も直接的で明確かつ注目を集める指標です。
教育部主催の職業学校技能大会閉幕日には、国内外の著名企業が大挙して押し寄せ、人材を捜し求めました。ともすると、月給6000元の職位を求める企業も少なくなかったようです。
ブルーカラーの収入がホワイトカラーに逼迫し、終にはホワイトカラーを超えていく。これが国内の新たな趨勢であり、グローバル化における普遍的な現象なのです。
このことから、オーストラリアのブルーカラー澳大利哢ンф・H人不差ア煤B最新統計データでは、オーストラリアで働くブルーカラーの賃金は毎週1229オーストラリアドルで7000元強に相当し、同ホワイトカラーの1085オーストラリアドルはそれよりも低いのです。もしあなたがオーストラリアの中華圏で、彼はオフィスで働いていると聞けば、彼はそこそこの生活を送っているでしょう。しかしもし彼が建築や舗装工事、トラックの運転手をやっていると聞いたのなら、彼は基本的にプール付きの一軒家を構えているはずです。
日本のブルーカラーの収入も低くはありません。全体的に見て、日本はブルーカラー、ホワイトカラー共に収入にそれほど差はありませんが、一部ブルーカラーの収入はホワイトカラーのそれより更に高く、特に高い技術を持つブルーカラーの収入は非常に高額なのです。日本においては、高級技術職人のブルーカラー全体に占める割合は4%前後ですが、彼らは技術を磨き、日本の製造業を支えてきたのです。ある小企業に至っては従業員こそわずか十人にも満たないですが、世界で唯一無人の部品や商品を製造しています。同社の部品は日本やその他の国々の自動車、飛行機、軍事兵器に広く取り入れられ、その供給が止まると生産過程の全てが止まってしまうほどです。ゆえに、日本のブルーカラーの収入は決して低くなく、社会的地位においても大変尊重されています。
イギリスのブルーカラーは時間給制で、その収入はかなりのものです。データによれば、国家職業資格証三級の技術者で、平均年収が2.4万から2.6万ポンドに達するのに対し、イギリスの大学本科生の初任給は2.5万ポンドに満たず、それほど優位である訳ではありません。
ドイツのブルーカラーの収入も高額です。ドイツにおいては、固定職自由職にかかわり無く相応の職業訓練を施され、また見習いとなり、その期間は3年かそれ以上に及びます。なので、ドイツの人件費コストは比較的高く、特に手工芸や技術者に対しては時間給で賃金が支払われます。蛇口の交換や雨漏りの修理を依頼すると、普通に3桁のユーロを支払うことになります。
まとめると、「就業」と「待遇」の2つの原因によって、ここ数年来ブルーカラーの職業は学生を惹き付けており、一部学生の「二類本科生」放棄と高等職業学校への進学は十分に理解できるものである、と言えます。