【政治経済】尖閣諸島問題の在中日系企業への影響は未だに持続している(2013年9月22日)
2012年9月11日の、日本政府による尖閣諸島国有化は、中国各地で激しい反日抗議活動を引き起こした。
8月22日、日本経済新聞社がまとめた「在中日系企業アンケート調査」によると、日中関係悪化により業務に影響を受けたと答えた企業が7割に達した。具体的には、「売上が減少した」が72%で最も多く、次いで「新規顧客開拓が停滞した(41%)」、「公的機関や国有企業との業務が困難になった(24%)」となっている。影響を受けた企業のうち、中国での売上げについて40%の企業が「問題発生前の水準に戻った」と回答し、20%が「問題発生前を越えている」と回答しているが、30%の企業は未だ以前の水準を回復できていない。特に自動車等の消費財や小売、旅行等のサービス業で顕著に回復が遅れている。
中国の反日感情について、「問題表面化前の状態に戻った」と答えた企業はわずか11%で、65%の企業が「徐々に収まりつつある」と回答し、依然反日感情への警戒心を保持し続けている。また「依然として厳しい情勢にある」と回答した企業は17%に達している。
眼前の中国経済の情勢については、「経済成長速度が鈍化している」と答えた企業が74%と最も多かった。2013年下半期の中国経済動向予測について、8割を超える企業が現在の水準を維持するか微減との見方を示した。
しかし日本企業の、中国が戦略拠点であるという観点に変化は見られない。反日感情の高まった2012年9月-10月、日本車の売上は30%-50%減少したが、2013年春季以降、ある月で前年同期の水準を越える売上を記録している。
新日鉄住友金属は、中国に自動車用の高級板金を生産する合弁工場の建設を計画している。また三井不動産が上海に同社初の海外商業施設を建設するなど、日本企業は中国という巨大なマーケットを積極的に開拓しようとしている。今回の調査で、今後の中国での生産販売拠点について60%が「以前と変わらない」と回答したが、規模の拡大を検討もしくは開始していると答えた企業は30%近くに及んでいる。