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2013 CHINA HUMAN CAPITAL FORUM(2013.9.6)」のご報告(2013年9月23日)

去る9月6日、浦東上海新展覧中心横の嘉里大酒店において、「2013 CHINA HUMAN CAPITAL FORUM」が開催され、≪日系企業分科会≫を上海中智日企人力資源管理諮詢有限公司が、運営担当致しました。 

 先ず、中智上海経済技術合作公司の王副総経理より主催者挨拶、中智グループの日系企業に対する期待値の高さと、今後更に積極的にアプローチする旨の表明、ヒューマンリソースの商品開発と日系企業向けアレンジ、「人力資源アウトソーシング相互プラットフォーム」の導入など世界の最先端を目指す活動の紹介とともに負け知らずの共同歩調を呼び掛けました。

 次に、在上海日本国総領事館領事(総務・経済・政治部長)の石川勇様から、中国経済の現状の把握は簡単ではないが、領事館ではマクロ経済分析スタッフが日々経済分析を行っており、日本企業の方々との意見交換にも積極的に応じたい。中国人の個人訪日観光査証の発給数の急拡大(5か月連続過去最高)や、最近の九州から中国への木材輸出の急伸が示すように、中国ではライフスタイルの変化や法制度等の変化から、大きなマーケットとビジネスチャンスが生まれており、日中間のヒト・資金・物資の流れを更に太くするべく、総領事館として引き続き日本企業のビジネス活動を支援していきたいとのご挨拶が行われました。

王副総経理挨拶
王副総経理挨拶

石川領事来賓挨拶風景
石川領事来賓挨拶風景

 

 ■講演では、最初に、弊社中智上海経済技術合作公司ジャパングループ代表の張俊から「在中国の経営利益確保にあたる考察」、というテーマの講演が行われました。

 ■要約

 <「中国経済が縮小時期に入っているので、国有企業は3~5年の厳冬期を過ごす覚悟をしておくべきである」というショッキングな中国国務院国有資産監督管理委員会の通達の紹介からスタート。中国における経済環境の変化(法改正等による労働力コストの上昇、税収コストの上昇、為替問題、労働力の減少等)を詳細に説明、これらの変化によって、厳しい経営のかじ取りを余儀なくされている日系企業に向けて、これからの舵取りのヒントを紹介。

 経営目標の再評価と利益確保のポイントとして、中国マーケットへの更なる積極的な取り組みによる売り上げ増、また経営資源としての人的パフォーマンスの向上が、コストを削減し経営強化の最大の要素となることを紹介。これまでは外資企業への人的供給源となってしまっている日系企業優秀社員の流出を防ぐためにも、人力資源管理改革にメスを入れ、満足度調査などから社員の意識を再認識したうえで、評価制度、報酬奨励制度、職責の明確化などを重要視した人事制度の見直しを訴えかけた。

 次に、KPI考課制度導入の紹介、成功事例の紹介をし、これからも、中智グループの日系企業向け窓口として、上海中智日企人力資源管理諮詢有限公司が、在中国日系企業のマンパワーのコンサルティングを行っていくこと、また、「中智日系企業人力資源倶楽部」を昨年5月から発足、日系企業が抱える人事・労務問題の情報共有と問題解決、更には日系企業同士の親睦と情報交換を行う場を設けていることを紹介し、講演内容とした。>

弊社張総経理講演風景1
弊社張総経理講演風景1

弊社張総経理講演風景2
弊社張総経理講演風景2

 

 ■続いて日中経済協会上海事務所長・横山達也様から「中国の現状と今後に向けて」、というテーマの講演が行われました。

 ■要約

 <要約:日中経済協会の成り立ち紹介、現在の中国の政治体制の紹介からスタート。最近の動きとして、7月1日外国人入境出境管理条例の施行による、外国人へのビザ発給体制の変化(ビザの種類増、不法滞在・不法就労の罰則明確化、雇用者への罰則、再入国禁止措置(最長10年と明文化)、外国人の出国禁止措置(民事事件も対象)、指紋の採取(実施は未確認))の紹介と、その発給に3営業週間(15日間)が必要となり、この間の海外渡航の不可、国内出張に不都合が生じることへの注意を促した。

 また、現在の日中関係を考慮した危機管理体制の構築を提案。日中間の基本的な数字、中国各地の経済状況、労働者人口の減少、中西部・東北部の発展を、地区別の経済指標のデータを用いながら、細かく解説し、中国の変化を伝える。

 また、今後に向けて、所得倍増計画、現在の中国が抱える問題の抽出、主要政策方針の発表から見える今後中国が目指す方向性の確認、2013年の取り組み、重点分野の紹介、所得分配制度改革、リコノミクスといった動きを紹介。

 最後に、今後最も大きなテーマとなる、都市化及び高齢化社会、省エネ環境への取り組みについて紹介、ここに日本からのビジネスチャンスが存在することを指摘。マクロ視点の中国の変化がわかりやすく紹介された。>

横山日中経済協会上海事務所長講演風景1
横山日中経済協会上海事務所長講演風景1

横山日中経済協会上海事務所長講演風景2
横山日中経済協会上海事務所長講演風景2

 

 ■最後に、三井住友銀行(中国)有限公司企業調査部長・西田篤様から「中国経済の現況と今後の見通し」というテーマの講演が行われました。

三井住友銀行(中国)有限公司西田企業調査部長講演1
三井住友銀行(中国)有限公司西田企業調査部長講演1

三井住友銀行(中国)有限公司西田企業調査部長講演2
三井住友銀行(中国)有限公司西田企業調査部長講演12

 

 今年に入り、世界経済の低迷で経営環境が厳しくなりつつある中国経済において、中国政府からは内需拡大の号令の下、労働法改正など、雇用及び給与の環境も、企業経営をさらに圧迫します。今回、人事労務の観点からのフォーラムということで、極めて関心も高く、満員御礼の申し込み数、キャンセル待ちとなる中、当日約300名の参加を得、成功裏に終えることができました。 この場をお借りして、御礼とご報告申し上げます。