ホーム > HRニュース > 中国HRニュース > 【政経】中国サービス貿易赤字拡大の責は政策にあり、産業にあらず(2013年12月25日)

【政経】中国サービス貿易赤字拡大の責は政策にあり、産業にあらず(2013年12月25日)

【政経】中国サービス貿易赤字拡大の責は政策にあり、産業にあらず(2013年12月25日)

 中国サービス貿易赤字が拡大の一途を辿っている。商務部が12月3日に発表した商務業務年末総括で明らかになったところによると、今年前三四半期、中国のサービス貿易輸出入総額は3905億ドルに達し、13.4%増となった。うち、輸出と輸入はそれぞれ6.8%、17.8%増となっている。貿易赤字は977億ドルで、同比39.4%に拡大した。前三四半期のサービス貿易赤字は、2012年の総額を上回っている。ここ四年間、中国のサービス貿易赤字は年を追って拡大している。2012年の中国サービス貿易赤字は897億ドルで、昨年同時期に比べ1.6倍も増加した。赤字は主に運輸、旅行、保険、著作権使用及び特許の領域に集中している。注意しなければならないのは、三中全会以降、中国のサービス業は自由化に力を入れてきたことである。

 商務部スポークスマン沈丹陽氏は11月19日、金融、教育、文化、医療等のサービス業を重点に置き、逐次自由化を推進していく。幼児教育や介護、建築設計、会計審査、貿易物流、電子商務などの領域を自由化し、グローバル企業の中国本部、研究開発センター、仕入基地、財務管理センターなど機能的機関設立と、外資による科学技術仲介、インキュベーター、産業センター、技術交易市場など公共サービスのプラットフォームを建設したい、と述べている。現在中国における外資サービス業の使用率は、実際において半数程度を占めている。あるデータによれば、1-10月サービス業に費やされた外貨総額は498.12億ドルで昨年同比13.93%増となっており、全国総量に占める割合は51.34%に及んでいる。また2012年1-12月、サービス業の実質使用外貨額は18.4億ドルで、全国総量の48.2%に達している。2012年中国サービス貿易額はアメリカとドイツに次いで世界第三位であり、年平均12.3%の速度で伸びてきている。ANBOUNDシンクタンクの識者は、中国がこのようにサービス業市場を開放することは市場の壮大な発展に確かに寄与するものであり、生産的サービス業は中国国内製造業のランクアップを促すだろう。これらの要素を考慮すると、もし国内投資者の観点から見ると、サービス業の赤字は更に拡大し、中国サービス業成長の弱さを反映することになる。これについてさらに検討すべきなのは管理部の政策である。外国に対する投資政策は金融企業の海外進出・投資政策の遅れを含め全て相関しているからである。

 注目に値するのは、中国がWTOに加入する前、多くの人は中国の製造業等多くの産業が大きな打撃を受けると予測したが、10年が過ぎ、中国が最大の利益国となったことだ。サービス業の開放もこれと同じように、中国人の勤勉さとイノベーションが中国サービス業の世界的地位を確立するだろう。このような考えは、中国の中米、中欧自由貿易への参加と投資自由化交渉、新サービス貿易協定(TISA)交渉などに見て取れる。ただ市場を開放するだけなどという事は、決してあり得ないのである。