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【寄稿】半数以上の上海籍卒業生が未就業に(2014年7月23日)

【寄稿】新卒生は仕事選びに賃金福利を重視する -- 半数以上の上海籍卒業生が未就業に(2014年7月23日)

     近日、国家統計局上海調査総隊はアンケート調査及び討論会により、就業に関する意識調査を行った。調査は上海交通大学、華東師範大学、上海立信会計学院、上海理工大学、上海東海職業技術学院等11校を対象に行われ、同時に457名の新卒生を持つ保護者へのアンケート調査を行った。

    一、賃金と福利待遇を最も重要視

     就業時に考慮する各項目に対する重要度を見てみると、仕事を決める上で「賃金と福利」を重視する新卒生の割合は77.1%に達している。続いて「成長力」を重視する新卒生が69.3%と、この二つの要素だけで全体の三分の二を占めている。更に、「就業場所」「興味、適性の一致」「企業内の空気」がこれに続き、それぞれ40.9%、38.8%、31.9%を占める結果となっている。戸籍差別が無いことを重視する新卒生の割合は9.8%に留まった。また保護者への調査では、回答者の78.3%が「賃金と福利」を最も重視すると答えており、こちらも「ハード面」を最も重く見ていることが分かった。

    二、半数以上の上海籍卒業生が未就業

     上海籍卒業生の半数が進路未定の状態にある。この主な原因は就業準備が遅く、7割近くが卒業まで一年を切って準備を始めており、また一割強の上海籍卒業生がほぼ何も準備しておらず、一年前における就業準備率は非上海籍卒業生を100%とした場合、57%でしかない。また、上海籍卒業生の傾向として機関事業単位(38.1%)、国営企業(25.4%)への就職を希望しており、また97.3%が上海での仕事を希望しているので、上海籍卒業生の就業希望先が集中し狭き門となっている。保護者から見ると、子供の「安定志向」に魅力を感じており、国有企業への就職も「旨味がある」と思われている。上海市での就業を望む保護者は、実に70.7%に及んでいる。

    三、民間、私営企業の新卒生受け入れ能力が最も高い

     調査では、卒業生の34.7%が民間及び私営企業への就職を決めており、以下国有企業が28.4%、外資系企業が19.4%、政府及び行政機関が13.7%、その他3.8%と続く。民間及び私営企業は主な就業先としての力量を持っている。それぞれの特徴を見てみると、民間及び私営企業へ内定した者には大学生が多く(10.9%)、国有企業には理工系学校出身者が多い(21%)。外資系企業では有名大学の学生が多く(13.3%)、機関事業単位では大学院生の割合が最も多い(9.9%)。

    四、賃金の理想と現実の差は千元近く、六割強の保護者が経済支援を行う

     内定の出た卒業生の賃金については、今年上海市新卒生の実質月額賃金(税込)は平均約4400元で、昨年と同じ水準を保っている。調査データを元に算定すると、今年の新卒生が望む賃金は月平均約5300元(税抜)であり、新卒生の理想と現実の間には千元近くのギャップがある。保護者視点では、子供の長期的キャリアアップを考慮して、63.9%の保護者が卒業後も経済的支援を行っていくと回答している。その主な要因は、就学から就職への過渡期のストレスを軽減するため、一定の経済的支援を行いたいとする意見が38.7%を占め、以下経済的に余裕があるため子供の生活を楽にしたい、という意見が28.4%、収入が子供の生活維持に不足しているから、という意見が23.4%を占めていた。また、子供の自立のため経済的支援を行わないとする保護者も、36.1%を占めていた。

     撰稿:何愉    データ元:国家統計局上海調査総隊