【判例】自主退社した労働者に対しても未取得年次有給休暇を買取らなければならないか?(2015年1月14日)
【判例】自主退社した労働者に対しても未取得年次有給休暇を買取らなければならないか?(2015年1月14日)
案例:
2012年初め、38歳になる李さんは上海の某不動産会社の北京使者に赴任し、とある部署の経理職を担当していた。しかし李さんは業務において思慮に欠ける行為を頻発させており、表面上は特に問題とならなかったものの、それは郭総経理の警戒を引き起こすこととなった。李さんは自身の定義に対し郭総経理が慎重な対応をするにつれ、郭総経理が故意に自身へ難癖をつけていると思うようになっていた。2012年10月初め、李さんの提議は再び郭総経理により否決され、李さんはその場で辞職してしまった。会社側は、この辞職を認めた。李さんは離床手続において、2012年度に未取得だった年休に相当する賃金の支払いを求めたが、会社側はこれを認めなかった。
李さんは、自身の勤続年数が既に十数年間に及んでおり、10日間の年次有給休暇は法で定められた労働者の権利である。業務により年休が取れなかったとき会社側より代替賃金の支払いを受ける権利は、労働契約の終了によって失われるものではない、と主張した。会社側は、離職は李さんが自身で選択したものであり、会社側には何ら瑕疵が無い。もし李さんが離職しなければ、繁忙期外で李さんに年休を取らせていた。会社側は李さんの休暇取得を制限したことはなく、李さんが休暇取得を放棄したものであるから、会社側は未取得年次有給休暇について代替賃金を支払う必要は無いと主張した。
争点:
労働者が自主退社した場合、使用者は未取得の年次有給休暇について代替賃金を支払わなければならないか?
分析:
年次有給休暇と労働契約の終了形態は無関係
「企業職工年次有給休暇実施弁法」第12条には、使用者と労働者が労働契約を終了及び解除した際、労働者が当年度に取得すべき年次有給休暇を取得していないときは、当年度既に業務を行った時間を元に未取得年次有給休暇の賃金を支払わなければならない、とある。使用者は労働者の労働契約が解除及び終了したとき、未消化の年休があるときは、労働者の当該年度の労働時間を基にして算出した日数分の年休に相当する賃金を支払わなければならず、この条項は労働契約解除が使用者によって為されたものか、労働者によって為されたものかを区別していない。つまり、労働契約の終了及び解雇の原因が誰にあったとしても、ただ労働契約の終了をもって、使用者に労働者への未取得年次有給休暇分の賃金支払い義務が生じるのである。年次有給休暇時に支払われる金員は賃金であるため、時間外手当のように、労働契約終了の要因が労働者にあっても、使用者はこれを支払う義務を免れ得ないのである。
年休は本人の申請を必要条件としない
法律上、年休取得は本人の申請を必要としておらず、むしろ使用者側が自身の業務状況を鑑み年休を手配する義務を負っている。李さんは2012年10月に辞職を申し出たので、その未取得年休日数は10/12x10=8日となる。李さんが年休を取得していないことは、決して李さんがその権利を放棄したことにはならないのである。ゆえに、会社側は李さんへ8日分の年休に相当する賃金を支払わなければならない。
提議:
「職工年次有給休暇条例」の実施後、未取得年休処理の問題は企業HRにとって解決を待たれるものであった。年休を買い取るか翌年度へ繰り越すかの選択は、企業HRを大いに悩ませるものであり、従業員の年休取得管理はその争いを避ける上でも非常に重要なものであったからである。
使用者側としては、まず就業規則に合法的な年次有給休暇制度を定め、年休取得の手続や疾病休暇との兼ね合い、未取得年休の処理について明確にしておくことが重要である。次に、経営及び業務状況を踏まえて、年度始めに各従業員の年休を手配しておき、これを実行しておけば、以降未取得年休について労働者がこれを放棄したか、使用者が年休を取らせなかったかという問題が発生したとしても、責任を明確にでき問題を容易に解決できる。結果として、使用者側に不必要な損失を生まずに済むこととなるのである。
寄稿 --- 中智HR 法律諮詢部