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【寄稿】人的資源管理の「健康診断」(2015年1月29日)

 長生きは皆さんが目指す目標です。そのために、自分の生活習慣の改善に努め、定期健診を通じて自分の健康水準をチェックし、問題が見つかればすぐに治療を行います。企業の人的資源管理の分野でも同じように考えてはどうでしょうか?実は、私たちは人的資源管理においても、健康管理の維持と同じように良好な戦略と行動に加え、定期的な検査と是正が必要であると分かりました。

 一、人的資源管理における健康水準の見分け方

 企業の人的資源の健康問題を管理する上で、私たちは常にどうすればよいか分からない訳ではありません。企業を悩ます実際の問題は、①管理が有効か、②異なる管理戦略が、現在その企業が直面する問題に対応できるかどうか、③管理方法と行為が直面する管理困難な環境を改善する助けになるかどうかが明確でない事かも知れません。

 これら困難な環境が生じる主な原因は、企業は常に変化しており、そして段階が異なれば、テーマが異なり、また問題も異なることです。

 人的資源管理の対象は常に変化しており、人的資源の健康を維持診断する方法も普遍的で有効な方法は存在しません。私たちは、変化の中で管理を再識別し調整する事の重要性を認識する必要があります。

 私たちは、人的資源管理における様々な問題に対して正確な対策を採用しているかどうかという様な問題を重視して常に振り返る必要があります。本当に有効な方法は、内部の議論や、これまでの経験や学習した事に基づいて、企業の喫緊の管理問題に関して、臨機応変にチェックして示すことです。つまり「企業管理ツールとソリューションは不変のものではなく、企業の現状と密接に関連するものである。」といえます。

 もちろん、自社が直面する問題解決に足りる方法と手段を持ち、自信を持って提示できる企業もあります。例えば、従業員満足度/業務意欲調査、あるいは人的資源管理コンサルティング会社の力を借りる事も悪くない方法と言えます。

 しかし、伝統的な方法で本当に十分有効と言えるのでしょうか?従業員の発想は下から上を見たもので、管理効果があるかどうかという面の問題は反映できますが、しかし管理問題の背後にある原因まで見通すことは出来ません。管理コンサルティングはもちろん全方位、上から下、下から上へと問題を点検しプランを提供します。しかし、第三者が十分に企業を理解できるのか、そしてこの方法に必要とする企業資源(つまりコスト面)も考慮しなければなりません。

 企業にとって本当に必要なのは、正しい方法を探し出して管理効率を向上させるだけではなく、どの様にシンプルかつ有効に人的資源の健康水準を管理するかということです。

 「やるべき時に、やるべき事を」がとても重要です。これは、私たちが人的資源の健康水準を管理する上での基本方針であり出発点であります。

 二、人的資源管理の健康水準をコントロールするには

 第一歩として、動態と言う角度から人的資源を扱い、人的資源管理現象の意義を再認識します。企業が成立してから衰退し変革するまで一つの周期運動と捉え、その周期を「創業期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の四つの異なる段階に分類しました。私たちは、これらの差異を直視し、理解することで、ようやく正確で有効な管理を行う事ができます。

 健康管理の第二歩は、人的資源業務の全面的な理解です。私たちが提唱する人的資源管理の考え方は、人の管理だけでなく人の活動や役割を発揮させる環境を考慮します。つまり人的資源の業務対象は人、環境及びその相互の管理と言えます。

 次に、人的資源管理の役割は、いわば、(会社を)管理するという役割から(会社を)成長させるという役割へ縦方向に高度化させるプロセスだと考えます。この中で、人的資源の役割を「基礎服務層」、「管理開発層」、「戦略資源層」の三つの層に区分する事が出来、それぞれの層で人的資源における問題解決の方法が異なります。つまり、「行う」から、「何を行うか」、そして「どの様に行うか」に区分し、各層ごとの考え方と対応は全て積極的な意味があります。

 健康管理の第三歩は、管理のキーワードを探し出します。前述したように、企業の生命周期の中で、異なる段階のテーマには差異があります。私たちの管理コンサルティングの経験から、人的資源を異なる周期の中の中核的なテーマにまとめました。

 健康管理の第四歩は、管理表を作成します。これまで述べてきた多くの動的概念や、人的資源の問題の再認識は、「どの様に行うか」という問題に焦点を当て、一覧表と行動計画から解決する必要があります。いかにより有効に管理問題を識別するか、私たちは、モジュール――次元――要点管理――ポイント制御、の各段階に分類した一覧表を考えました。これは各段階で重なり合いながら徐々に、細分化するプロセスです。

 そのほかに、改善計画は何をすべきかだけではなく、明確な目標及び重要度と緊急度の区分も必要です。改善計画が有効かどうかの評価も行わなければならず、同様の評価方法で同じ評価ポイントの改善前後の比較評価を行い、改善計画が有効に実施されているか検証します。

 三、スピード健康診断と健康改善計画の明確化

 まず初めに、生命周期に基づいた一体化した診断を行います。この一体化とは、これまで紹介した人的資源の認識についての一体化だけでなく、私たちが提供するサービスの一体化も含まれます。標準化プロセスと方法の設定を通して、一度の情報収集でフレキシブルな組み合わせの管理を提案する事ができます。

 第二に、私たちは、適切な時間に正確に行うという方針を徹底しています。有効な診断は企業の負担が少なく、かつ調査の精度と有効性を損なわないものでなければなりません。私たちは、人的資源管理の理解を九つのモジュールとする方法論に濃縮し、問題とプロセス調査の基準を作りました。

 第三に、調査結果を更に明確化するため、人力資源健康管理指数というものを設計しました。数値の形式で、人的資源の健康レベルを表示します。

 指数を通して、どの部分が比較的良好か、どの部分の改善が必要か一目瞭然で理解できます。識別を便利にするため、指数を健康、やや健康、不健康に区分けし、棒グラフで表し、企業の改善作業の優先順位を導きます。

 もちろん、指数は、程度と問題の所在を表示するだけで、私たちがより関心を持っているのは、どの様に改善するかという事です。これは、私たちの一貫した考え方で、どこかに問題がある以上、それを管理業務の対象とし、明確な改善計画を提出します。これにより、問題、改善計画のポイント及びその後の管理の健康維持の制御へと繋がっていきます。

 このほか、私たちは、管理の改善目標を明確にし、行動の目標性と妥当性を高めるため、判断基準とするデータに対し、詳細な解説と外部ベンチマーキングの状況を提供します。

 さらに、改善作業の有効性、効率性の考えを徹底するため、これらの作業についてITを通して実現する事に力をそそぎ、有効な情報化手段を用いて人的資源の管理レベルを向上させます。一方で企業ツールの提供、セルフチェック、企業資源の効率化の目標を達成でき、もう他方で、プラットフォームを通して私たちのコンサルティングの経験と知識を有効に移行します。

 ここでご紹介した「人的資源の健康診断」という新しい考え方と知識は、人的資源管理の効率とコスト削減の有効なツールになることをお約束します。


   寄稿——中智人力資源管理諮詢有限公司 業績報酬及び人的資本コンサルティングセンター