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「課長塾IN上海」第7期【実践編】開催レポート(2019年11月28日)

报告文(中文)

 中智上海経済技術合作有限公司と日本経済新聞グループの日経BPが共同で研究開発した「課長塾IN上海」第7期【実践編】が、11月25日、26日の日程で中智上海研修センターにおいて成功裏に開催されました。


 開催に先立ち、中智上海経済技術合作有限公司日本企業倶楽部・智櫻会部長の馮串紅が主催者を代表して挨拶をしました。馮部長は、「在中日系企業は現在、もっとも大きな課題は人材です。管理職人材の課題では、駐在員のマネジメント力の向上と管理を任せられる中国人マネジャーの育成というふたつの課題を抱えています。これらの課題を解決すべく、中智は中国人的資源サービス国有企業として、日本最大の経済メディアである日経BPと提携し、「課長塾IN上海」の研修プロジェクトを共同で開発しました。既に第6期まで展開しており、参加者169名超え、好評いただいています。二日間の研修を通じて、部下の指導法と業務分配のテクニックを十分に学んで頂けることを期待します。」と述べました。


 続いて日経BP中国 総経理の長谷川直樹氏が、受講生の皆様に対し日本の管理職研修事業について紹介しました。「課長塾」は日本で10年前にスタートし、これまで三千名を超える、日本各地の企業の優秀なミドルマネジャーを養成してきました。この貴重な2日間、よく学び、よく交流して頂きたいと述べました。


 挨拶の後、日経BP 経済メディア販売部長、「課長塾」塾長の石塚健一朗氏がオリエンテーションを行いました。オリエンテーションでは各受講生に「これまで仕えた上司の人数」や「自分のリーダースタイル」についてグループごとにディスカッションしてもらい、受講生の皆様にごく少数のマネジメントスタイルしか見ていない事を理解し、自己を認識し、自分のリーダースタイルの特徴について考えてもらいました。


 「課長塾IN上海」第7期【実践編】は二日間の日程で開催し、一日目の講義は石田淳先生が、二日目の講義は鳥原隆志先生が担当しました。

 初日の研修では石田先生が行動科学の視点から、有効な部下指導法について受講生たちと検討しました。石田先生は、行動科学による部下指導法では、上司と部下の相性、直感や経験に頼らずに、部下が効果的に業務において成長し進歩することを助ける事ができると述べました。


 簡単な例として、ペットボトルの水をコップに注ぐ行動を例題に、普段自分が当たり前に出来ている行為を、分からない人にプロセスをうまく伝える事の難しさを認識しました。部下へ指示を伝える際も同じく、管理者にとっては言わなくても分かる事であっても、部下にとっては分からないのかも知れません。多くの場合、部下はやる気がないわけではなく、それが手に余ると感じ、単に具体的なやり方が分からないだけなのです。



 ミドルマネジャーとして部下を指導する際、目標を多くの具体的なプロセスに細分化し、部下を一歩ずつ所期の目標に到達するよう導けば、それほど大きなギャップは現れないでしょう。また、一つの技能は50回の反復練習があって初めてできるようになるものです。指導効果の強化と持続には、部下へ反復練習の機会を与える必要があります。



 石田先生は更に、具体的な部下への指導方法の他、感謝や承認、帰属感や一体感、成長機会や具体的な指示などにより如何にして部下へ金銭以外の奨励や激励を与えるかについて解説しました。


 二日目は、鳥原先生から「インバスケット」による難題の解決方法を学びました。


 「インバスケット」とは、1950年代に教育訓練の成果を測るためにアメリカ空軍によって開発されました。このメソッドは、例えると、未処理案件が入っている籠かから、制限された時間内に優先順位を決めて、仕事を効率的に処理する方法です。


 「インバスケット」の基本概念を説明後、受講生に対し「インバスケット試験」を行いました。これは、ある企業の管理職になりきり、特定の環境下において、1時間以内に多くの案件を処理するというものです。1時間の緊張する試験の後、鳥原先生は処理結果について詳細な分析を行いました。時間に限りがあり、全てに最善を尽くせない状況下においては、優先順位の決定が重要になります。大量の案件を処理しなければならない中では、一握りの重要案件が大部分の案件に決定的な影響を与えます。限られた時間内に20%の重要案件を高いクオリティで完了できれば、80点以上を取ることができます。それでは、案件の優先順位をどの様に決めればよいのでしょうか?鳥原先生の方法は、案件を「重要度」と「緊急度」の2つの指標を用いて4象限に分類して判断します。



 このほか、鳥原先生は問題の識別、情報収集、対策策定の要点、利害関係者との意思疎通などの具体的な方法について詳細に解説しました。受講生たちは「インバスケット試験」で分析された優先順位の最も高い案件について、活発な議論を交わしました。この様な観点からの議論と先生の批評は、受講生たちの問題解決能力をさらに高めたことでしょう。




 今期の受講生たち製造業、販売貿易業、金融サービス業、ITサービス業、ハイテク電子メーカー等異業種より総経理、副総経理、部長、課長等日中管理者に参加頂きました。

 また、上海の日系企業のみならず深センや合肥など全国各地の支社からの参加者も見られました。各業界各地方からの参加者が「課長塾IN上海」第7期に一斉に集い、各々が業務における困難を解決するべく、情熱をもって共に学び、活発に議論し、非効率で忙しい業務環境としないための実践における突破口を探求していました。

 二日間のカリキュラムを終えた後、26日夜には会場で修了式が開かれ、祝杯を揚げた後、皆で「課長塾IN上海」第7期【実践篇】の成功を祝いました。続いて日経BP中国の長谷川総経理が参加者たちへ修了証を手渡し、修了証を持って記念撮影を行い、壇上で感想を述べていただき、今回の研修を高く評価するひと幕も見られました。受講生たちは皆、課長塾で学んだことが実際の仕事に生かされ、効率の向上と大きな成果の獲得につながると確信していました。今後の仕事で実感したこともまた、深く探求されていくことと思われます。



 二日間の研修を終え、智櫻会から主催の日経BPと中智日本企業倶楽部の代表者にインタビューを行いました。

 両者のコメント:今回で7回目を迎え、日本であれ中国であれ、ミドルマネジャーの課題は共通しており変わらないという事を益々強く感じました。

 日本の課長塾の名前の由来は、日本では課長職というのは非常に重要で、具体的な意思決定者とし名前を付けました。この点、中国と少し認識に差があると思います。

 課長塾の目的は、良い課長や良い管理職を育成する事ではなく、将来の経営者、社長を育成することがテーマであり、課長塾はその第一歩であるという事を、中国の皆様にもぜひ理解していただきたいと思います。中国の人材は日系企業においても大きな課題です。日系企業にとって一番の課題である人材の問題を解決するため、三年半前に純日本式の研修である課長塾を中国に導入しました。そして今回の第7期までに169名が受講しました。

 今後も引き続き課長塾を発展させ、上海以外の地域での開催や、日本語以外の多言語化をし、より多くの日系企業の人々が参加できるようにしたいと考えています。