企業年金Q&Aコラム(二)(2022年9月6日)
会員企業各位
「企業年金Q&Aコラム」をご覧いただきありがとうございます。前回は、企業年金とは何か、企業年金制度設立の前提条件、企業・個人の拠出割合などについてお伝えしましたが、今回は、企業年金に加入できる従業員、口座資金の帰属先等について、受益者の視点から詳しくお伝えしています。
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Q1:従業員が企業年金へ加入するには、どのような条件を満たせばよいでしょうか?また、いつから加入する形となるのでしょうか?
次の条件に該当する従業員は、その条件を満たした月の翌月から企業年金に加入できます。
(一)企業と労働契約を締結しており、試用期間を終了していること
(二)法律に基づいて基礎年金保険に加入し、保険料を納付のしていること。
年金は普遍的な給付であり、加入条件を満たせば原則として誰でも加入できます。企業が一部の従業員に有利に働くような選択的な加入条件を設けることはできません。
Q2:中途退社した従業員であっても、企業年金を受け取ることができますか?
従業員の個人口座に振り込まれている個人納付金と運用益は、100%従業員本人に帰属します 従業員の個人口座に振り込まれている企業の負担額及び運用益は、当該従業員の勤続年数に比例して帰属するよう設定することができます。従って、例えばどの部門のどの年齢層の社員が退職しやすいかなど、企業の実情を考慮した上で企業年金制度を設定するとよいでしょう。
注意1)帰属設定年数は長すぎず、還元率と年俸の設計は合理的かつ科学的に設定しなければなりません。2)企業年金が完全に帰属するまでの期間の上限は8年以内とされています。すなわち8年以上勤務した従業員の企業年金は100%従業員に帰属することとなります。
Q3:個人口座に振り込まれた企業年金の企業負担分が、全額従業員個人に帰属するケースには、どのようなものがあるでしょうか?
1.従業員が法定定年に達するか、労働能力が完全に失われるか、または死亡したとき。
2.従業員の過失によらない理由で労働契約か解除されたとき、または企業が法律に反して従業員との労働契約を解除したとき。
3.企業の責に帰すべき事由により労働契約が満了し、更新されないとき。
4.企業年金制度が廃止されたとき。
Q4:従業員が法定定年に達した段階で、企業年金の企業負担分が100%従業員個人へ帰属する条件を満たさない場合、企業負担分の帰属率はどのようになるのでしょうか?
この場合、企業年金の企業負担分は100%従業員個人へ帰属します。
Q5:加入条件を満たす従業員は必ず企業年金に加入しなければならないのでしょうか?
企業年金は任意加入ですが、企業は、従業員が資格を得た時点で自動的に企業年金へ加入するよう定めることができます。また、加入資格を有する従業員が加入に同意しない場合は、書面の提出により企業年金への加入を任意に放棄できるよう規定することもできます。
Q6:一度企業年金への加入を放棄した従業員を、再び企業年金制度に加入させることはできますか?
可能です。この場合、当該従業員は「企業年金加入申込書」に必要事項を記入し、会社の承認を得る必要があります。企業年金に加入していない期間分については、将来の企業年金給付の対象外となります。
Q7:企業年金制度に加入している従業員が、企業年金からの脱退を申し出ることはできますか?
可能です。
Q8:企業年金の個人所得税控除について教えてください。
企業年金の個人負担分については、国の関連政策に基づき、現地の平均給与(課税部分)の4%を超えない範囲で当期の課税所得から暫定的に控除されます。これを超える部分については給与に含まれ、個人所得税の課税対象となります。
例)個人負担額が2000元/月で、現地平均賃金から導かれる「上限値」が1200元の場合は、1200元が税額控除される。すなわち、個人負担額2000元は、課税前に1200元納付され、課税後に800元が納付される形(個人負担額2000元=課税前1200元+課税後800元)となります(課税前については「五険一金」と同じ扱いです)。
Q9:前に勤めていた企業から現在勤めている企業へ年金を移管することは可能でしょうか?
はい、移管した場合、その金額は従業員の個人口座(個人負担分)に振り込まれます。当該従業員は現在勤めている企業の年金制度に加入することとなります。
Q10:従業員と企業との労働契約が解除された場合、個人口座はどうなりますか?
新しい職場へ個人口座を移管することとなります。また、移管を保留することもできます。