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【高級管理者インタビュー】博邁立鋮投資(中国)有限公司 孫海雄 管理本部本部長(2024年2月1日)

报告文(中文)
日系現地法人における中国籍駐在員の使命

日系現地法人における中国籍駐在員の使命

現地社員のできない事をカバーできる能力を持つことが駐在員の存在価値である

現地社員のできない事をカバーできる能力を持つことが駐在員の存在価値である


 1991年に上海外国語大学日本語学部卒業後、上海市人民政府外事弁公室に入庁し姉妹都市間の交流、日本、ドイツなどの総領事館との窓口業務を担当する。その後1999年に早稲田大学へ留学し、2001年に修士号を取得後、日立電線(当時)に入社する。入社後は伸銅品、電線ケーブル、情報通信機器など幅広い製品の営業活動に従事し、課長として5人の日本人部下を指導。2011年に日立電線の北京分公司に出向し、2012年に営業部門からコーポレート部門へ異動する。翌2013年には日立金属との合併を経験、2023年に社名が日立金属からプロテリアルへ変更される。現在はプロテリアルの中華圏統括会社にあたる博邁立鋮投資(中国)の集団管理本部本部長を務める。

博邁立鋮投資(中国)の集団管理本部で、中華圏グループ会社12社の人事、教育、IT、広報、輸出管理、法務CSR、監査等を担当する孫海雄本部長に、中国籍駐在員としての経験や考えをインタビューしました。

◆◆◆ 新社名であるプロテリアルの由来、新社名になってからの変化◆◆◆

1910年の創業以来、モビリティ、産業インフラ、エレクトロニクス関連分野を中心に、高い技術力でユニークな高機能材料を生み出してきた日立金属は、2023年1月に社名を「株式会社プロテリアル」に変更しました。それに伴い、中国法人の社名も「博邁立鋮投資(中国)有限公司」に改め、新しい一歩を踏み出しました。新社名であるプロテリアルは、当社の企業理念のエッセンスを反映しており、“PRO”+“MATERIAL”から作られた社名です。“PRO”が示すのは、“Professional”、“Progressive”、“Proactive”の3つの言葉で、それぞれに「期待を超える仕事」「挑戦し続ける意志」「主体的な姿勢」という意味が込められています。“MATERIAL”は、「3つのPro」に支えられた独創的な技術から生み出される、高機能材料を意味します。プロテリアルになってからは、変革のスピードがあがり、中国事業の重要さ、中国事業への期待がますます高まっています。統括会社の管理部門に対しては、全体最適化の観点から中華圏グループ各社への統括強化が求められており、新しい突破口を模索しているところです。

◆◆◆日本企業の本社に在籍する中国籍社員の新人から課長までの10年間◆◆◆

2001年に入社した一年目は、主にエアコン用の溝付き銅管の中国販売を担当しました。翌年からは半導体用銅条の輸出を担当しましたが、変動の激しい半導体市場の洗礼を受け、その対応に追われる毎日でした。入社後のOJTは形式的なものだったため、実際には引継ぎや教育が十分にされず、ほとんど全てを自分一人で模索しなければならない苦悩の日々が続きました。

 そんな中、助けになったのが香港販社にいた中国人の先輩でした。彼から謙虚に学び、彼の納期や品質課題に対して誠心誠意に対応することで、強い絆が生まれ、数十年にわたって信頼関係を築く友人になりました。

半導体銅条の営業活動を3年間務めた後に異動を命じられました。その際には、製品売値データを整理し、納期管理の仕組みをしっかり構築することで、後任者に迷惑を掛けることなく、安心して転属することができました。

◆◆◆日系企業の中国現地法人に赴任してからの13年間◆◆◆

2011年に初めて中国駐在を命じられた際、当時の北京分公司は赤字が続き、業績改善と人材育成が最重要課題でした。それは自分にとって大きなチャレンジでした。中国籍駐在員として、分公司の副総経理として派遣されるにあたり、心に決めたことがあります。それは、日中間の架け橋になることです。日中両方の文化や仕事のスタイルを知り尽くした強みを生かせることは、日本籍駐在員や現地社員との違いだと思います。

中国籍駐在員の立場で現地社員と仕事をすることは、現地社員たちの考え方や行動パターンがよく理解でき、これはマネジメントにおいてプラスに作用しました。社員一人ひとりの強みと弱みを把握し、適切なコミュニケーションとプロセスの中で手本を示すことで、強みを最大限に発揮させ、弱みを補うことができました。その成果もあり、北京赴任1年後からは黒字を出す月が徐々に増えました。

一方でマイナス面もありました。同じ中国人が駐在員として自分たちより上の立場にいることに対して、納得がいかない気持ちを抱く現地社員がいたことです。それを克服するために、日本勤務時代に築いた本社の営業部門、工場の技術部門や品証部門との太いパイプを生かし、現地社員が困った時には、私が根回しをすることで問題を迅速に解決できるよう手配しました。これにより、現地社員の態度が変化しました。日常業務では現地社員のレポートを直したり、報告方法を指導したりすることで、お互いの信頼関係が徐々に築くことができました。

駐在員は現地社員のできない事をカバーできる能力を持つことが大切であり、それこそが駐在員の存在価値だと感じています。

昨年は、HRoot「2023大中華地域傑出雇用主」に選出されました。長年の努力が認められ、これまでの苦労が報われたと感じて嬉しく思いました。特に、日本本社を含め会社の歴史上初のHR分野での受賞であるため、大変光栄に思います。一緒に頑張ってきた管理本部の同僚たちへの感謝の気持ちで一杯です。

◆◆◆趣味やプライベートの過ごしかた◆◆◆

趣味は音楽鑑賞とスポーツジムで汗を流すことです。子供の頃から音楽が大好きで、約1万枚のCDを集めました。1997年から1999年まで、ラジオ上海FM105.7の日本の音楽を紹介するレギュラー番組「日本ヒットスタジオ」で編集とDJを担当し、再放送を含む毎週3回、1時間の番組をオンエアしました。多くのリスナーからリクエストレターが届き、それは青春時代の貴重な思い出です。現在は、音楽鑑賞のほか、健康維持のために毎日スポーツジムへ通っています。適度な運動をすることにより、活力溢れる毎日を過ごしています。

◆◆◆これからの目標について◆◆◆

次世代の育成目標は、ほぼ達成できたと感じています。これからは、その次の世代の人材候補を見つけ出し、彼らの成長環境を整備することが、自分の役割だと考えています。二世代にわたる人材が順調に成長すれば、私自身も安心して次の世代にバトンを渡すことができますからね。

中智の感想

長年にわたる智櫻会会員企業として、孫本部長は中智日本企業倶楽部智櫻会の会員活動がある際には、必ずグループ企業に通知し、ご自身も積極的に活動へ参加されています。謙虚で明るく、つねに笑顔が絶えない姿が印象的です。中智上海の顧客サービスチーム、中智外企工会、中智諮詢日本事業部等、中智グループの多くの部署が長年にわたり博邁立鋮投資(中国)様にサービスを提供してきました。

孫本部長の博邁立鋮投資(中国)でのご活躍とご多幸を心よりお祈り申し上げます!


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