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12月14日《2021年真の日中ビジネス異文化研討会》開催のご報告

报告文(中文)
 

  12月14日、在上海日系駐在員を対象に中智日本企業倶楽部智櫻会『2021年真の日中ビジネス異文化研討会』を中智研修室にて成功裏に開催しました。今回の研討会は、一部の駐在員がコロナ検査のための隔離により出席できませんでしたが、それ以外の皆様は予定通り出席されました。中智研修室では、厳格な感染予防対策を行い開催しました。

  今回の研討会には、旭化成(中国)、三井金属、コクヨ商業、川田機械製造、コニカミノルタ(中国)、日経BP、東芝(中国)上海分公司、中菱国際貿易、大成温調、帝人商事、ユアサ商事、キオクシア、堀場(中国)、日清オイリオ、ニコン儀器、佐藤自動識別系統、朝日放送テレビ上海支局、嘉会国際医院等の会員企業から、約30名の経営層及び部門責任者の日本人駐在員の皆様にご参加いただきました。


 研討会の講師は、中智日本企業倶楽部智櫻会の馮串紅部長が担当しました。

 開催に先立ち、馮串紅部長より開催の主旨を説明しました。世界的なコロナの流行により、在中国日系企業も大きな影響を受けています。本社やグローバルの大きな戦略により、中国現地法人の経営方針も調整しなければならない課題が多く、新赴任の駐在員だけではなく長年駐在されている方にとっても、これまで20年近くも経営されてきた現地法人をどう改革していくのか、各世代のローカル社員のモチベーションの上げ方等が課題となっています。これらの改革改善には、まず異文化に対する理解が大切です。

 中智日本企業倶楽部・智櫻会では年に一度、日系企業駐在員様を対象に、中国そして中国人のことを駐在員に理解しやすい日本語と日本式の表現で説明し、中国人の人間関係、交流スタイル、価値観、行動様式、職業観、働き方等の特徴を深く理解し、中国人と日本人との効果的なコミュニケーションの進め方・技法を学ぶ、「日中ビジネス異文化検討会」を連続7年開催してまいりました。この研討会を通して、参加者同士の交流も含めて異文化環境でのビジネスを学んでいただければ幸いです。


  研討会では冒頭から「異文化」のテーマを深く展開しました。はじめに、事前に行った参加者アンケートの中から、研討会参加者の中国赴任期間統計データを紹介しました。


  この研討会では参加者が7、8人のグループに分かれて行いました。まずはリラックスした雰囲気を作るため、グループ名を付けてもらい、各グループ内で自己紹介、本会に参加した目的などを率直に発表していただきました。各グループ名について、グループ内で最も若い駐在員の年齢から「チーム27」、皆さん新たに赴任した駐在員であること、新たな事業に挑戦しようという決意から「フレッシャーズ」、グループメンバーの共通項が共有自転車をよく利用していること、そのうち一人は今年5月から半年間ですでに走行距離が620kmに達していることから「ハローバイク」と、それぞれ命名しました。自己紹介で互いに打ち解けたところで本題へ進みました。はじめに、馮部長はコロナ流行下の中国について、社会・企業・人の観点から解説しました。


●駐在員、日系企業、中国人社員の強みと弱みを議論しました。

  続いて、日本人駐在員の長所と弱み、日系企業の良いところと弱みについて、グループ内で話し合い発表していただきました。

  各グループからは、駐在員の長所として、「本社から選ばれたため、技術やスキルがある」、「やり遂げる力がある」、「本社とのコミュニケーション能力」、「やさしい」等の意見が出されました。駐在員の弱みとして、「短期間で帰任する」、「現地でのコミュニケーション能力」、「よく残業をする」等の意見が出されました。

  続いて、日系企業の良いところとしては、「成果が問われない」、「教育をしてくれる」、「安定感がある」、「ルールがきちんとしている」等の意見が出されました。反対に、日系企業の弱みとして、「意思決定が遅い」、「駐在員の任期が短い」、「ガラスの天井がある」等の意見が出されました。




  参加者の皆さんに意見を発表していただいた後、事前に会員企業の中国人管理職に行ったアンケート結果を共有しました。その中で、日本人駐在員の長所として、「豊かな本社勤務経験」、「計画とプロセスが抜群」、「時間やルールを守る」、「リスク意識が強い」、「協力精神が強い」、「忠誠心」、「几帳面」等の特徴が評価されており、反対に改善して欲しい点として、「イノベーション力が欠如」、「中国速度に対応できていない」、「距離感があり全ての部下に平等に接してほしい」、「中国語力を高めて、自己意思を自分で表すこと」等の現地社員からの声を共有しました。

  また、日系企業の制度と文化の良いところについて、「人間関係が簡潔」、「プロセス化標準化」、「安定」、「基礎を重視」、「人間本位」等が評価されており、逆に日系企業の制度と文化の弱みとして、「報酬について本社の制度に沿わないよう、中国の習慣に学ぶべき」、「雇用ではなく、協力という意識改善」、「人事制度に魅力がない」、「柔軟性が欠ける」等の意見を共有しました。

  中国人社員の意見を理解した後、日本人駐在員から見た中国人社員の長所や改善して欲しい点についてグループごとに議論し、発表していただきました。その中で、中国人社員の長所について、「仕事が早い」、「ITスキルが高い」、「合理的」、「直接の上司に従順」、「上昇志向が強い」等の意見が出されました。中国人社員の短所については、「チームワークが苦手」、「出身地域等でグループ化する」、「情報共有をしない」、「楽観的すぎる」、「言われたことしかやらない」等の意見が出されました。


●就業(業界) 就職(仕事)、就社(会社)について議論しました。

  後半では日中の就業(業界) 就職(仕事)、就社(会社)について討論しました。まず馮部長は、中国の教育文化や家庭文化を解説し、効果的にローカル社員と接するにはコミュニケーションが万事の基礎であると述べ、中国人社員とのコミュニケーションのコツについて馮部長は、会食の時や肝心な言葉は中国語で伝える、社員一人ひとりに自ら声をかけたり直接に会話する、中国人は面子を重視するので、しかる時は直接本人と人のいないところで話す、交渉は早いほうがよく当日にできると一番効果的であると述べました。

  また、中国ビジネスモデルの特徴として、中国速度、調印式をよく行うことについて解説しました。日中の人間関係についての比較では、中国の人間関係は、まず家族、同郷を重視し、それ以外は利益関係で判断する傾向があると述べました。

  さらに、社員と会社との関係について、日本は白紙契約が主流となっているのに対し、中国では契約関係が基礎となっている。駐在員は、まず人事労務を学ぶべきであり、それができないと信頼関係を築けないと指摘しました。また、中国では一般的に職位内容やポジションで給与が決まり、長く働いても仕事の変化やポジションが変わらないと給与の変化も少ないと述べました。

  最後に、現地社員のやる気を引き出す方法について、日中の報酬制度の違い、社員の年代による価値観の違いなどを解説し、ベテラン社員と新人社員のやる気を引き出す方法例を紹介しました。


  相互交流と質疑応答時間では、参加者と講師が熱心に交流しました。川田機械製造の橋本董事総経理からは、赴任1年目で取り組んだ人事制度改革の経験談を共有していただきました。その中で、影響力のあるベテラン社員に対してこそ、自分の考えをはっきり伝え、理解してもらう事が大切であると理解できたと感想を述べられました。また、嘉会国際医院で日本人サービスを担当している松本様からは、駐在員が自由に日本へ一時帰国ができない中で、重病を患った際の対応に困っているケースが増えている現況を共有していただきました。そのほか参加者から、「育児中の女性従業員に対してどの様な福利を会社が提供すれば喜ばれるのか」、「有給休暇に対する中国人社員の考え方」、「社員の出身地域の偏りをどう解消するか」などの質問が出され、馮部長は詳細に説明しました。



  中智日企倶楽部智櫻会高級諮詢顧問の新井から、「経営者未来へのメッセージ」プロジェクトを紹介しました。その中で、変化の激しい環境の中、経営者から未来への素晴らしい希望を共有していただいたことに感謝を述べました。来年2月まで引き続き皆様からのメッセージをお待ちしております。


  研討会の締めくくりに、中国人社員に対する激励の言葉を全員に書いていただきました。

  「常に新しい事にチャレンジしましょう」

  「お互い異文化を理解し共に成長しましょう」

  「日本人と中国人が感じる幸福感を尊重し合おう」

  「一緒に今・未来を創りましょう」…

  皆様から中国人社員への贈る言葉を発表してもらい、馮部長からも皆様にぜひ覚えていただきたい中国語の言葉を紹介しました。はじめに、三井金属の境総経理、キオクシアの和氣高級総監、堀場(中国)貿易の木村総経理に手本として音読していただき、続けて参加者全員で復唱し、会場は暖かな雰囲気に包まれました。

  「谢谢你,辛苦了!新年我们继续!公司需要你!」


  研討会の終了後、「同じ空の下」会員の歌を聴きながら缶ビールと上海点心名物の鮮肉月餅で、ささやかな打ち上げを行いました。乾杯の音頭は、課長塾等で長年にわたり中智と提携関係にある日経BPの長谷川総経理が行いました。乾杯の後、リラックスした雰囲気の中で、参加者の皆様は日々の業務や駐在生活の悩みについて活発に交流していました。


  駐在員の皆様へのお願い:現地で赴任の際、24時間勤務と理解しなければならないこともあり、上海の法律や条列を常に理解し順守する義務があります。そしてそれは本社、現地法人、家族からの願いでもあると思います。まだコロナの流行が続く中で、異文化力を挙げ、楽しく駐在生活を過ごしましょう。

  中智日本企業倶楽部・智櫻会は、引き続き会員の皆様のニーズに応える、専門的な知識ときめ細やかなサービスを提供し、皆様の業務をサポート致します。どの様な形式であれ、私達はずっと一緒です。サービスに対する皆様からのご意見やご要望を歓迎致します。引き続き皆様のご愛顧とご参加を期待しております!