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聞いてみなければ解らない!人物インタビューシリーズ

『上海東洋油墨製造有限公司 熊谷 佳也 董事長総経理 インタビュー!』2022/5/10

<strong><font style="font-size:19px">同じ空の下で、力を合わせて抗疫戦に勝利しよう! </font></strong>

同じ空の下で、力を合わせて抗疫戦に勝利しよう!

<strong><font style="font-size:19px">——抗疫特別インタビュー——</font></strong>

——抗疫特別インタビュー——

現在も上海の疫情は、依然として複雑で深刻な状況が続いていますが、抗疫作業は既に夜明けを迎えつつあります。そこで会員企業を代表して、今回の封鎖管理の中で得た経験、課題や気づき、そして復工復産に向けた準備について広く会員企業の皆様と共有させていただきたく、会員特別インタビューを企画しました。複数の日本人管理及び中国人管理者を対象にインタビューを行い、特別インタビューにまとめました。


 
上海東洋油墨製造有限公司
董事長総経理 熊谷 佳也氏

 

81年立教大学卒業後、東洋インキ製造㈱(現 東洋インキSCホールディングス㈱)に入社、大手印刷会社担当の営業部門に配属後、人事部、経営システム部を経て、高分子事業本部 企画管理室長、経営企画室長、監査室長、富士製造所長等を歴任。18年から上海東洋油墨制造有限公司 董事総経理に就任し、21年から董事長兼総経理に就任する。

 

今回の封鎖管理の中で、経営上どの様な困難がありましたか。上記の困難を、どの様に解決又は改善されましたか。

主要顧客に対しては封鎖管理が始まる前に、ある程度の先行受注を行い納品しました。あわせて、上海市内の顧客の要請で封鎖管理前に市外の代理店の倉庫に製品の保管をお願いして、封鎖管理中はそこから供給する対応もしました。封鎖が当初想定していたよりも長期化したため在庫不足に陥ってしまいましたが、一部の製品については中国国内のグループ企業に応援生産を依頼することで対応できています。

そのほか、銀行業務がストップし、各種支払い業務や従業員に対する給与支払いができなくなりました。これについては、中国銀行のご厚意により、ビデオ電話で法定代表者から要請を行うことで支払い業務が実施できるようになりました。

 

4月23日に復工復産を実現しましたが、どの様にして実現されましたか。実現するにあたり、どの様な課題があり、それをどの様に解決しましたか。

当社は、生活物資認定企業へ間接的に供給しているのですが、当初なかなか操業再開許可が下りませんでした。そこで、顧客からの納品督促状などを提出してもらうことで、まずは出荷作業だけは特別に工場安全管理目的という理由で認めてもらうことができました。その後、工業園区から出荷や操業が一部認められたのですが、社員が小区から出ることができず、対応に苦労しました。また一度出社すると工場での寝泊りが必要になるので、出社してくれる社員を確保するため各種手当(特別手当、宿泊手当)を臨時に新設しました。現在、68人の社員が出社して寝泊り操業を継続しています。さらなる増員をしたいと考えていますが、宿泊施設の確保が課題となっています。


 

封鎖生産を実施する中で、従業員の心や体の健康をどの様にケアしていますか。

在宅勤務中の社員については、各部門内のチャット等を通じてコミュニケーションをとり、状況の把握に努めています。封鎖生産の現場では、出社できている社員の中から責任者を選任し、社員の健康管理、安全操業指導などを行なっています。供給が急がれる中にあっても休日をきちんと設定し、通常の食事のほかに差し入れを行うなど社員の体調管理に気をつかっています。私からも責任者に感謝のメールや体調管理、安全操業に関するメッセージを送りました。


 

今回の封鎖管理から復工復産を果たす中で得た教訓は何ですか。

今後も同じような状況が再発することを十分に想定し、備えておくべきであると考えます。今回の教訓として、以下の必要性を強く感じました。

●在宅勤務に必要なシステムの外部接続とセキュリティの両立

●中国エリア内のグループ各社との在庫共有などのリスクヘッジ策の更なる強化

●生産工場の省人化、倉庫のピックアップ作業簡略化に向けたバーコードシステムの導入検討等のDX化の推進

●福利厚生施設の充実化(宿泊施設など)

 

力を合わせて抗疫戦を戦っている従業員たちや、会員企業の皆さんにエールをお願いします。

まだ封鎖は解除されていませんが、感染拡大はピークアウトしつつある状況です。未だ事業、操業を再開できていない企業もあるかと思いますが、引き続き情報収集に努め、地元政府や工業園区と協力しながら復工復産を目指してください。あと少しの辛抱だと思います。ここは耐えて頑張りましょう!