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「真の中日ビジネス異文化」セミナー開催のご報告(2019年9月27日)

報告文(中文)

 さる9月25日(水)、新駐在員を対象にした「真の中日ビジネス異文化」セミナーを市内の会場で開催しました。

 今回のセミナーには、ダイキン、三菱UFJ銀行、三菱電機、瑞穂信息、川辺日港精密塑料、出光電子、イオン、堀場儀器、平田機工、アルプス、ヤンマー発動機、清和、アルバック、東京建物、東京海上日動火災保険(中国)、聯洲油脂、划労通文化、福島県上海事務所等の数十社の会員企業から、董事長、総経理及び部長等に参加いただきました。


 講師は、中智日本企業倶楽部・智櫻会部長の馮串紅が務めました。

 講座に先立ちまして、馮部長より、開催の主旨を説明しました。近年、在中国日系企業の多くは、現地グローバル化を強力に推し進めてきました。その為、現地駐在員の人数が極端に減少している傾向があります。中国に赴任された方にとっては日々のコミュニケーション相手はローカル社員が殆どです。又、取引先や競合企業の中には中国資本企業(国有、民営)が急速に増加しています。在中国日系企業の中では日中文化の相違に対する理解を深めていきたい、その声が大きくなってきています。 中智日企倶楽部では年に一度、日系企業の新駐在員や中国への長期出張者の方々を対象に、中国人の人間関係、交流スタイル、価値観、行動様式、職業観、働き方 等の特徴を把握し、中国人と日本人との効果的なコミュニケーションの進め方・技法を学ぶ、「日中ビジネス異文化講座」を連続5年開催してまいりました。講義で共有した事例や先輩駐在員の経験は、会員企業の真実であり、多くの会員企業にとって、中智の講座に参加いただく重要な意義といえます。


 本講座の冒頭から「異文化」のテーマを深く展開しました。異文化はどのように生まれたのか、異なる国の環境、絶え間なく変化していく時代や伝統的な流行文化等、異文化はどこにでも存在し、善し悪しの区別もありません。異文化能力を高める最も重要なポイントは自分を理解することです。高いコミュニケーション能力で相手を理解し、自分の考えを相手に理解してもらう努力をすれば、最終的にお互いが理解し合うことができます。


 続いて、日本からの就業データを共有しました。15~64歳の日本国内の就業人口は年々減少しており、外来の就業人口は年々増加しており、中国現地の人材育成の重要性は拡大し、より良い交流の重要性も高まっていることが分かりました。

 異文化の理解力を深めることの目的に、①仕事の目標を達成すること、②中国人と信頼関係を築くこと、③心身とも健康な駐在生活ができることの3点を挙げました。

 自分のことを十分理解しておくため、講座では皆さんに日本人の長所と短所について討論をしてもらいました。仕事に真面目、礼儀正しい、服装がきちんとしている、約束を守る、協和性がある、静か、組織を大事に、判断に慎重、我慢強い、よく働く、相手の反応と気持ちを配慮する、研究開発力がある、部下指導やコミュニケーション力がある等が日本人の長所として発表しました。その後、馮部長より皆さんに倶楽部会員企業の中国人に調査した結果を共有しました。現地の中国人社員は、日本人駐在員について、礼儀正しい、時間を厳守する、理性的で理論的、良い習慣がある、公私混同しない等の長所を挙げていました。


 また、日本人の短所について、中国の現地社員は、批判が厳しく褒めるのが苦手、言いにくいことを率直に言わず他人を通じて伝える、中国人を信用していない、中国人の日本語の誤りを正さない、会議が多すぎて新しい知識が学べない等を挙げていました。

 その後は駐在員の立場から、例えば共通の悩みは見知らぬ国で友達がいない、異なる言語、異なる習慣があるなど、会員の悩みも聞きました。例えば、組織内の下位者を育てたり、組織を超えて情報を共有する意識が低いこと。課題ではありませんが、他会員の方々がどんな方法でコミュニケーションを取っているのか、勉強したい。離職率の低減。ナショナルスタッフの指導育成などです。


 当倶楽部が最近会員の中で行った調査結果を共有しました。中国人従業員は身近な日本駐在員に対する評価、長所と短所、中国人従業員の日系企業制度に対する見方など、参加者たちは驚きながらも、誤解が多いことを知り、コミュニケーションの重要性を実感しました。その後、中国の習慣や大衆の考え方を詳しく説明しました。例えば、団体意識の中で家庭と仕事の関係、面子意識の中では、口で言うよりも行動によって誤りを認める傾向があります。

 ビックデータの調査結果を現場の会員に共有しました。例えば、上海の50%の就業人口年齢は16-35歳で、求職者の学歴の比率と年齢層の優劣などです。

 中国人従業員に人気のある駐在員のイメージを共有しました。例えば簡単な中国語ができる。中国の歴史を少し知っていると、自身は各方面で従業員たちに尊敬され、従業員と一緒に行動することができます。同時にいくつかの中国の事例を通して、従業員が受け入れやすい管理方式を理解させます、例えば賞罰が明確である、従業員を担当させるには、権限を開放し、誤りをしてもチャンスを与えることなど。


 いくつかの日系企業の事例を通して、中日のビジネス環境の違いを分析して、大手企業、長寿企業、有名企業が中国に進出するには、ゼロからの心の準備が必要です。日本の影響力で中国市場を想定することはできません。

 実際に例を挙げる時、先日の中日社会保障協定の影響についても言及しました。中国市場の開拓にはマーケティング人材が欠かせないということと、中国のビジネス環境の下でのビジネススキルがあり、従業員の能動性を高めるために必要な条件があります。みんなの困惑も一つずつアドバイスしています。


 会員企業の統計結果によると、70%の中国人従業員が自分の上司は日本人であることを希望していると伝えた時、会場の駐在員の皆様は非常に感動し、理由を知りたいというリクエストがありました。そこで、現場で見学していた出光電子材料(上海)有限公司の蔡経理に中国人従業員を代表して述べていただき本音について、「自分も日本人の上司が好きで、文化的で良い習慣が多く、常日頃から多くのことを学ぶことができ、また多くの機会を得る事ができる」と語りました。


 駐在歴五年になる瑞穂信息系統(上海)有限公司の渡辺総経理からは、駐在員の先輩として自社の福利制度について共有していただきました。金銭的な福利はある程度本社の予算による制約を受けるので、金銭以外、例えば日常的に従業員のよい行動について褒める事は従業員のモチベーションを高め積極性を引き出す事ができると述べられました。


受講後アンケートの質問では、在中日系企業で働く中国人社員に言いたい一言について、「感謝!日本人と中国人のBest Mixを考えて行動しよう!」というコメントが多くて、印象的でした。

 最後に、今回の講座の為に、中智日本企業倶楽部・智櫻会の「成功した日本人駐在員インタビュー」特別号を作成し、配布しました。皆様の先輩達の経験談を読んでいただくよう提案しました。

 馮部長は、自分のコミュニケーション能力、リーダー力、指導力、責任感、犠牲精神、従業員とよりいい信頼関係の確立、孤独をこらえる能力などが、駐在員にとって重要だと指摘しました。中国の速度、中国の制度、中国の競争と日本の本社の長寿安定文化の間で、どのようにバランスをとって、どのようにチャンスを最大化するかは今の中国に駐在する日系企業のトップたちの課題です。グローバル人材のモチベーションをアップさせ、グローバル管理者になることは、駐在員たちの願いです。


 今回の講座を通して、2019年中国へ赴任された新駐在員の皆様の熱意、伝える力、問題発見能力、学習力及び管理能力が優れておられることが分かりました。皆様とも目標や夢、長期駐在の決意を持たれています。私たちは在中日系企業に希望を持つことができました。皆さんはきっと、中国の新世代社員達と協力して仕事を成し遂げることでしょう!


 中智日本企業倶楽部・智櫻会は毎年この講座を通して、会員企業の新駐在員たちと中日ビジネス異文化を分かち合い、毎年新しい状況に対応する新サービスを開発し、時代と共に会員企業に対して最適なサービスを提供して参ります。今後も引き続き駐在員向け講座を開催し、中智独自の情報とソリューションを会員企業の経営層駐在員の皆様に提供してまいります。

 講座の内容についてもっとお知りになりたい方は、ご遠慮なく中智日本企業倶楽部・智櫻会にお問い合わせください。